コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)

制作 : 井筒 俊彦 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 270
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003381335

作品紹介・あらすじ

『コーラン』各章の配列は、成立年代とはほぼ逆になっている。(下)に収められた初期(メッカ期)の啓示は、サジュウ体と呼ばれる独特の散文詩体で語られ、なまなましい緊迫感がみなぎる。強く激しいシャーマン的リズムの中に浮び上がる地獄の光景は圧倒的である。

感想・レビュー・書評

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  • 再読終了。構成として実は下巻が一番古く、上巻のほうが新しい内容になっている逆順なので、下巻の最後のほうが最初期の預言。いかにもイタコっぽい断片的な言葉が多く、この頃は本当に神の言葉を伝達している感覚だったのだろうなと思える。

    でも結局、上・中巻と同じく、ワンパターンな旧約からの引用エピソードと、預言者を嘘つきよばわりしてるとジャハンナム(ゲヘナ)=地獄の業火が待ってるぞ、信じればアダン(エデン)の園で処女の美人が待ってるぞ、改心すれば寛大なアッラーは許してくださる、などの同じ話の繰り返しで、読み物としてはやはりつまらない(ごめんやで)

    戦利品の独り占めや、一夫多妻制ゆえの愛人同志のごたごたなどの個人的問題を、アッラーが許可したから、と自己弁護に利用しちゃうのも毎度のことながらいただけない。

    解説でざっくり、マホメッドの生い立ち的なものを読むにつけ、このひとは宗教家、預言者というより政治家であり革命家だったのだなという印象のほうが強くなった。預言や宗教は手段で、単に政治的手腕に優れていただけじゃなかろうかと。もちろん最初はそうじゃなかったのかもしれないけど、結果的に宗教を政治に利用し、貧困層VS富裕層の部族間の争いを煽ったというべきか収めたというべきか、まあ最終的にすべてが彼の支配下に治まってしまうわけで。

    もしかしてコーラン読むよりマホメッドの伝記とか読んだほうが面白いかも。キリストを預言者として並列において比べた場合、まあもちろん時代背景も国も違うのだけれど、真実はどうであれイエス・キリストは妻も愛人も持たなかったことになっているし、兵を率いて戦争もしなかったし、迫害されても布教活動を全うした聖人君子とされている。彼に比べたら、マホメッドは、なんていうか「人間くさい」のかもしれませんね。

  • 図書館で借りた。何か混乱してきた

  • 全3巻中の第3巻。

     コーランは後代に集積・纏められたもので、叙述順と預言時期は必ずしも整合しているわけではない。が、大まかには下→中→上と時代順に並んでいるらしい。そして、マホメットが保持する組織が大きくなった後半期は上巻に叙述。

     とはいえ、その上巻ですら余りに具体的な叙述が多い。かようなコーランの記述を基礎に、如何様な社会制度・統治機構(財政・租税・治安維持など)か構築されてきたか、コーランとの記述の整合性が如何に確保されたのか、信者にどのような説明がなされてきたのか。これらは本書からでは不明なまま。勿論、読み込み不足の可能性は高いが…。

     イスラム各国の社会制度・ルール(暗黙でもいい)・統治機構と、コーランとの関係性とコーランに基づく正当性を記した書はないものかなぁ。

  • この本はイスラム教の初学者にとって難しいと思われる。大学入試で倫理の受験経験がある人や大学の一般教養の講義を受けた人でも難しいかもしれない。何かイスラム教に関する入門書を読んでから、『コーラン』を読んだ方がよいと思われる。

  • 下巻で有りながら時期としては初期の啓示へと遡る。マホメットがアラーの憑依というかトランス状態に慣れてなかったからなのか短い文章が並ぶ。しかし全体的に異常なほどの緊迫感が漲っている。もうこれ以上の言葉は紡げないという呼吸困難5秒前みたいな切迫した状況が伝わってくるかのよう。
    さてマホメットの功績は計り知れない。確固たる一神教を確立しアラビア半島に政治的な秩序をもたらし、砂漠の民に倫理観を植え付けた。
    しかし、イスラム教最大の弱点はマホメットが最後の預言者であったということだという指摘は正しいと思う。ユダヤ教同様に宗教戒律、社会規範、国家の法律がイスラム教では一致している。コーランが絶対。ゆえに伝統主義的社会を脱却する論拠もなければ立法意志も形成できない。しかしキリスト教はそれが可能だった。
    ヨーロッパの近代資本主義、憲法はじめ近代法、近代政治制度などはすべてキリスト教文明によって生み出された。
    資本主義とデモクラシーと近代法とが成立し、機能するためには、パウロ的な、人間の外面と内面、行動と内心とを峻別する二分法が必要だったという。偉大なるパウロの発想の素晴らしさはマックスウェーバー先生ご指摘の通りである。むしろマックスウェーバーの著作こそ社会思想史専攻者にとってのバイブル。
    イスラーム哲学や哲学者についてまったく知識を持ってないんだけど神学論争はどのようになされていたのかとか、思想はどのような発展を遂げているのか少し興味が湧いた。コーランは何回か読み返してみよ。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)2
    宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する
    唯一神アッラーがユダヤ・キリスト教の神と異なることを理解すれば、世界の読み解きが容易になる。ユダヤ教、キリスト教、イスラームの神は同一という俗説から離れることが必要だ。

  • 3-2 宗教論

  • 池上彰 世界を変えた10冊の本より

  • 青木武信先生(国際学部)「イスラーム入門」レポート参考文献

    湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1252406

  • (2006.11.04読了)(2003.03.17購入)
    寄り道しながらも、「コーラン(下)」に辿り着き読み終わりました。
    アッラーは、世界のすべてを創造し、人間ひとりひとりの行いをすべて把握している。アッラーを信じ、アッラーの指示をきちんと守って生きている人は、最後の審判のときにアッラーからのご褒美がもらえる。アッラーを信じないものは、最後の審判のときに、ひどい目にあうことになる。神が確かにいる事は、数々の神の兆しがあらゆるところに見つけられることから明らかだ。どうしてお前達にはそれが分からないのだ。
    今まで神を信ぜず、やるべきことをやってきていたとしても、今すぐ悔い改めて、アッラーを信仰すれば、アッラーは心の広い方なので、許してくださる。
    このようなことを繰り返し説いています。下巻には、これ以外の事はあまり書いてなかったように思います。

    ●信仰し、善行にいそしむ者(17頁)
    よいか、お前達を我ら(アッラー)の側に近づけてくれるものは、財産でも息子でもない。ただ信仰し、善行にいそしむものだけが(近づくことを許される)。そういう人たちは、自分のしたことの倍も御褒美をいただいて、安らかに(天国の)高殿の内に住める。これに反し、我らの神兆を出し抜こうとて盛んに活躍した者どもは、これはたちまち天罰の中に連れ込まれるばかり。
    ●生かすも殺すも自由自在(77頁)
    (アッラーこそは)お前達をまず泥で作り、次に一滴の精液、次いで小さな凝血から作り、赤ん坊にして外に出してくださったお方。やがて今度は老人になって行く。その前に召されてしまうものもあるが。ま、こうしてみな一定の時限(寿命)まで生きて行く。これでもお前達まだわからないのか。生かすも殺すも自由自在。何かをこうとお決めになったら、ただ「在れ」とおっしゃるだけでそうなってしまう。
    ●善いことで追い払え(84頁)
    善と悪とは同じではない。だが(他人に何か悪いことされたら)もっと善いことで(その悪を)追い払え。そうすれば、いくら不倶戴天の仇敵だとて、まめやかな友達のようになること疑いない。
    ●楽園に入る人(228頁)
    始終お祈りに精出している人々。己が財産も(決して独り占めにすることなく)定まった何がしかの額だけはもの乞いや、困窮者用にいつも取りのけておく人々。裁きの日を固く信じて疑わず、主の懲らしめを怖れて生きる人々。預かり物はごまかさず、契約は履行し、証言をひるがえすことなく、礼拝の務めはあくまで守る人々。そういう人たちは楽園に入って、高い誉れに輝こう。
    ☆関連図書
    「コーラン(上)」井筒俊彦訳、岩波文庫、1957年11月25日
    「コーラン(中)」井筒俊彦訳、岩波文庫、1958年2月25日
    「コーランの世界」吉村作治著、光文社文庫、1988年3月20日
    「イスラーム文化」井筒俊彦著、岩波文庫、1991年6月17日

    (「BOOK」データベースより)amazon
    『コーラン』各章の配列は、成立年代とはほぼ逆になっている。(下)に収められた初期(メッカ期)の啓示は、サジュウ体と呼ばれる独特の散文詩体で語られ、なまなましい緊迫感がみなぎる。強く激しいシャーマン的リズムの中に浮び上がる地獄の光景は圧倒的である。

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