読書について 他二篇 (岩波文庫 青 632-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363225

感想・レビュー・書評

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  • 表現は簡潔で読みやすく、鋭い洞察も随所に見られますが、
    この本は文学小説ではなくあくまで哲学書であり、
    哲学書としては致命的な欠点があると考えた上で、
    表層的な点でのみ評価するのも失礼と思い星ひとつとしました。
    (読む価値がないという訳ではないのでお気を悪くなさらずに)


    評価を下げざるを得ないと考えた理由は全般的な論拠の拙さにあります。
    読み口の良い文章なのでするすると頭に入るのですが、
    注意深く読むと、ほぼ全ての主張の論拠は権威の引用か比喩のどちらかと分かります。

    権威に立脚した議論の不味さについては著者も述べるところですが、
    比喩に立脚した議論も、実際、不味いです。
    (AとBに共通する性質があれば比喩は成立しますが、
    かといって“Aにあてはまる性質が全てBにあてはまる”とは言えないためです)


    著者は文中にてアリストテレスを引用し、
    優れた比喩は知識を得る武器である旨を述べています。
    この点は僕も同意するところです。

    しかし、それはあくまで比喩が物事の理解に有用という意味であり、
    論理の根拠として有用という意味では全くありません。
    もしその点を理解できていないとしたら非常に残念だと思います。


    洞察は鋭いだけに、有効性のない論拠で取り繕うことなく、
    仮説は仮説としてこの本を書いていてくれたらと、
    著者によるドイツ人への批判を思い出しながら考えざるを得ませんでした。
    (割と広域にあてはまるんですが、かといってそれがありならなんでもありなので、そういう本は全般的に評価できないですね)


    ……仮説レベルの話になりますが、もう一歩踏み込んで批判させてもらうと、
    著者は検証に対する姿勢が甘いんじゃないかと思います。
    ゆえに言葉が曖昧で、それが高圧的で独善的な姿勢と相まって、
    「世間は情報に踊らされており自分だけが思索している」
    「自分の読書が良い読書、他人の読書は悪い読書」
    といった誤った物の見方を読者に広めはしないかと危惧しています。

  • そもそも全部読む前に読む価値無いのでやめました。評価もつけるべきではないけどとりあえず。
    あまりにも限定的な視点および限られた条件について批判を展開してる。にもかかわらず構成する仕組みについて全否定というわけわからんやつ。時間の無駄でした。

  • 老人が悪口と愚痴と繰り言とで構成したような感じ。全ての優れた作品は低い報酬しか得られなかったとか(自分のような)天才は同時代人から受け入れられない、という下りは売れない作家の自己弁護に似ている。

    • bakakabakkaさん
      ショウペンハウエルの偉業が理解できないのは非常に哀れです。
      ショウペンハウエルの偉業が理解できないのは非常に哀れです。
      2011/08/28
  • 会社の第4回読書会の課題図書。
    著作と文体は非常に読み辛かったです。
    ショーペンハウエルがドイツ語の衰退を嘆いているな~、ということだけは感じ取れました。

    「自分で読む→感想をoutputする→読書会で議論し、他人の感想を共有する→会後の感想をさらにoutputする→自分の行動に反映する」
    このスパイラルがgoodなんですね。
    ショーペンハウエルも同じことを言っているので、我々の読書会の意味がさらに深みを帯びたような気がしました。正直、うれしい。

  • すっげ嫌い
    偉そうだから
    検閲しろだって
    くっそだね

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