論理哲学論考 (岩波文庫)

制作 : 野矢 茂樹 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 1662
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003368916

作品紹介・あらすじ

「およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じえないことについては、人は沈黙せねばならない」-本書は、ウィトゲンシュタイン(1889‐1951)が生前刊行した唯一の哲学書である。体系的に番号づけられた「命題」から成る、極度に凝縮されたそのスタイルと独創的な内容は、底知れぬ魅力と「危険」に満ちている。

感想・レビュー・書評

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  • 思考の限界に線を引く。そして思考に限界を引くには、その限界の両側を思考できねばならない。(序より抜粋)

    哲学に終止符を打とうとしたウィトゲンシュタインの生前に発表された唯一の本。
    ウィーンの大富豪の息子に生れながら、20代で本書を書き上げ、財産を放棄し研究者、兵士、小学校教諭、建築家などジョブチェンジを繰り返す所を見ると、中々の破天荒ぶりが分かります。
    また、非常に神経質で怒りっぽい性格だったようです。
    当時のウィトゲンシュタインはまだ無名の哲学者で、なんだかよくわからない箇条書きを羅列した本を売りたいと思う出版社が見つからず、彼の才能をいち早く見抜き、師でもあるラッセルの紹介文があればいいという出版が現れ、ようやく世に出されたようで。
    その恩師ともいえるラッセルに対しても「ラッセルはおれの本を理解していない」と堂々と言う所が彼のすごいところでもあります。

    内容は7章からなり、それぞれ箇条書きの短文で構成されています。
    論理学、数学を使った説明が多く、解説と行き来しながら読むやり方で少しずつ読みました。

    まず「事実」とは何か、「事態」とは何か定義し、事実を要素に分解して組み替えします。
    また事実を描いたもの、事実を写像したものを「像」と定義し、またそこから隙間を空けず思考(命題)について議論していく…といった所から始まります。何度か読み返したけど、これも間違いかも。

    難しい。じゃあ読まなければいいのに。でも知りたい、思考や言語の限界の先を理解したい。そんな気持ちにさせられます。

    最後は有名な決め台詞「七 語りえぬものについては、沈黙せねばならない」で締めくくりです。

    解説を抜かせば150ページ程のボリュームだけども、思考の深淵に触れるにはまだ読み込まないといけないかも知れません。

  • 思考に限界を引くには、我々はその限界の両側を思考できねばならない。従って限界は言語においてのみ引かれうる。そして限界の向こう側は、ただナンセンスなのである。
    哲学の目的は論理的明晰化である。
    哲学の仕事の本質は解明することにある。
    もちろん言い表しえぬものは存在する。それは示される。それは神秘である。

  • やや読み飛ばしながら。概要は以前より未熟ながらある程度は知っているものを、きちんと読もうと思って手に取ってみたら案の定難しかった。20世紀西洋哲学における言語論的転回の主軸であり、相対性理論にも似た巨大なインパクトを持つ。古代ギリシアのテセウスの船など、子供が如何にも世界に対して眩暈し夜も眠れなくなるような問いに、一撃で一蹴する完結な回答を与えた。子供たちは安眠できるだろう。短い、断定的な各一行が美しく文庫本が付箋で汚くなった。大抵の問題は本書を理解すればすんなり解が得られる。ただし口数は減るだろう。

  •  大きなところから細かいところへ、すぐに浅いところへ戻るものもあれば深く細かく入り込んでいくところもある、ということが章立てのように細かく振ってある番号により可視化されている。そのおかげで何を問題にしているのか、何が気に入らないのか、どこで説明に苦慮しているのかが分かる。語られている内容よりもむしろ、ウィトゲンシュタインあるいは哲学者という人たちがどのような考え方をしているのかを、つぶさに見ることができたところが面白い。

  • いちばん最初に読んだ時は 得体の知れない興奮を感じたけど、ひさびさに読むと色々と考えつつ読んだのか難しく感じた。でも短い言葉の数々から構成される本のスタイルは刺激的で、魅力的な言葉が突然飛び込んでくる感覚がある。

  • 著者「俺以外の異論は認めない(キリッ」

  • 大学の試験からの逃避として読んでました。この本は「世界は成立していることがらの総体である」と始まり「語りえぬものについては沈黙せねばならない」という結論に至る。言いたい事はハイデガーが「存在と時間:第1章 存在の問いの必然性、構造および優位:第2節 存在への問いの形式的構造」で「問われているもの(存在)が、ある存在者の存在様態たる問いそのものへ、再帰的にあるいは先行的に、連関している」って言った事と似ているのかなぁと思った。問われる存在は、問う存在へ逆説的に問いの構造を作っているって言う事、そして僕らが普段「喋る」「話す」「書く」と第三者に問いているのは存在了解の上なのかなと考えさせられた。

    まだ、本文を読んだだけなので、1、2割も理解出来てないだろうけれど、これから読むラッセルと野矢茂樹さんの解説から、さらに得る物があると思う。

    読んでて思った事「これを逆に読んで、結論から入って演繹的に読むとまた違う発見があるかも」

  • む、難しかった・・・の一言です。
    だけど、世界の捉え方とか、物事の捉え方がおもしろいなぁと思いました。こんな風な目で世界を見てみたら、なんかものすごく面白そうな気がします。

  • 俺ってカッコいいよな。<br>
    なんたって、「論考」持ってるんだもん。<br>
    これで女にもてなきゃ人間辞めろ、っていうぐらいの本。<br>
    俺がこの本の表紙をみせるだけで、たいていの女はウットリ俺をみつめ、「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」なんて耳元でささやこうものなら、100%おちる。<br>
    そんなもんだよ、この本は。

  • ぶんこ本ででてたんあね〜(*゚ω゚*)
    たぬきたんウィト読むとしびれちゃうの(>ω<;)

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