根をもつこと(上) (岩波文庫)

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本棚登録 : 216
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003369029

作品紹介・あらすじ

根をもつこと、それは魂のもっとも切実な欲求であり、もっとも無視されてきた欲求である。職業・言語・郷土など複数の根をもつことを人間は必要とする-数世紀にわたる社会的絆の破砕のプロセスを異色の文明観歴史観で辿り、ドイツ占領下の祖国再建のために起草した私的憲法案。亡命先で34歳の生涯を閉じたヴェイユ渾身の遺著。

感想・レビュー・書評

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  •  根をもつこと、というこの題名から何を想像するだろう。ヴェイユという独特な哲学者についてあらかじめ知っていなければ手に取ることもないのではないだろうか。ここにいう「根」とは、周囲の集団や環境から喜びや生きがいを汲みとる人のあり方といったものといえようか。根をもつことをヴェイユはこう定義する、「根をもつこと、それはおそらく人間の魂のもっとも重要な欲求であると同時に、もっとも無視されている欲求である。また、最も定義のむずかしい欲求のひとつでもある。人間は、過去のある種の富や未来へのある種の予感を生き生きといだいて存続する集団に、自然なかたちで参与することで、根をもつ。」(上巻p64)。
     人は根をもつ必要がある。ヴェイユのこの洞察を基礎に、戦前戦中のフランスの労働者、農民そして、国民としての根が失われている状況、いわば根こぎについて述べる。それらが、ナチスドイツによるフランスの占領を招いたことと織り交ぜて語られる。そして、下巻ではこのような状況を作り出したフランスの歴史を検討しつつ、将来のフランスにおける根の回復、根づきについて語られる。
     この本をどう読んだらいいか。哲学者ヴェイユの警句としてよむか、社会変革のプログラムと読むべきか。ヴェイユが、条件を付きながらも希望をかけていたド・ゴール政権が戦後このような形にならなかったことを私たちは知っている。
     ヴェイユ自身がいうように、「歴史上純粋な事柄はごくわずかだ。そのわずかなものの大半も、くだんの(自身のために拷問にかけられた奴隷の責め苦を見るに忍びず、自ら出頭した)主人や十三世紀初頭のベジエの住民のごとく、その名が消えてしまった人びとにかかわる。」(下巻p75 ()は書評者)。そういうものの一つとして、この本もあるのだと思う。

  • 第14回アワヒニビブリオバトル「根」で紹介された本です。
    チャンプ本
    2016.06.07

  • 愛着理論と関連がある気がして借りたけど、いきなり読むにはハードルが高かった。

    https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/3541/gallia_18_163.pdf

  • 原書名:L'ENRACINEMENT:Prélude á une déclaration des devoirs envers l'être humain(Weil,Simone)
    魂の欲求(秩序◆自由◆服従◆責任◆平等◆序列◆名誉◆刑罰◆言論の自由◆安寧◆危険◆私有財産◆共有財産◆真理)◆根こぎ(労働者の根こぎ◆農民の根こぎ◆根こぎと国民)

    著者:シモーヌ・ヴェイユ
    訳者:冨原眞弓

  • 【由来】
    ・ヴェイユはどんなもんかと思ってて、大学の図書館でたまたま目にとまったので。

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】
    ・これは、まだ自分が読める本じゃないって印象。

    【目次】

  • 2016/6/5購入

  • シモーヌ・ヴェイユがロンドン滞在時に発表した論考。
    但し、未定稿だそう(下巻解説による)。
    ヴェイユ自身は実践派というか、行動力のある人物だったようだが、書かれたものは、非常にユニークな思考実験だと一読者としては感じる。哲学を専門的にやっている人がどう感じるかは解らんが……。

  • まだ上巻だけしか読んでないんで、読んでいる最中にとったメモを書いておく。

    ・ヴェイユは「キリスト教的世界」と「宗教」をいかにしてつかいわけているか、いないか。

    ・労働に詩情が生まれると、それが同じ労働同じ結果ならば、より純度の高い服従(=隷属的な)になるのではないか。

    ・「思想」というものの硬さに慣れない。

  • 本屋で見て、買った。(2/27)
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    出たら買おうと思ってる本(1/29)

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著者プロフィール

1909-43。激動の時代を34年の生を通して駆け抜けたユダヤ系女性フランス人哲学者。主要著書『重力と恩寵』、『前キリスト教的直観』、『神を待ちのぞむ』など。

「2020年 『神を待ちのぞむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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