- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003363225
感想・レビュー・書評
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臆病狡猾なこの私ですが、多読について考えさせられる内容でした。匿名のジャーナリストとか、世間の流行りとか嫌いすぎだろ。150年前も今と変わらないなと。
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アバタロー氏
1851年出版一般向けのエッセイ「余録と補遺」に集録
思索、著作と文体、読書について
読書とは他人にものを考えてもらうことである
《著者》
1788年生まれドイツ哲学者
《内容》
○思索
・知識は量でなく、どれだけ考え抜かれたかで価値が決まる
・読書は他人の思想が自分の思想に入り込む行為である
・無目的な多読は自らの思索を追放してしまう行為である
・自分の頭で考え抜いた仮説を補う手段として書籍に頼る
・思索を巡らし、得られた思想は記録しつなぎとめる
○読書について
・悪書は読まず良書を読め
・悪書の多読は避ける良書の多読は問題なし
・書籍から多くを学ぶために思想体系を構築する
・良書は必ず2回読む
・ギリシアローマの古典にチャレンジする
《感想》
読むことが目的は反逆罪
悪書は読むな
それは今もそうだなと
語り口は厳しいがまっとうな内容だ
著作「幸福について」も、どういう内容か楽しみだ -
ショウペンハウエルによる「思索」「著作」「読書」に関する短編集。
ショウペンハウエルは19世紀に活躍したドイツの哲学者で、その厭世的な思想はニーチェ、ワーグナーなどに広く影響を与えた。
しかし本著ではそのような思想はあまりみられなくて、単純に「人間はどのように考えて生きるべきか」が一貫したテーマに据えられている。
古典としては非常に読みやすい部類かと思う。明快なメッセージが述べられているし、表現も平易。途中あるドイツの古語と現代語の対比が冗長なので、これは読み飛ばした。
強くてシンプルなメッセージがその特徴。皮肉に満ちた表現も多い。
その主張を簡単にまとめると、「読書は思索の代用でしかなく、他人の考えたことを反復しているだけである。だから多読は慎むべきで、時間を持て余して多読に走る人間は馬鹿だ。」というもの。この後に、「才能がある人間は読書によってそれを呼び覚ますことができるから、この場合だけは読んで良い」と続くものの、中々に強烈なメッセージかと思う。
多少なり多読に「走っている」自負がある自分には刺さった主張だった。
実際、この主張は真っ当なものだと思う。
読書をはじめとしたインプットにはアウトプットがセットで付随するべきだ。アウトプットのためのインプットであることを意識しなければその効果は著しく落ちてしまう。陳腐だが普遍的はメッセージだと思う。 -
ナイフのように切れ味ある文章 -
最高
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読書のあり方について。自分自身で思索すること。
書籍を選ぶ際に自分も気を付けていること。まずは作者を確認する。⇒「低劣な著作家の大多数は、新刊書以外は読もうとしない民衆の愚かさだけをたよりに生きているにずぎない。すなわち彼らの名はジャーナリスト。」「読書に際しての心がけとしては、読まずにすます技術が非常に重要である。」 -
ショーペンハウエルこわい。翻訳が上手なので、読みやすい。
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古典を読もうシリーズ。
この本は「思索」「著作と文体」「読書について」の三編が含まれている。
思索における「読書は思索の代用品にしかすぎない」という言葉は、胸によく刻む必要がある。
真に有用な知識は読書では手に入らない。本を読むことは、あくまでもきっかけに過ぎない。
「読書の第一の心がけは{読まずにすますこと}である」という皮肉も面白い。もちろん、読まなければ始まりもしないのだろうが。
読書についてで、新刊書にやたら厳しい言葉が書かれているが、筆者の指摘は最もだと思う。二〇一〇年の本屋大賞を読んで、果たして二年後に覚えているかというと、かなり難しいと思う。二年前のベストセラーの内容を覚えている人はどれほどいるだろうか?
ただ、逆に言えば一回読んだ本がずっと心に残っているのならば、それは自分にとっての名著なのである。
今年はかなり沢山の本を読んだが、心に残った本も少なからずあった。今年読んだ分を振り返りながら、そうした本を紹介できればいいなぁ。 -
下らない本の多読よりも、自分の思索、思考を大切にすること。書く時は曖昧な表現をしないこと。書く素材よりも書く形式を優れたものにすること。多読を志した自分としては耳の痛い話である。昨年からブクログをつけ速読、多読の本を読み努力したが、果たして仕事や私生活の問題に役に立っているのだろうか?疑問がいっぱい残る。まだまだ足らないから役に立ってないのか?それともこの本で大事と言われる思索が出来ていないからなのだろうか?一つの解決として読書と同程度の時間を思索に当てようと思う。
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古き新しき問わず、色んな本をたくさん読みたいです。