旧約聖書 創世記 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 687
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003380116

作品紹介・あらすじ

罪を犯して神から追放を受けた人類とその人類に対する神の救いが聖書全体をつらぬく問題であるとすれば、旧約巻頭のこの書こそ、その問題への出発点である。天地の創造、人類のはじまり、楽園追放、ノアの洪水、その子孫の増加、そしてイスラエル民族の祖先たちの罪と罰の記録。次々に壮大な神と人類の物語が展開されてゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 聖書再読キャンペーン。天地創造、アダムとイブ、カインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラなど、初期の挿話は物語としてとても興味深い。

    途中からイスラエルの部族発祥の由来譚ともいえるアブラハム、イサク、ヤコブの三代の一族の話になって、まあこのへんも物語として波乱万丈な面白さはありつつ、それって人としてどうなの?というエピソードも満載(苦笑)嫉妬による兄弟殺しはもとより、近親相姦、一夫多妻、さらに妻の侍女は愛人にしてOKとか、なんじゃそりゃ。割礼も、神様がやれって言ったからやるだけで、どういう意図があるのかよくわからないしなあ。

    オナニーの語源になったオナンくんも、理由は兄の嫁と寝るのがいやだったからなので、そんなに批難されるようなことでもない気がする・・・。

  • 読了。まったく時間がとれなかったため、4か月ぶりの読書です。神話的要素の強い序盤はあまりに面白いと言わざるを得ないが、各所に散らばる多くの矛盾はどうしても突っ込まざるを得ない。アダムとイブの最初の子カインは、弟アベルを殺すが、神の元を放れ行こうとするカインは、「わたしを見つける者はわたしを殺すでしょう」と言う。この時点で、アダム、イブ、カインの3人しかいないはずでは、と思うとどう解してよいのか分からない。そのようなことがしばしば出てくるので困る。改めて最後まで読んでみると、大きく印象に残ったのは、創生部分を除けば、ゴッドファーザーそのもの、というもの。むしろゴッドファーザーが、創世記をベースに作られたのだとよく分かった。そのまんまだった。全体を通して、弟か、末の方の子が脚光を浴びる印象が強い。恐らく3回。まずは、殺されはするが、神に供物を受け取ってもらえるアベル(兄カインが何故供物を受け取ってもらえなかったのかまったく分からない)。後にイスラエルと呼ばれるヤコブ、ヤコブは踵の意味で、兄の踵を掴んで産まれたことによる、兄を裏切ってばかりなのに神には祝福される。最後にヤコブの子ヨセフは、12人の子のうちの11男、末っ子だと思っていたがベニヤミンがいた、ヨセフは王の位にまでついている。中盤のアブラハム辺りから、当時としても大分金持ちの家系であるような描写を感じられる。イスラエルの頃がピークなのかも知れない。人間は地位を築き余暇ができるほど、何故自身がこの地位につけたか自問し始めるものだから、その正当性を謳うために作成されたのであろうと思われる。実際的にこれらを記述したのは慣例的にモーセであるから、創世記を読んでそう決めつけてしまうのは怪しい。ところで、序盤の、ソドムを滅ぼすシーンの、神とアブラハムの問答は何度読んでも良かった。ソドムに50人の正しい人がいてもこの町を滅ぼされるのですかと問い、滅ぼさないと神は答える。それが10人でも、とアブラハムは言い、神は滅ぼさないと答えるが、ソドムは結局神の火で滅んだ。100万の都市だったと何処かで見た気がするが、正しいひとは10人もいなかったということだ。(しかし彼らのいう正しいひとが、我々の思う正しいひとであるかは疑問である)

  • 原罪とは自己意識のことだ。分裂してしまった自己意識を備えた人間が宿命的に負わされることとなった苦悩、それが楽園追放という物語として表現されているように思う。神に意識の分裂は無い、神は自己反省しないだろう、自己超越する動機も無いだろう。ロゴス(論理/言語/理性/自己意識)の自己関係的機制の中に放り込まれて生きるのが人間だ。神は、自己関係的な在り方をしていない。

    ロゴスは神に由来すると云うが、ロゴスは、必然的に自己超越的・自己否定的な機制として在るのであり且つ同時に自己完結的である、という矛盾の中に在る。そして外部が存在しない。人間が生きているロゴスを投影し、同時にそこに孕まれている自己矛盾を抹消したものが――勿論それは本質的に不可能であるが――、神と云う観念か。

  • 思ったより読みやすかった。シンプルな文で、わりと淡々とでもすごいスピードで。
    始めのほうは、知られている聖書の話!の短編集のように進んだけれど、アブラハムから最後までは、その子孫の話、男女、家族、兄弟の人間関係にまつわる話。

  • 分かっているのに理解は出来ないことって世界にはたくさんありすぎて。
    ヨセフのはなしで泣きそうになる。

  • 識字率も高くなかった、かつて、必ずしも教育程度の高くない人も知っていただけあって、非常に読みやすい。
    神話的要素が強い。

  • 2019.4.9
    非常に読みにくいと思っていたが、巻末の解説を読んで腑に落ちた。
    乱暴に言えば素材が同じでありながらも、成立の異なる資料を合体して1つに編纂した、という事なんだろう。
    そう考えると非常に面白い

  • "旧約聖書の創世記。
    地球上の多くの人が何かしら信じて信仰している宗教。
    その文化的背景を知る上でも読んでおくべき書。
    次は、出エジプト記"

  • 「終わりのセラフ」最終回を見て塩の柱のエピソードが気になったので読んだ。思えば聖書のきちんとしたものを読んだことはこれまでなくて,というかきちんとしたものは読んでいてもたぶん新約聖書だけだったので,なかなか興味深いものだなと思いながら読んでいた。と言っても,注釈との行き来があまりにもストレスフルだったので,本文だけ。解説はこれから読もうか読むまいか,というところ。
    昔はカトリックの幼稚園に通っていたし,旧約聖書・新約聖書(といっても分かりやすく書き下したもの)ともに何度か読んでいたし,そこまで抵抗無く読めると思っていたのだけれども,いつの間にかカタカナの名前がたくさん登場してくるとなかなか読めなくなってしまっていて,読み進めるのがなかなか困難だった。出てきた人たちのなかにも「どうしてそうなる! 納得いかぬ!」という感じの人が多かったけれども,読んでいても「なるほどわからん」がそれなりにあって,なんとも言えない気持ちに。あと,聖書と古事記ってそれぞれの性格が全く異なるものだなというのがよくわかった。
    なお,気になっていた塩の柱のエピソードは,気づけばあっさりと通り過ぎてしまっていて,全編読み終わってから改めて検索をかけて場所を確認するような体たらくだった。

  • 呼んでいる間じゅう、「男尊女卑」という言葉が浮かんでいた。読みが浅いのかもしれない。もっとずっと後に読んだらまた違うことを感じるかもしれない。

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