幸福論 (第1部) (岩波文庫)

著者 :
制作 : 草間 平作 
  • 岩波書店
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レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363836

感想・レビュー・書評

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  • ヒルティの幸福論。

    哲学書のくせに読みやすい。
    ヒルティは熱心なキリスト教でありながら、しかしその発言にはなぜか一神教よりも多神教的な考えが見え隠れしている。たぶん、哲学者うえの、その宗教の中では異端児ではなかったかと思う。

    とても優しい言葉で分かりやすく考えを述べており、書き手の感情を素直に感じさせてくれ、共感を得やすい。

    内容は、人間性について、仕事についてなどなどから、幸せとはどういうものかを書かれている。
    『ひとが正当にもしばしば挙げる働きの徳は、働く人だけが真に楽しみと休養の味わいを知りうる事である。』



    『あすのことを思い煩(わずら)うな。一日の苦労は、その日一日だけで充分である。(福音書より)明日はひとりでにやって来る、そして、それと共に明日の力もまた来るのである。』

    などと、今後の生活において、支えともできる、短い格言のようなものも散りばめられており、読み手にその本を活用しやすくもなっている。

  • 別々の論文を一つにまとめたものなので、統一性はありません。それにキリスト教の視点にかたよっているので、私には馴染まない記述がいくつかありました。それでも幸福になるための知恵がたくさんつまっていて、たいへんおすすめです。
    アラン、ラッセルの幸福論も読みましたが、ヒルティのそれが一番本質的だと私は感じます。

  • 精神的な仕事を容易にする最も有効な、とっておきの方法が一つある。それは繰りかえすこと、言い換えれば、いくどもやり直すことである。精神的な仕事はほとんどすべてが、最初はただその輪郭が つかめるだけであり、二度目に手がけてその細部が見えてきて、これに対する理解も一層明白になり、精密になるのが常である。だから、本当の勤勉は、現代のある有名な著述家が言ったように「ただ休む暇なく働き続けることではなく、頭の中の原型を見える形に完全に表現しようという熱望をもって仕事に没頭することである。普通に言われる勤勉、すなわち、相当大きな材料を征服して、一定の期間内に目に見えてこれをはかどらせようとする骨折りは、むしろただ当たり前の仕事の前提にすぎず、あの常に精励してやむことを知らぬ、より高い精神的な勤勉にくらべればはるかに及ばぬものである。(p28ヒルテイ「幸福論」)

  • 180年前に書かれたのにも関わらず、働くことや時間の作り方について、なんともまぁ正確に指摘できるものだと関心する一方で、

    「こいつの言っている『良い習慣』を実践するには出家するしかないんじゃないか!?」と思った。

    幸福なんて定義づけられるものではないし、「いつの時点で」というところを考えないとわからないけど、
    幸福になるためかどうかは別として周りの人を愛し、まじめに働きたいと思いました。

  • 『重力と恩寵』と比べて、かなり俗っぽいというか素朴な印象。

  • 働き過ぎると長続きせず、休みすぎるとバカになる。
    基本的な考え方は、キリスト教信仰に基づく理想主義的な社会改善への熱意。


    迷ったら、ともかく始めてみることが大切。思い悩まず、着手する。

    1週間に6日は徹底的に働き、1日は休む。このペースを続ける。

    それ以上働くと長続きせず、それ以上休むとバカになる。

  • ・休息とは、怠けることによって得られるものではなく、むしろ反対に、心身の適度な、秩序ある活動によってに得られるものである。従って、真の休息は活動の最中にこそある。

    ・良い習慣を身につけるためには、消極的に悪い習慣を捨てようと努力するよりも、むしろ常に良い習慣を養うように心掛けなければならない。

    ・人生の財産は、道徳的確信、教養、愛、誠実、仕事の能力と仕事の楽しみ、精神と肉体の健康、そしてほどよい財産。

    ・習慣的に全ての人々を愛するように努めなければならない。

    ・不幸は人間の生活につきもの。幸福のために必要。

  • 私の座右の書
    キリスト教に根差した、幸福に生きるための方法を詳しく解説。
    とっても、奥深い含蓄がある本で、外人が1世紀前に書いたとは思えないほど、現在にも通じるところが多々ある。
    人間の本質は、古今東西ではあまり変わらないということが実感できる。
    ただし、全3部あり、全部読むのは大変。私は、3カ月に1度読むようにしている。

  • 幸福についてで語りかけてくれる本。
    仕事は生活手段を生み出すだけでなく日々の幸福も運んできてくれる。

    ただキリスト教的な思想をもとにしているので知識がないとわからない箇所も…。

  • キリスト教思想を中心として、「幸福とは」を論じた生活的な処世法が含蓄深くちりばめられている。信仰をもつことの強さを非常に訴えてあり、聖書、ダンテの「神曲」、ゲーテの著作等をふんだんに引用しながら私たちによりよき生き方を語りかける。とても面白く、ためになった。続編もゆっくりと読んでいきたい。

    09/10/19

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プロフィール

1833年2月スイス生まれ。哲学者であり、法学者、著名な作家としても知られる。日本では『幸福論』、『眠られぬ夜のために』の著者として有名。敬虔なクリスチャンとして、人生、人間、神、死、愛などの主題について含蓄深い思想書を著した。1909年10月没。

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