笑い (岩波文庫 青 645-3)

制作 : 林 達夫 
  • 岩波書店
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003364536

感想・レビュー・書評

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  • この翻訳が読みづらい方へ。p.122から読めばだいたい言いたいことがわかる。序盤に展開した論を応用した形で、言葉だの性格だの滑稽さの説明に入っていくので、その都度作者は説明を繰り返している。そのうち、p.122の部分からが、大変分かりやすい比喩で書かれている。そこから、p.25の最後の行とp.43から始まる三つの説を読めばだいたいこの本がわかる。そこを先によんでからまた頭から読むと理解が進むだろう。

  • 笑いというものを学問にしたのは、フロイトやベルグソンのおかげだと思える。
    笑うという行動というよりは、何かを「おかしい」感じるのは一体どういうことなのか、この心の動きは一体何なのだ。ベルグソンの興味はそこから始まる。
    それを考えるために、ベルグソンは、一体何を我々はおかしいと感じるのか、そこから攻める。モリエールの喜劇に詳しい訳ではないが、ベルグソンにとって、相当魅力的なものであったに違いない。
    たしかに彼のおかしみは、モリエールをはじめとする当時の喜劇に限った話であるかもしれない。シェイクスピアなどのことは一切と言っていいほど触れられていない。しかし、彼がこのようにして、笑いの観察をじっと始めたことこそ、笑いを学問したことこそ、意義であると思う。誰しもが何かをおかしいと感じる。当たり前すぎることだ。だが、この当たり前が当たり前である不思議さ、そして、このおかしみというものがひとを強く動かし、精神が立ち上がる。これを考えずにギリシア以降捨て置かれたということが、ベルグソンにとっては我慢ならなかったのだと思う。
    生きるということはおかしみをどこかで感じるということだ。学問はその不思議を追究することに他ならない。彼が今後この笑いというものをどこまで追求していったかは知らぬ。けれど、彼はきっと必ず、どこかでこの笑いについて探究し続けたはずだ。これは始まりに過ぎない。

  • 笑いというものを考察する。 読んでみるとわかりますが、笑いという事象についてこんなに納得できるのか、と驚きます。

  • 笑いは必要

  • 古書店にて購入。初ベルクソンにこれというのもどうかと思うが、別にベルクソン哲学の勉強をしているわけではなく、巷にはびこる自称〈お笑い評論家〉たちの先達のようなこの著作に、どのような現代的意義が残されているのかを確認したいがために買ったようなものなのでまあ良しとする。解説にもある通り、著者の視線の先にあるのは何よりモリエールであり、古に名高いアリストパネスやシェイクスピア、ラブレーらは埒外にある。よってその論調も〈恐らく我々はこの点をあまりに深く追究しない方がいいであろう〉と些か微温的になってしまっている。

  • 2015.5.25笑いを哲学的に、また古典喜劇から考察し、笑いとは何か、笑いの起こる条件とは何かを論じた本。ほぼ流し読み。具体例に喜劇のことが多かったので、主張を説明する具体例がほとんどわからなかったが、それでも点がついている文、つまり主張は理解できた。ある観念や世界観を破壊することが笑いにつながると思っていたので、ではいかに壊せばいいかという疑問の元読んだ。大雑把にしか理解できなかったが、有機の中に無機を、人間的生の性質の中に機械的性質を見出すこと、それはつまり繰り返し、ひっくり返し、交叉だったり、感情的、行為的、形質的こわばり、精神性の主張の際に肉体に注目する、などである。笑いとカエルは解剖したら死ぬという通り、あまり厳密にわからなくてよかったと思う。有機の内に無機を、無機の内に有機を、くらいのベースの考えのもと、あとは自分の経験から笑いを深めていきたい。古典的笑いの書から、世界の壊し方を知れてよかった。ただ、ひたすら読みにくい、、、。

  • 全然笑えない。

  • 「笑う」という現象と、それを喚起する「おかしみ」の構造分析。その社会的意味を明らかに。

  • 笑いは社会的身ぶりであると同時に、その本質は機械的な「ぎこちなさ」を指摘して対象に屈辱を与えることである。

  • 喜劇における笑いの分析によって、笑いの持つ生活や社会にとっての効用を暴きだし、生活や社会よって生が緊張や弾力を要求されていることが明らかにされている。

    笑いは社会による不適用への罰でもあり、一時の緊張をほぐすものではあるが直後には生活や社会への適用へととんぼ返りさせられるものである。

    悲劇と喜劇の本質的な違いや芸術の捉え方など非常に価値ある話しが語られている。
    ベルクソンさんかっこいい!

    Mahalo

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著者プロフィール

アンリ・ルイ・ベルクソン(Henri Louis Bergson)
1859年10月18日 - 1941年1月3日
フランスの哲学者。ユダヤ系ポーランド人の父と、イギリス人の母の間に生まれる。1878年、パリの高等師範学校に入学。1881年、教授資格国家試験合格。
1888年、空間化できない意識の流れ「持続」の立場から自由意志の問題を考えた博士論文、『意識の直接与件についての試論』(『時間と自由』の邦訳で知られる)を提出、翌年刊行。
1896年、事物でもなく表象でもない中間的なもの「イマージュ」から心身問題を考察した『物質と記憶』、1900年には笑いの現象とおかしみの構造を語るエッセイ『笑い』を刊行し、広く読まれる。1907年には『創造的進化』を出版し、生物学的知見から生命の実在とその躍動、進化全体を説いて世界的な反響を呼んだ。
第一次世界大戦中はアメリカへの外交使節としても活動。国際連盟「知的協力国際委員会」議長など公の業務が増えるが、1924年にリューマチの発作が起きて以降活動は狭まる。1928年、ノーベル文学賞を受賞。1932年に道徳と宗教の源泉を探り人類の課題を考察した『道徳と宗教の二源泉』、1934年には論文集『思想と動くもの』をそれぞれ刊行。1941年、風邪の悪化からの肺充血によって逝去。
19-20世紀フランスを代表する哲学者として、哲学のみならず文学や政治思想など幅広い分野で大きな影響を残した。生前に本人は遺言書を遺し、非公式の手記、講義録、手紙などの出版を禁じていたが、現在、講義録や書簡集なども刊行され資料として供されている。

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