科学の価値 (岩波文庫 青 902-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003390238

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  • 《目次》
    第一部 数理的科学
    第二部 物理的科学
    第三部 科学の客観的価値

  • 20世紀初頭の物理、数学において、万能の才能と、影響力を発揮したポアンカレの思想が垣間見れる本。彼の思想の特徴は、科学が発見した法則が人のために立つか立たないかにはまったく興味がなく、科学は人の知識欲を満足させる点において、すでに必要であるとする点にある。したがって、彼の科学とは音楽や芸実と同じである。であるから、彼は解のエレガンス性にこだわったし、解析的手続きを重要であるとしながら、直感派の数学を擁護した。しかし、私から見ると彼ほどの頭脳では、「帰納的思考」と「演繹的思考」の差がほとんどないだろうから(一瞬で解析できるし、一瞬で思いつく)どちらでもよいというか、区別つかないのじゃないかと思うが。

  • 理図書 401||P76 11941688

  • ・「科学と仮説」を受けて,その復習をしながら,数学とは?科学とは?その関係とは?等の話をしていく.
    ・第一部では,数学者の性質を直観(幾何学的)と論理(解析学的)に分別するところから始まり,時間について,空間とは何か,次元とは何か,トポロジーの考えなどが語られている.
    ・第二部では,科学が何の役に立つのかに対する反論,数学が物理学に何を為すのか,物理学が数学に何を為すのか,数理物理学の歴史とこれからについて,中心力の物理学から原理の数理物理学へ,そして今(執筆当時)は新しい力学を建設しなければならない,といったことを語っている.
    ・そこでは,エーテルは不要であることや力学的質量と電磁的質量は同じ法則に従うこと,では引力的質量は?などについて言及されている.
    ・第三部では,ル・ロアの哲学と比べつつ,ポアンカレの科学に対する考え,哲学が語られていく.

  • 直観主義の先駆け、ポアンカレの本。ブラウワーといい、ポアンカレといい、相対主義的、構成主義的と言われるはずの直観主義だが、どうも決定論的、神秘主義の色が強くて合わない。これが「直観主義」にかかる形容ではなく、ポアンカレ本人にかかる形容である事を祈る。

    最後の方で登場したポアンカレが言うところの極端な相対主義を展開するル・ロア(Le Roy)が気になった。

  • 1-1 科学論・科学史

  • 大学の本棚で手に取った思い出

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著者プロフィール

アンリ・ポアンカレ(Jules-Henri Poincaré)
1854 - 1912年。数学者、物理学者、科学哲学者。フランス、ナンシーで、医学者の家庭に生まれる。エコール・ポリテクニーク、パリ高等鉱業学校を経て、パリ大学にて数学の博士号を取得。同大学にて、数学、数理物理学、天文学などの教鞭を取る。フランス科学アカデミー会員(幾何学部門)。アカデミー・フランセーズ会員。ポアンカレ予想の提唱者、またフラクタルやカオス理論の先駆者としても有名。多方面で優れた業績を残し、「最後の万能学者」とも呼ばれる。

「2022年 『科学と仮説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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