学問論 (岩波文庫 青 631-1)

  • 岩波書店 (2022年4月19日発売)
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 111
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (356ページ) / ISBN・EAN: 9784003363195

作品紹介・あらすじ

「学問は、単なる手段と成り下がってしまえば…直ちに学問であることをやめてしまう。」若くして大学の教壇に立った哲学者シェリング(1775-1854)は、大学や学問研究の理念を熱く語った。国家の関与からの自由を掲げ、哲学を基盤とし諸学が有機的に関連する「普遍的なエンチュクロペディー」を構想する。後世に影響を与えた学問論の古典。

みんなの感想まとめ

学問の本質や大学の独立性について深く考察されている一冊で、哲学を基盤にした普遍的な真理の探究が強調されています。著者は、学問が実用性に偏ることなく、倫理観を中心に据えるべきだと主張し、国家からの自由な...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 後世への影響として非常に重要な書だとは思うが、最早、「学問における真理の追求」や「大学の独立性」などの価値観が所与のものとして育った人間としては、当たり前のことを同義反復しているようにも見えてしまう。しかし、順序が逆なのであり、こうした論究があって、今がある、というように読むべきものなのだろう。

    シェリングは、大学が国家の関与から独立すべき事。すべての学問の中心に哲学や倫理観を位置づけるべき事。その上で、学問自体を即実用性を求める実学に偏らせず、かつ普遍的な真理を探究すべきと考えた。個人の宗教観や歴史認識から切り離して学問をする、という事がその時代には難しい事だったろうと思う。現代においてさえ、社会的文脈に特に、人文、歴史、法学は左右されると事も大きい。シェリング自身が無神論者であるのかは語られないが、仮に無神論であっても、特定の信仰や習慣と切り離した真理などは、追究し得ないような気もする。つまり、学問における「理想・目標の設定」という事で、少なくとも文系学問においては、完全に独立して思考する、完全に公正なものという領域はあり得ないのではないか。理系学問における自然法則は普遍的ではあるが、こちらについても、それらを具現化した製品、メカニズムを社会に組み込むべきか、例えば、核分裂の技術をどう扱うか、はやはり社会的文脈によるのだろう。

    故に「納得感」を導く社会学が発展し、公平性やら、それに伴う法理ルール、選挙や統治制度などの制度設計やメディア論などに繋がっていく。流石の古典、考えさせられる一冊ではあったが、少し読みにくかった。

全1件中 1 - 1件を表示

シェリングの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×