孤独な散歩者の夢想 (岩波文庫 青 623-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362310

作品紹介・あらすじ

付録: 晩年のルソー (ベルナルダン・ド・サン・ピェール) 165-177p

感想・レビュー・書評

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  • 誠実な姿勢、息苦しいまでの真面目さには驚かされた。子供の孤児院送りは様々な事情を踏まえた判断だったとは思うが釈然としない。

  • 新自由主義的な考えが広く膾炙しつつあり、何でもかんでも「自己責任論」で片付けられる傾向も散見されるようになってきている今の時代(2024年)だからこその受け止め方なのかもしれませんが、ルソーの精神的未熟さ、もっと言うと幼児的な甘えが顕に見える随筆となっています。「自分はこんなに素晴らしい人間なのに世の中わかっとらんねぇ」という、文字通りの「夢想」が続くので、活力漲る方は読むのが苦痛かもしれません。

    元々ルソーは私生活や他の書でもチョコチョコと自己愛的で尊大な思想を見え隠れさせていますが、その傾向が晩年にドッと表出したという感じでしょうか…。歳を重ねたらまた印象も変わるのかもしれませんが、「こんな晩年は迎えたくないな…」というのが正直な感想で、2度読むことは無いんじゃないかなと思ってしまう一冊でした。

  • 数年前に挫折した本。
    ディドロ含めた友人に迫害され国を逃げたルソーの、暗澹とした想いをつづったもの。思っていた哲学書とは異なり、隠者の趣きがするので、後回し。いま読みたいものではない。

  • 最初は名前が特別だから見たいだけです。しかし、少し見てみると、文章は少しユーモアがあって、読むのがいいです。同時に著者も彼を理解できる人を探したい。ソルー、社会の影響で、人間が嫌われた。それから、一人になった、自分を探す。読むときも自分の探索を引き起こし、このような場合の自分の答えを探すことができます。

  • 自分と同じ年齢の時に書かれたようで、共感するところがおおかった。
    ホントにひとりで夢想していたいですよね。
    あまりに周囲は自分のことをわかりもしないで評してますからね。

  • 共感できる点が多く、もう一度じっくり読み返してみたい。
    だいぶ面白かった。

  •  
    ── ルソー/今野 一雄・訳《孤独な散歩者の夢想 19600205 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003362314
     付録: 晩年のルソー (ベルナルダン・ド・サン・ピェール) 165-177P
     
    ── ルソー/今野 一雄・訳《エミール(上)19620516 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003362217
     
    (20190718)
     

  • 哲学

  • 18世紀の啓蒙家であるルソーが最期の3年間、孤独な日々をパリで過ごす中の徒然とした思いを綴った随想記です。

    心の浮かぶままに人生の出来事を反芻しつつ、迫害に対する怒りにいまだに強くとらわれつつも、自然や植物への深い憧憬そして巷間の人々との交流を書き留めています。

    ルソーの業績が後年多く人々に影響を与えたことを考えると、彼の言うところの「無為」の日々が寂寥に感じられますが、一生の終わりに向かう人の解放の過程とも言えるかもしれません。

    パリの第一区に彼が晩年居住した建物(52, rue Jean Jacques Rousseau)が残っています。

  • 晩年全くの孤独に閉ざされたルソーは、日々の散歩の途上に浮かび上がる想念やつれづれの印象を、また事件あるいは生涯のさまざまな思い出を記し、人間と自己を見つめ続けた。偉大な思想家ルソーの緒著の中でも、特に深い感銘を与える最後の作品。(表紙説明より)


    「社会契約論」で有名なジャン・ジャック・ルソーの最後の作品。何よりも自然を、植物を愛した彼が、自身の住むパリを発し、自然豊かな郊外まで毎日散策を繰り返し、その道中で考えたことをつれづれなるままに綴った作品。

    人間を避けて孤独に暮らしたがっているくせに、なによりも人間のことが大好きなルソー。


    友人達から裏切られ他人を信用できなくなった孤独な人間が、どのように人生を処するべきか。身の持ち方、考え方、孤独な夢想の楽しみ方、みたいなものが書かれてました。社会から閉め出され、たった一人であると感じたルソーは、「告白」で始めた自己探求の道をさらに遠く進もうとする。
    しかしこの作品は、自我の探求の他にもいっそう興味を持つ美点がいくつもある。例えば、ビエーヌ湖上のサン・ピエール島の追憶。自然の観賞のうちに経験した深い恍惚感を伝える第五章。文学的にも思想的にも最も興味深く美しく、ロマン派以降現代に至るまで多くの詩人や作家に影響を与えているらしい。フランス散文の歴史上でもまれにみる美文として知られている。

    また、幼子や少女達、老いたる老兵との廻り合いに涙する老ルソーの姿がみられる第9章。人間に対する止みがたい愛着、運命によって余儀なくされた絶望的な孤独感、この矛盾する感情がルソーの自伝作品の基調になっている。

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