近代美学史―近代美学の三期と現代美学の課題 (岩波文庫 青 637-3)

著者 :
制作 : 澤柳 大五郎 
  • 岩波書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363737

感想・レビュー・書評

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  • ディルタイによる近代美学の簡潔な総括。ライプニッツなどの唯理的美学と実験的美学の双方に不備があると指摘しつつ、17~19世紀の美学史を解説している。そして究極的には、美そのものを目的とするのではなく芸術作品が鑑賞者の心を動かす作用に注目しなければならないと説く。

  • フッサール以前の現象学の源流のひとつとも言われるディルタイだが、日本ではその著書をなかなか読むことができない。全集があるらしいがもの凄く高価で、私の住む街のしょぼい図書館には、当然置かれていない。
    だからいまだにディルタイに関してはよくわからないのだが、この本は17世紀から19世紀にかけてのヨーロッパ芸術、それをめぐる美学上の論説の歴史が簡単にえがかれている。
    ライプニッツやホームの文章が引用されているあたりは興味深かった(音楽についての美学)。
    それにしても、ヨーロッパ美学史上の重要そうな本は、私もほとんど読んでない。というか、ここに出てくる著書名のほとんどは知らない。
    ヨーロッパ人ではないから、やむを得ないか。と、開き直ってみる。そもそも、それらは邦訳を入手できないものが多いだろう。
    この本は薄すぎて、相変わらずディルタイの思想の特徴は掴めなかった。

  • だいぶ時間がかかってしまった。一周目は、途中からこれは美術批評に最低限必要な内容を網羅していると気づいたので、直ぐに二周目を読もうと決めたので、内容を理解・解釈することに勤めた。考えの種が至る所に散りばめられていて甘やかされた読書だったかも。

  • 最近、「美しいさや美しいこと」に対して少々、時折だが、深く思いをめぐらすようになってきた。なので、美学入門書などを、少しづつ読み進めているが、ここで紹介する『近代美学史』の本は、何かしら美学の歴史的の流れを系統立てて書いたものがないかと探していたところ、見つけた本である。 この本は、ドイツの哲学者であるヴィルヘル・ディルタイにより書かれた本の訳本である、。全体的な内容としては、ドイツ語訳であるせいか、文章は少々硬い表現ではあるが、17世紀から18世紀にかけての美学の方法について丁寧に書かれている。今日の美学の果たすべき課題についても内容的に理解しづらい面もあるが、じっくり読み込むことでわかってくる内容でもある。
    この本の内容から一部、印象に残っているものをピックアップしてみると・・・。

        美には、感情で捉えるものと知性で捉えるのがある。
        調和・秩序は美しく愛を目醒ますものである。
        バウムガルデンは、最初の美学体系を樹立した一人である。
        美の対象には、固有の美と対象の関係より生ずる美とがある。
        美は芸術で表現し、芸術は美の表現手段である。
        精神生活のレベルの高さで美に対する印象が異なる。

     最後に美学について少しだけ、基礎的内容を・・・・

      美学が哲学の一領域として定式化したのはいつか?
      1750年にドイツの哲学者であるアレクサンダー・バウムガルデンが
      「美学」を出版した時である。

      美学を敢えて定義すれば、感性的なる学問であり、感性学であり、
      美について考察する学門ということになる。


        
     

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