- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003363935
作品紹介・あらすじ
ニーチェ思想の核心をなす「永遠回帰」がついにツァラトゥストラの口を通して語られる。やがては神の国に救われることを夢みて安逸をむさぼる卑小な人間たち。嘔き気をもよおしながらも、そういう人間たちに生の真の意味をつきつけずにはいられぬニーチェの使命感が、芸術的感動をともなってわれわれの魂をゆさぶるのである。
感想・レビュー・書評
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言わずと知れたニーチェの大著.この年になって初めてニーチェでもないだろうが,友人に薦められて読む.その友人はあらゆる翻訳を読んだらしいが,この岩波の翻訳が一番よいらしい.
本の扉に「だれでも読めるが,だれにも読めない書物」との言明があるが確かにそうかもしれない.短期間に熱にでも浮かされたように書いたらしい,第1部から第3部まではある程度のスピードを持って読んだ方がよいのではないか.長い散文詩と思えばそれほど難解でもない(というかこの翻訳では文章はとてもわかりやすい).深く読もうとすれば土台一人では無理だし,注釈書がいる.
19世紀末,「神は死んだ」と言われてみんな驚いただろうな.そういう時代性あっての超人だし永劫回帰であるのだと思う.下り坂の人生にはあまり関係はないようだけど.
はてさて,「超訳」なしでニーチェは21世紀も生き残れるだろうか.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニーチェ 「 ツァラトゥストラ はこう言った 」下巻
凄い本だと思う。
対立概念と思っていた 無神と宗教、厭世と生の充実を両立させている。
下巻テーマは永遠回帰。永遠回帰は 世界は同一の状態を永遠に反復し、世界は始まりも終わりもなく、目的も意味もない。ただ存在しているだけ という世界観。
著者が 目指した人間像は 永遠回帰により 人間を 現実から逃げられないものとさせた上で、永遠回帰を受け入れ、超人になること。
ただ 最後の四部が それまでと違い 詩的すぎて 話が通らなかった
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謎めく筆致だ。読めば読むほどわからなくなる。キリスト教へのラディカルな批判は感じる。大きな楽観と世界への肯定を感じた。
・わたしは神を無みするツァラトゥストラだ。わたしはいっさいの偶然を、わたしの鍋で煮る。その偶然がよく煮えたとき、わたしの食べ物として、賞味する。
・わたしはいったい幸福を追い求めているのだろうか?わたしの求めているのは、わたしの仕事だ!よし!獅子は来た。わたしの子どもたちは近くにいる。ツァラトゥストラは熟れた。わたしの時は来た。 -
再読。ニーチェの思想は暗い様に見えて、実に明るい。永遠回帰とは「これが人生か。よし、ならばもう一度!」と死後の世界にも唯物論にも頼ることなく生を肯定する思想であり、何巡でも同じ人生を繰り返すのだという覚悟が求められる。そしてニーチェは己の意思を疾走させる。それは常識より速く、道徳より高く。そこに倫理は生まれ。しかし彼の言葉を真に受け、模倣している限り彼の忌み嫌う価値観の奴隷にしかなれないのだろう。そう、ニーチェの思想とは、彼以上に疾走する意思を求められる思想なのだ。誰よりも疾く在れ、高くあれ、もう一度!
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「ガハハ!我こそは価値を創造する者」
「わたしがいい!と言うものこそはいい!」
ツァラトゥストラはこう言った。
わたしもそう言う!
やっぱりね♪ そうだと思ってた。
この本は、割りと読みやすい。とはいってもわけわからない。それがいいんだな。
高校生なら読めるはず(ただし、岩波版に限る。新潮版は無理!)。
もし読めないなら読まなくていい。君が読むべき者でないだけだから。何も気にすることはない。
全ての高校生に!いや17歳に!
解るんじゃなくて、使うんだ。良い本だよ♡
元気になるよ!
Mahalo -
ニーチェはポジティヴの中で憤死したと思う。
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上下2冊読み終わったわけであるが、正直な感想としては何かを掴んだようであってもその何かは漫然としていて、結局よく分からなかったというのが正直な感想であった。ただし、氷上氏の解説もあってこの本の骨子は明瞭であると思う。つまりニーチェは、神が死んでニヒリズムが到来したこの現代において、容易にペシミズムに傾倒できるこの現代において、それでもなお生の肯定を力強く成し遂げようとしたのである。生の肯定のための中核概念として「永遠回帰」が措定された。つまり、「この生を無限回全く同じように繰り返されることを望むか?」の問いに「然り」と言うにはどうしたら良いのか、それが我々の考えるべき最も重要は命題であり、生の肯定の最上の手段となる。
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哲学は意味がないことだと言う背景知識を知っていたのだが、
ツァラトゥストラはこう言った
に出てくる言葉は力強く、人を惹き付ける力があると思う。
哲学が人の力に助力することもあると感じた。
他のニーチェの本も、パラパラと書店で見たが、
ツァラトゥストラを主人公として、纏めらている形式は、
興味深いし、何より、面白い。
テーマ毎に、
ツァラトゥストラはこう言った。又は、ツァラトゥストラはこう歌った。で締められる形式も、個人的には好感触だった・
良書だと思います。