幸福論 (岩波文庫)

著者 :
制作 : Alain  神谷 幹夫 
  • 岩波書店
3.81
  • (101)
  • (91)
  • (102)
  • (21)
  • (6)
本棚登録 : 1401
レビュー : 125
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003365625

作品紹介・あらすじ

ルーアンの新聞に「日曜語録」として連載されたのを皮切りに、総計5000に上るアランの「プロポ」(哲学断章)。「哲学を文学に、文学を哲学に」変えようとするこの独特の文章は「フランス散文の傑作」と評される。幸福に関する93のプロポを収めた本書は、日本でも早くから親しまれてきたもの。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 読書って、どうしても生活との天秤だ。生活が充実していないのに読書ばかりを続けたから、ある時期からだんだん澱みはじめていた。それならさっさと書を捨てよ、と言われそうだが、お別れの一冊のようなものを探していた。

    アランの幸福論は、とてもピッタリの一冊だった。
    思考や想像力の沼に捕らわれた僕を、カラリと明るい風で吹き払ってくれる。

    どんな賢人の知恵も、本で読む限りは思考と想像力をもって挑まなければならない。けれど、その思考や想像力こそが、人の苦悩を水増しし、四苦八苦の泥沼に引き込んでしまう張本人でもある。仏教、特に禅などは、この泥沼を吹き払ってしまうことで苦しみの多い世界でも悠々闊歩する力を得ようとするが、それさえもやっぱり読書を通して触れようとすれば、逆効果になったりする。アランの言葉は、とても日常的で平凡な顔をしているが、しかしそれこそがこのテーマの真髄ではないか。

    不安や恐怖、悲しみや憂鬱を真剣に思い煩うより、まずは肩をすくめてほほ笑みたまえ、といったところか。

    根つめて通読する必要のない、90もの断章になっているので、日々少しずつ読もうと思う。

  • 幸福になる方法、というより、不幸にならない思考を学びました。

    人生の敵は「自分自身」であること。
    第三者を恨み憎む時間が如何に無駄か。
    苦痛や労苦のなかに幸福があること。
    自分が行動しなければ幸福は得られない。

    など、1900年代初頭に書かれたとは思えないほど現代で読んでも新鮮です。

    前向きに生きるためのメッセージがたくさん詰まってます^^

  •  幸せになるには、どうしたらいいのだろうか。人間の歴史はこれが全ての行動原理だったのではないか。
    その「幸せ」が時代ごとに更新されていったのだろう。しかし、1900年代頭に描かれたこの本は、そんな幸福について書かれたものだが今でも通用する立派な本である。
    なぜなら、この本は、そんな幸せを追い求める人間の思考体系に触れた本であるから。
    ネガティブ思考であればもちろんどんな事も面白いはずがない。どんなふうに思考を変えていけばよいのだろうか…。

  • 三大幸福論のひとつ。
    とはいえ、幸福について論じているというよりは、幸福についてのエッセイみたいなものなのかな、という印象です。
    原題の意味は「幸福についてのプロポ」だとか。
    プロポというのは、一枚2ページに書かれた断章で、アランの作り出した文学形式。書きたい日も書きたくない日もアランは毎日プロポを書いた。二時間で一気に書いた。

    毎日2ページずつ幸福について書いてみたものだから、やはり日常に影響を受けているのでしょう。
    しかし、読んでいるうちに、その奥にあるアランの考え方がにじみ出てきます。
    一回読んだだけでは十分でなく、人生の中で何度も読みなおしたほうが幸福に近づけると思います。そんな本です。

  • 【「幸せとは何か」を綴った一冊】

    「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」

    こんな言葉を目にして、この本を購入した。
    内容は何とも分かりにくい喩え話が中心で、少なくとも現代社会では想像もできないようなことが書かれている。喩え話の裏にある本質的なメッセージを捉えようとすれば、少なくとも2回は読む必要があると思うが、私は断念した。

    ただ、その中でも「なるほど!」と思った一文があるので、引用しておく。

    「自分が好きでやっているこういう仕事は楽しみであり、もっと正確に言えば、幸福である。ボクサーは逃げにまわって受けるパンチは嫌だが、積極的に出て受けるパンチは好きだ。戦いが自分の意志で行われてるならば、困難な勝利ほど楽しいものはない。・・・人は、棚からぼたもちのように落ちてきた幸福はあまり好まない。自分でつくった幸福が欲しいのだ。」

  • 前向きに生きろ。ご機嫌に振舞え。とにかくまず行動しろ、動いてみろ。というのが作者のいいたいことのようだ。

  • 三読か四読目。
    「幸福になることは明白な義務である」「自分で作る幸福は決して裏切らない」と言って半人前の私を励ましてくれる。
    その時の気持ち、置かれている状況によって、響くプロポが毎回違うのが面白い。
    アランはいつもわたしに優しい。

  • 引用したくなる素晴らしい言葉がたくさんある。
    100年前に書かれた内容とは思えない。
    元々の文章なのか、そういう翻訳なのか、文章がかたくて頭に入ってこないものがしばしばあったけれど、何度か読み返せばしっくり来る気がした。
    図書館で借りた本だけど、これは買って持っていてもいいかなと思った。何度でも繰り返し読みたい。
    下手な自己啓発本読むより、ずっと人生が豊かになる一冊。

  • アランのプロポ(哲学断章)。「幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになる」など、見方を変えると世の中捨てたもんじゃないと思うようになる。物事の本質は何なのか、頭が熱くなったとき、ふと笑みがこぼれるようなアランの言葉がここにあります。

  • 全てに共感!仏教にも通じるところがあるような。その日開いたコラムを読んで上機嫌生活に役立てよう!
    マイベスト→礼儀作法について
    「礼儀作法とは身についた物腰であり、ゆとりである。優雅な物腰とは、表現と動作の安らかな幸福である。それはだれをも傷つけることのないもの、だれをも不幸にすることのないものだ。幸福になるためには、この種の美点をそなえることがきわめて大切である。『ほんとうの生き方』を考えるとき、これらの美点はけっしておろそかにすべきではない。」

全125件中 1 - 10件を表示

プロフィール

一八六八年生まれ。フランスの哲学者、文筆家。リセの哲学教師。本名エミール・オギュスト・シャルティエ。体系化を嫌い、具体的な物をそのまま語ろうとし、理性主義の立場から芸術、道徳、教育などの様々な問題を論じた。主な著書に『幸福論』『定義集』『芸術の体系』一九五一年没。 一九一一(明治四四)年、東京に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。東京大学助教授を経て、五〇年渡仏。ソルボンヌ、国立東洋語学校などで、二六年間、日本語や日本の文学・思想を講じた。七六(昭和五一)年没。著書に『遙かなノートル・ダム』『バビロンの流れのほとりにて』ほか、訳書にデカルト『真理の探究』、パスカル『幾何学的精神』などがある。

幸福論 (岩波文庫)のその他の作品

アランの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
安部 公房
ドストエフスキー
ドストエフスキー
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印

幸福論 (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする