聖フランシスコ・デ・サビエル書翰抄 上 (岩波文庫 青818-1)

  • 岩波書店 (1949年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (366ページ) / ISBN・EAN: 9784003381816

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  • 日本で一番有名な宣教師、フランシスコ・ザビエルの残存する書簡の中から46篇を選んで収録したもの。パリ大学時代から、インド宣教、そして日本への渡航、最後のシナ宣教への挫折、絶筆までがある。
    私たちがザビエル書簡に興味を持つのは、戦国時代の日本人の考え方が記されているからだろう。例えば、「彼の答へる所に依ると、日本人は直ぐに信者になることはないであろうけれども、まづ始めに多数の質問をするだろう。それから私の答と、私にどれ程の智慧があるかを研究する。そして、何よりも私の生活が、私の教える所と一致しているかどうかを検討するであろう。つまり、討論に於て、私が、彼らの質問に満足な答を與へると共に、私の生活ぶりに非難する点がないというこの二つのことに及第すれば、恐らくこんな試験期が半年ほど続いて後、国王を始め、武士も思慮のある全ての人達も、キリストへの信仰を表明するようになるであろうといふ。アンヘロの言葉に依ると、日本人は、理性のみに導かれる国民だといふ。」(P267(上巻))流浪の日本人による、自民族の良いところを見せようとする側面も多々あると思うが、当時の日本人の自己認識という点でも面白かった。
     また、聖人の信仰を知る手がかりでもある。インドのイエズス会員に当てた手紙の一節。
    「自己を放棄し、自分が何者であるかを識るために、神がお與へになった悉くの意志の力を動員して、内心に好まないやうなことに於ても、自己に克つ訓練に勉めて頂きたい。それによつて一層強く神への信頼、神への愛、隣人への愛に、成長するだろう。何となれば、自己に対する不信頼から、神への誠の信頼が生まれるからである。」(P31(下巻))自己への不信頼から神への信頼に対する結実、この心の動きにリアリティを持てるか、というのがザビエルの宣教への熱意を理解できるかにあると思う。

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