読書について 他二篇 (岩波文庫 青 632-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363225

感想・レビュー・書評

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  • 出版物が溢れる時代において、愚作やそれを読む人を痛烈に反する本。良本を徹底的に自分の養分にするように取り込む一方、悪書は徹底して切り捨てよと。ショウペンハウエルが情報洪水が起きるインターネットの時代にいたら、憤死するんじゃないかと思う。

  • ショウペンハウアー先生にめっちゃくちゃ怒られました。
    ・読書なんか、自分で考えるのサボってるだけ、バカになるぞ。
    ・良書を読みたい?なら悪書を読む時間削れよ
    ・匿名で書評書いてるやつにロクなやつはいない
    ・言語が乱れすぎ
    すみません、全部当てはまります。
    本を読むなって事でもないんですよね。
    まず考えろ、本に書いてあるのと同じ結論でも自分で考えてから合わせるのと、ただ読むのでは立ってる地平が全く違うって事ですね。

    というか、この本の書評をまさに匿名で書いてます。ぶん殴られそう。

  • ・読書は、他人にものを考えてもらうこと
    ・次第に自分でものを考える力を失っていく
    ・自ら思索する者は自説をまず立て、後に初めてそれを保証する他人の権威ある説を学び、自説の強化に役立てるにすぎない
    ・読書は思索の代用品に過ぎない

  • 今までに見たことのなかった読書の世界観を感じることができた。ページ数はそんなにないが、密度は非常に濃い。さらっと読めるかと思ったが意外と時間がかかった。何度も読み直す必要がありそう。

    ところどころ哲学者・有識者をボロカスに批判しているのが印象的だった。「彼らは苦心惨憺、自分たちが愚かな鼠の性から生まれている事態から生まれようと努めている」や「自分では何一つものを考えていないという始末で....」ここまで痛烈なのには驚いた。なんか恨みでもあったんか?笑(実際ヘーゲルとの間では激しい論争が繰り広げられていたらしい)

    一方で現代社会・読者にも通ずる点もたくさんあった。特に匿名のコメントが卑劣というのは、まさにSNSついて指摘しているのかようにさえ感じる。他にも良書/悪書を見極めることや、ただ漠然と多読をしていても「自分で考えぬいた知識でなければその価値は疑問で、量では断然見劣りしても、いくども考え抜いた知識であればその価値ははるかに高い」し、「他人から学んだにすぎない真理は、我々に付着しているだけ」という点は意識しなければ。

    メモ(p.63):
    しかしこの規則軽視して顧みないのがドイツにおける哲学専門の著作家や、一般に何々論とか考察ものを著わすドイツ著作家に共通の特徴で、ドイツにおける哲学専門の著作家や、フィヒテ以来時にこの傾向は著しい。すなわちこのような文章家に共通に現われる特徴は、何かを主張するように見せかけようとするだけで、実は主張するべきものを何一つ所有していないといことである。

  • ショウペンハウエル (1788-1860) の主著「意思と表象としての世界」の基本的な人間観はペシミズムであり、一般には読まれることが少ない。しかし、その付録と補遺である「思索」、「著作と文体」、「読書について」は、我々一般人にも大きな示唆を与える。
     文章の書き方について、次のように語っている。

    「建築術でも装飾品を飾りすぎるのを警戒するように、言葉の芸術でも、不要な一切の美辞麗句、無用な敷衍(ふえん)、表現過剰を警戒し、純潔無垢な文体や話法に努めなければならない。無用なものはすべて有害な作用をもつ。単純素朴はもっとも高貴なものにも通ずるので、この単純たれという掟(おきて)は、あらゆる種類の芸術にも有効である。
     表現の簡潔とは、真の意味ではいつもただ言うだけの価値があることだけを言い、だれでも考えきそうなことにはいっさい、冗長な説明を加えないこと、必要なものと不要なものとを正しく区別することである。しかしだからと言って、明瞭さを、まして文法までをも簡潔さの犠牲にしてはならない。わずか数語を省くために、思想の表現を弱めたり、あるいは文意までも曖昧(あいまい)にしたりするのは、愚かなことで非難さるべきである」

  • 読書について をまとめた短編と、その他2つの短編をまとめたもの

    エッセイに近いんですかね?マンガが主体で活字は読まないので、あまりわからず、、

    自分が読書をしようと思った際に、まずは読み方を知るべきだろうと手に取った本です

    要するに、バカみたいに本を読んだところで意味はない、何を読むか、どう読むかが大切だぞ
    てことです

    数じゃなくて質、てことですね
    まあ言われてみれば普通なことですけど、改めて本質に立ち返れると思います

    この本を読んで1番びっくりしたのは、この本が書かれた時代も、今と変わらず様々な"薄い"本が出てるってことです
    『読書について』じゃない短編で、作者がひたすら愚痴を書いてましたが、そこには

    「古典を独自解釈してテキトーに書かれている新書が大量に出回っている、それを読んだところで何も意味がない」的な事が書いてありまして、、
    今も、『楽して稼げる方法!』とか、『日本政府の陰謀!』的なあやし〜い本がたくさんありますけど、そういうノリって変わらないんだなぁと、
    そして、いつの世もアホな人はそういう本を買って読んでしまうんだよなぁ、と、、、

    そういう人にはならない様、自分の読みたい、読むべきと思うモノを読むことにしてます
    あとはなるだけ数じゃなくて質をね。良書は何度も読んで身につけていくべきというものです。

  • 自分で考える。本を読んでそう思いました

  • 天下一品の口の悪さ。
    言いたいことは分かる。「悪書を読まないのがベスト」なんてのは懸命な判断だ。

  • 2021年 31冊目

    多読によって人は愚者となる→まあわかる。思考停止しないように気を付けないといけないし、アウトプットもしましょう。
    良書を読むには悪書を読まないこと→むむ。余程の審美眼をもつ人でなければ、悪書を読まずして良書か否かなんて分からないのでは?洗礼を受けた物だけを享受するのはまるで去勢されたような白々しさを感じます。。なんて。

  • ここまで辛辣に批判する本は初めて。悪書を読まないこと、自分で考えることを心に刻めた。

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