幸福論 1 (岩波文庫 青 638-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363836

感想・レビュー・書評

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  • こりゃ深い。文字も小さいし、数学の本を読むのと同じで、しっかり反芻して理解したら素晴らしい物がみにつくわ。

    • すまきんさん
      こりゃ深い。文字も小さいし、数学の本を読むのと同じで、しっかり反芻して理解したら素晴らしい物がみにつくわ。
      こりゃ深い。文字も小さいし、数学の本を読むのと同じで、しっかり反芻して理解したら素晴らしい物がみにつくわ。
      2015/09/05
  • 今から約100年前にヒルティによって書かれた著述。

    終生勉強家でもあったヒルティは、
    読書を、それも古典による故人を通して多くを語り合い学んだようだ。

    体系的であることを好まなかったヒルティのこの著述は、
    マルクス・アウレリウスの「自省録」と似て、エッセイ風に簡潔に書かれてあり、読み易い。


    「時間のつくり方」の項目は特に面白く、強く同感。

    世の中には猛烈な仕事量を、しかも多ジャンルでこなす人間がいる。

    好きなことが複数ある人間は、
    それらを創作意欲の赴くままに切り替えながらまわし、絶えず仕事を続ける中で、仕事をしながら仕事で休憩するというサイクルをつくりだす。

    遊びと仕事が一体化し、仕事と休憩が一体化する。

    人生の達人はあらゆることを一体化させていく。

  • ヒルティの幸福論。

    哲学書のくせに読みやすい。
    ヒルティは熱心なキリスト教でありながら、しかしその発言にはなぜか一神教よりも多神教的な考えが見え隠れしている。たぶん、哲学者うえの、その宗教の中では異端児ではなかったかと思う。

    とても優しい言葉で分かりやすく考えを述べており、書き手の感情を素直に感じさせてくれ、共感を得やすい。

    内容は、人間性について、仕事についてなどなどから、幸せとはどういうものかを書かれている。
    『ひとが正当にもしばしば挙げる働きの徳は、働く人だけが真に楽しみと休養の味わいを知りうる事である。』



    『あすのことを思い煩(わずら)うな。一日の苦労は、その日一日だけで充分である。(福音書より)明日はひとりでにやって来る、そして、それと共に明日の力もまた来るのである。』

    などと、今後の生活において、支えともできる、短い格言のようなものも散りばめられており、読み手にその本を活用しやすくもなっている。

  • アバタロー氏
    1891年出版

    《著者》
    1833年生まれ スイス哲学者
    法律学、弁護士、大学教授、国会議員、裁判員長
    マルクスアウレリウスの愛読者
    熱心なキリスト教徒で神に近づくことがゴール

    《感想》
    幸福論3冊を比較
    ヒルティは根底にキリスト教とストア哲学の考えがある
    そしてエリートだ
    内面の豊かさを重視
    不幸も必要という面がキリスト教と感じる
    ・1890年代の歴史(wiki)
    植民地開拓、長期恐慌、第2次産業革命、文化は後期印象派
    ・アラン(1925年):ストア哲学、合理的ヒューマニズム
    ・ラッセル(1930年):現実主義、平和主義
    ・ショーペンハウアー(1851年):厭世主義

    《内容》
    ・人間は生まれながら怠け者
    ルーティン化する、要点を抑える事
    ・自分の内面を豊かにし精神的な満足感幸福感を与えられる
    ・人間が幸福を手にする上で不幸や苦しみが必要であるという確信があった
    幸福の獲得において勇気こそが欠かせない人間の性質

  • 19世紀のスイスの哲学者が書いた
    幸福になるための方法論。

    度々聖書とダンテの詩が影響されている。
    キリスト教徒では無いのであまりなじめなかった。

    ストア派からも影響を受けており、
    エピクテトスの人生談義の抄訳が載っている。

  • 別々の論文を一つにまとめたものなので、統一性はありません。それにキリスト教の視点にかたよっているので、私には馴染まない記述がいくつかありました。それでも幸福になるための知恵がたくさんつまっていて、たいへんおすすめです。
    アラン、ラッセルの幸福論も読みましたが、ヒルティのそれが一番本質的だと私は感じます。

  • 精神的な仕事を容易にする最も有効な、とっておきの方法が一つある。それは繰りかえすこと、言い換えれば、いくどもやり直すことである。精神的な仕事はほとんどすべてが、最初はただその輪郭が つかめるだけであり、二度目に手がけてその細部が見えてきて、これに対する理解も一層明白になり、精密になるのが常である。だから、本当の勤勉は、現代のある有名な著述家が言ったように「ただ休む暇なく働き続けることではなく、頭の中の原型を見える形に完全に表現しようという熱望をもって仕事に没頭することである。普通に言われる勤勉、すなわち、相当大きな材料を征服して、一定の期間内に目に見えてこれをはかどらせようとする骨折りは、むしろただ当たり前の仕事の前提にすぎず、あの常に精励してやむことを知らぬ、より高い精神的な勤勉にくらべればはるかに及ばぬものである。(p28ヒルテイ「幸福論」)

  • 180年前に書かれたのにも関わらず、働くことや時間の作り方について、なんともまぁ正確に指摘できるものだと関心する一方で、

    「こいつの言っている『良い習慣』を実践するには出家するしかないんじゃないか!?」と思った。

    幸福なんて定義づけられるものではないし、「いつの時点で」というところを考えないとわからないけど、
    幸福になるためかどうかは別として周りの人を愛し、まじめに働きたいと思いました。

  • 『重力と恩寵』と比べて、かなり俗っぽいというか素朴な印象。

  • 働き過ぎると長続きせず、休みすぎるとバカになる。
    基本的な考え方は、キリスト教信仰に基づく理想主義的な社会改善への熱意。


    迷ったら、ともかく始めてみることが大切。思い悩まず、着手する。

    1週間に6日は徹底的に働き、1日は休む。このペースを続ける。

    それ以上働くと長続きせず、それ以上休むとバカになる。

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