ダランベールの夢―他四篇 (岩波文庫 青 624-2)

著者 : ディドロ
制作 : 新村 猛 
  • 岩波書店 (1958年6月5日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362426

ダランベールの夢―他四篇 (岩波文庫 青 624-2)の感想・レビュー・書評

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  • 実在の人物を対話形式にて登場させ、ドゥニ・ディドロが当時の最新知識を交えながら自身の思想を披露する短編5編を収録。18世紀フランスのアンシャン・レジーム下、ダランベールらとともに啓蒙思想の書として名高い『百科全書』を編纂したことで有名なディドロの先進知識がわかり興味深い。
    短編5編の内、『ダランベールとディドロの対談』、標題作『ダランベールの夢』『対談の続き』は一連の流れともなっている。原子が集合して物質が形成され、生命そして感性を持つにいたり、それは輪廻転生のように循環することなどを話題とした『ダランベールとディドロの対談』、ダランベールがそのディドロとの会話を夢に見てうなされる(!)ところをみたレスピナッス嬢とボルドゥー医師が話を発展させて、蜘蛛の糸のように張り巡らせらた「束の筋」を使って各組織・器官を統合しているもの(束の根源)が生物の魂であるという唯物論的な生命観を語る『ダランベールの夢』、それとは打って変って快適と有益を追求するならどのような性行為、自慰行為も自然に欲求することだから妨げてはならないとする『対談の続き』が語られる。『元帥夫人との対談』は無神論者だが有徳の行動がありえるかという話題をディドロと元帥夫人が対話するという話で、先の『対談の続き』と並んで当時としてはかなり先鋭的で破天荒な内容だと思われる。『肖像奇談』は、ある公爵がディドロに相談してかつての愛人に渡した肖像画を奪い返すという話で、医師であり占い師を使って怪しげに元愛人を騙す話で、これは戯曲として面白いのだが、中途半端で終わってしまうのが惜しい。
    当時の先端生物学やそれから展開しているディドロの唯物論、無神論などを基本としたディドロの思想は、正直な話、現代に生きる自分には少々わかりづらいところもあるのだが(笑)、様々に挿入された事例が面白いのと、啓蒙時代におけるディドロのはっちゃけぶりが想像できて楽しかった。
    それにしても、『ダランベールの夢』等はレスピナッス嬢の死去後に発表されたとのことであるが、『プラトン』といい、実在の人物に仮託して議論を展開する書を発表するなんてありなんだ。(笑)現代なら間違いなく、~侵害で訴えられますよね?(笑)

  • 岩波三大奇書の一

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