コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)

制作 : 井筒 俊彦 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 454
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003381311

作品紹介・あらすじ

預言者マホメットの口を通して語られた神のことば-断続的に下された啓示を、第三代カリフ・オスマーンが集積・編纂させて聖典は成立した。以後、『コーラン』解釈の発展史がイスラーム文化史を形成してきたといえる。アラビア語原典からの口語訳。

感想・レビュー・書評

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  • 去年、聖書再読キャンペーンというのを一人で開催してたのだけど、そのいきおいでコーランも再読しようと思っているうちに他に読みたい本が沢山できてしまい、しばらく再読はお休みしていたのだけど、ちょうど週末読みたい本がなかったので、思い出してコーラン再読スタート。

    おさらいとして、まず、世界三大宗教というと単純に人数の多いベスト3で、キリスト教、イスラム教、仏教、と並列されるため、それぞれ全く別のものだとつい思いがちだけど、実はキリスト教とイスラム教の神様は同じ神様。ヤハウェとアッラーは同一人物・・・ならぬ同一神なんですよね。つまりユダヤ教(旧約聖書)、キリスト教(新約聖書)、イスラム教(コーラン)で言う神は同じ神で、出所は一緒。つまりこの3つは初代「ガンダム」と「Zガンダム」と「ガンダムSEED」くらいの関係性(※あまり適切な例えではない)

    まあ元祖であるユダヤ教を正妻とするなら、キリスト教は数多いる愛人のうち一番神に愛された愛人、イスラム教は一番若い年下の愛人、くらいの関係・・・(やはりあまり適切な例えではない)その正妻と愛人のそれぞれが、私がいちばんヤハ男=アラ男に愛されてるのよ!と主張するがゆえに、同じ神を信望しながらも敵対するという現在の宗教の歪みがあるんじゃないかと。

    そんなわけなので、コーランの内容は基本的に旧約の内容を踏まえており、あまりオリジナルのエピソードはありません。解説で翻訳者も書いていたけれど、旧約、新約聖書に比べてコーランは、読み物としては圧倒的につまらない。旧約なんかは単純に物語として面白いけれど、コーランは同じような内容の反復ばかりで結構退屈。というのも、これは読み物ではなく詠唱されてなんぼのものなので、アラビア語での朗読を聞かなければあまり魅力の伝わらないものらしい。まあそれなら読んで退屈なのは仕方ない。

    なので、書いてあること自体は、両親を大切にしろ、挨拶はちゃんとしろ、理由もなく人を殺してはいけない、遺産は正しく分配しろなど、いたって普通。断食とか、豚肉食べちゃダメとかまあいくつか規律はありますが、それも旅行中だったり病気だったり、いたしかたないときは無理しなくていいよ、といたって寛大。

    ただ時代背景によってユダヤ教、キリスト教をそれぞれ味方に思ったり、急にディスりだしたりするのと、他のふたつに比べてやや好戦的なのがちょっと気にはなる。「お前にふりかかる幸運はアッラーの授け給うたもの、お前にふりかかる災難は、これはみなお前自身から出たこと(123頁)」など、ちょっとしたジャイアニズム(笑)が随所にみられ、戦争も、勝てばアッラーのおかげ、負ければお前達の信仰心が足りなかったせい、というわけで、全体的に詭弁感ハンパない。

    エピソード的なものはほぼ旧約や新約からのパクリ・・・もといちょっとアレンジを加えて繰り返されているだけでオリジナルの面白さには当然及ばず。同じ話の繰り返し。よく登場するのは、ムーサー(モーセ)、ヌーフ(ノア)など。あとアダムとイブやカインとアベル、マルヤム(マリア)の息子イーサー(イエス)の話、イブリース(ルシファー)=シャイターン(サターン)も悪役としてしばしば登場。

  • 読み終わった。…ツラかった。ツラかった!
    ナニコノ精神攻撃。
    なんの苦行!?

    「コーラン」つまり「クルアーン」はもともと「読誦」を意味するそうです。
    つまり、この内容を、イスラームの人たちは日々読みあげている、と。
    そもそも「言葉」には力があるんだよ?(と私は信じてる。)
    それなのに、これを毎日読み、聞くなんて…!
    なんて恐ろしい。

    「コーラン」を読んだきっかけは、「知らない」というコトは恐怖や嫌悪の原因になる、知れば、怖くなくなるかもしれない、と思ったから。
    読み終わって。
    「知った」からこそ、怖いコトがあるんだと分かった…。

    怖かった。
    イスラームの人たちから、私たちはこう見えているのかと思うと。
    怖い。

    純粋な疑問として。
    それぞれの世界が遠かった時代ならいざ知らず、今のように世界が狭まったこの時代、イスラームの人たちは非イスラームとどのように折り合いをつけているんだろう。

  • 読了。上、中、下の上だけです。読誦はできませんのでしていません。イスラームの知識が欠けていることを自覚して読んだ次第です。非常に長いものを苦労して読んだため、少しは分かったことになるのかも知れません。が、国内の識者らしきひとびとに見られるいくつかの言及は、わたしのなかではより不鮮明になりました。詳しくは書きません。主に、書物のなかに矛盾がいくつも見られることに加えて、本物の天の啓示である証拠に矛盾がないと堂々記述されていることが不思議でした。また、死後の刑罰の描写は火責めの一辺倒であり、それが100回くらい記述され、一方天国の描写は川と女だけで、こちらも幾度も出てくる割にバリエーションはありませんでした。ひとつ気が付きましたが、神は過去と現在を完全に疑いなく熟知している一方で、未来については判らないように思えます。ひとの人生がいつ終わるのかを決めているという記述はありますが、これは寿命をろうそくの火で例える日本の宗教観に例えても、ろうそくの長さは過去のいづれかの日に決めておいておくものなのだから、未来を知っていることにはなりません(谷から石を落とせば「落ちる」ことなら人間も知っています)。風を起こして火を消すように、人のともし火を消すことも可能でしょうが、それは現在を司る力です。未来は、存在しない。後、これを持ち歩いて電車のなかで読んだりするのは少し怖かったです。無知故の不敬をお許しください。

  • ムハンマドが書き直した旧約聖書の神は慈悲深いな。イスラム教の教えは、ムハンマドがいきなり書き上げていきなり広まったのではなく、彼の時代にはすでに一定以上の信者がいたのか。

    これを読み通すだけでなく、朗唱できるほど自分の一部にしきったハーフィズは偉大すぎる。

  • 図書館で借りた。言ってやるが良い

  • いわずと知れたイスラム教の聖典の邦訳本。全3巻中の第1巻。黙音読。

     全能の神は全責任を負う(というより万能で責任すら問題にならない)。一方、神(アッラー)の思し召しである以上、人々は責任を感じる心性を持ちにくい。自己責任や罪の概念を持ちうるのか。
     イスラム圏の初等教育がどういう手法で、どういう内容が教授されているのか。本書を読むと気になってきたところである。

  • 長いし、同じ話が繰り返し出てくる。ただしそれも含めて教養として読んでおく価値は十分にあるだろう。
    前提として旧約聖書の主なエピソードは復習する必要あり。

  • この本はイスラム教の初学者にとって難しいと思われる。大学入試で倫理の受験経験がある人や大学の一般教養の講義を受けた人でも難しいかもしれない。何かイスラム教に関する入門書を読んでから、『コーラン』を読んだ方がよいと思われる。

  • 旧約聖書、新約聖書は読んだことはあっても、コーラン(クルアーン)は今まで読んだことがなかった。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はいわゆる啓典宗教と呼ばれるが、これら三つの宗教に登場する神は実は同じだという事実を知らない人も多いのではなかろうか。
    コーランはマホメットが約20年間にわたりアラーから受けた啓示の集大成である。マホメットが現れたのは6世紀、ユダヤ教は紀元前13世紀、キリスト教は紀元1世紀なのでかなり歴史は新しい。
    コーランの文章は旧約聖書、新約聖書を意識的に踏まえている。例の創世記のくだりだって出てくる。後半の記述が違ったりしてるんだけど。モーセとか登場人物がたくさんかぶっているので聖書を読んでいた方が理解は早い。
    しかしながら聖書は読み物としてドラマティックでそれなりに読めるが、コーランは読み物としてはぶっちゃけ退屈である。解説にもあるようにアラビア砂漠の砂そのもののごとく無味乾燥としている。
    ところがどうして。YouTubeとかで聴けばわかるんだけど、コーランは詩歌であり、神の音楽なんですよ。朗誦されて快く響くこと、それが一つの価値。凛冽たるフロウと律動するライム。アラビアンラップがごとく、ずーっと聴いてるとある種の恍惚感と共に陶酔状態に陥る、かもしれないとさえ感じる。
    論理のたどりにくいところや、文脈の乱れ、話がポンポン飛ぶなど、読みにくいけれど教義としてはシンプルでわかりやすいのではないかと思う。近年イスラム教徒が増えてるのも頷ける。心の平安を得やすいんだと思う。

  • 神を信じると安易に口先で言うな。天地を作りたもうた方に感謝せよ。

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