近世数学史談 (岩波文庫 青939-1)

  • 岩波書店 (1995年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784003393918

みんなの感想まとめ

数学の歴史を、実際にその時代の最前線で活躍した数学者が語るという貴重な視点が魅力の一冊です。著者は、数学がどのように形成されてきたのかを、単なる年表ではなく、混乱や試行錯誤の中から生まれた過程に焦点を...

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀前半に活躍し、日本で初めて世界的に認められた数学者の一人である高木貞治 が書いた数学史の本である。実際に数学研究の最前線にいた人物自身が数学の歴史を語っている、ということ自体に大きな意味がある。

    内容は単なる発見の年代順の説明ではなく、数学という学問がどのような混乱や試行錯誤の中から形作られていったのかに重心が置かれている。普段の授業では完成された定理しか見えないので、概念がまだ不安定だった時代の空気が感じられるのが新鮮だった。

    また、外側から歴史を整理して説明するというより、「数学を作る側の人間」が、自分たちの学問をどう捉えているのかが伝わってくる。数学者たちへの敬意や、数学そのものへの美意識のようなものが文章の端々ににじんでいる。

  • 理解できないなぁ

  • 図書館で借りた。
    高木貞治氏が記した、ガウスをはじめとした近世の数学史の読み物。同時代に著名な数学者が何人も居たのだというのがこの本の興味深いポイント。
    最近だと、「数学史の研究者」というジャンルがありそうだが、著名な数学者が、数学史を独自の語り口で語る、というのは貴重でかつ面白いのかもしれないと感じます。
    貴重な数学史の1冊と思いました。

  • 解説で著者が戦前の時代に世界的に認められたすごい数学者だと知る。オイラーは近世以前ということで、ガウスやアーベルがメイン

  • 数式が出てきてもさっぱり意味がわからないけれども、面白い。初版が1930年代だからかなり古いし言葉遣いもあまり今風ではないけれども読み進めるのに苦はない。数学の歴史を作ってきた数学者たちの生き方は、なぜかとても心惹かれるし魅力的だ。ガウスじいさんとアーベルのくだりも興味深い。

  • 756円購入2010-07-08

  • 新書文庫

  • [ 内容 ]
    世界的数学者、類体論の高木貞治(1875‐1960)が独特の語り口で、ガウス、アーベル、ガロアらの発見を語る。
    巨人たちを輩出した近世数学の勃興期―フランス革命後19世紀前半までの数学史を論じて数多くの数学少年の夢を育てた本書は、そのロマンティックな時代の空気までも伝えて読む者を倦ませない。

    [ 目次 ]
    正十七角形のセンセーション
    近世数学の発端
    ガウス略歴
    研究と発表
    ガウス文書
    レムニスケート函数の発見
    数字計算とガウス
    書かれなかった楕円函数論
    パリ工芸学校
    三つのL〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 数学において最も発展を遂げた時代とはすなわち19世紀であり、それは自然科学の興隆の呼び水になると同時に20世紀初頭における数学の危機を呼び起こす前兆となった。『解析概論』という教科書の名著で有名な著者がそうした発展の立役者であるガウスやコーシー、ガロアといった数学の天才たちの人となりや業績について味のある古風な語り口で記している。如何せん数式の部分はさっぱり理解できないのが門外漢にとっての辛いところだが、数学者とはある種人間のリミッターを外したものばかりで、その生涯についてのエピソードだけでも楽しめる。

  • 一般向け。数学専門のひとでも面白く数学の流れや歴史がわかります。読みものとしておすすめ。

    理数理 タカキ||3||2-13 11750958

  • 20120914Amazonマーケットプレイス

  • 以前、数学専攻の雪江先生に、
    「数学が苦手な人にもオススメの本があれば…」と質問して紹介していただいたのがこの本でした。

    その時、雪江先生よりいただいたコメント
    「ずっと後で読んだ本なのですが、これは面白いですね。歴史本でもありますが、数学の部分もあるのでそこは難しいかもしれませんね。この本は絶版していたんですが、最近復刊されました。」

    そのときのインタビューの全貌はこちらから

    雪江明彦教授
    2009年度日本数学会「代数学賞」受賞記念インタビュー
    http://www.sci.tohoku.ac.jp/mediaoffice/second/interview3.html

  • 類体論で知られる近代日本初の国際的数学者である高木貞治(1875-1960)による、数学史に関する一般向けエッセイ。18世紀末から19世紀前半のドイツとフランスを中心とする数学界、取り分け当時幾人かの天才によって展開されつつあった整数論や方程式論の話題を中心に取り上げる。主役の数学者はガウス・コーシー・アーベル・ガロア・ディリクレ。更にラグランジュ・ラプラス・ルジャンドル・フーリエ・ヤコービらが脇を固める。

    中高生の頃、自分もこうした天才たちの物語に胸を躍らせていた数学徒であった。しかしその憧れはディレッタントの羨望のまま大成されずに終わり、今は随分と違った方面に向かってしまっている。まだ自己の虚無と世界の広漠に戦かずにいられた暢気な幸福時代を思い出しながら読んだ。

    "ガウスが進んだ道は即ち数学の進む道である。その道は帰納的である。特殊から一般へ!それが標語である。・・・数学が演繹的であるというが、それは既成数学の修業にのみ通用するのである。・・・しかし論理は当り前なのだから、演繹のみから新しい物は何も出て来ないのが当り前であろう。もしも学問が演繹のみにたよるならば、その学問は小さな環の上を永遠に週期的に廻転する外はないであろう。"

  • 54夜

  •  
    ── 高木 貞治《近世数学史談 19950818-19960209 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003393910
     横組/表紙画像あり
     
    ── 志村 五郎《記憶の切繪図 ~ 七十五年の回想 20080601 筑摩書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/448086069X
    ── 志村 五郎《記憶の切繪図 20080625 筑摩書房》978-4-480-86069-9
     
    ── 志村 五郎《中国古典文学私選 凡人と非凡人の物語 20170501 明徳出版社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4896191919(200810‥)
     
    …… 「フェルマーの最終定理」証明に関する「谷山・志村予想」提唱
     
     高木 貞治 数学 18750421 岐阜 東京 19600228 84 /19321008訪問記
     志村 五郎 数学 19300223 静岡 米国 20190503 89 /プリンストン大学名誉教授
     谷山 豊  数学 19271112 埼玉 東京 19581117 31 /ガス自殺/Toyo, Yutaka
    ♀鈴木 美佐子   192.‥‥ ‥‥ 東京 19581202 2. /後追自殺/19590125 葬婚式
     
    …… 旧制浦和高等学校を2年休学して1950年に卒業。
     この頃に高木貞治の『近世数学史談』を読んで、数学者を志す。
     1958年に東京大学助教授に就任。同年5月、理学博士(東京大学。論文
     10月には婚約が決まり、プリンストン高等研究所からの招聘を受ける
    が、その矢先の11月17日に豊島区池袋の自宅アパートでガス自殺
     兄と久賀 道郎(英語版)に宛てた遺書は大学ノート3枚に及ぶ。
     
    …… 昨日まで、自殺しようという明確な意思があったわけではない。
    ただ、最近僕がかなり疲れて居、また神経もかなり参っていることに気
    付いていた人は少なくないと思う。自殺の原因について、明確なことは
    自分でもよくわからないが、何かある特定の事件乃至事柄の結果ではな
    い。ただ気分的に云えることは、将来に対する自信を失ったということ。
    僕の自殺が、或る程度の迷惑あるいは打撃となるような人も居るかもし
    れない。このことが、その将来に暗いかげを落とすことにならないよう
    にと、心から願うほかない。いずれにせよ、これが一種の背信行為であ
    ることは否定できないが、今までわがままを通してきたついでに、最後
    のわがままとして許してほしい。(Wikipedia)
     
    …… 私たちは何があっても決して離れないと約束しました。彼が逝っ
    てしまったのだから、私もいっしょに逝かねばなりません(鈴木 美佐子)。
     
    (20091203)(20190505)
     

  • 「史談」のところは面白く読めるけれど、ところどころの難しそうな数式は飛ばしました。主人公格はガウスとアーベルで、それぞれの書簡の中での第一人称は「余」と「僕」。なので多分、訳は高木先生自身がつけたものなのだろう。22章にそれを裏付けるような部分があるし。書簡だけじゃなく、ほんとにいろんな人のいろんな記述が引用されてるのだけど、この人にこういう面があることは知らなかった。いやもともと、日本人数学者については全然知らないんだけど。以下、雑多なnotes。p.56に出てくるWolframというのは、Mathematicaをつくった彼のご先祖なんだろうか?"「ガウス流の厳格主義!そんな暇があるものか」とヤコービは言うたとやら."(p.63) ヤコービよ、よく言った! 言うたとやら、っていうのはp.151にも出てくる。"ガウスが進んだ道は即ち数学の進む道である.その道は帰納的である.特殊から一般へ!それが標語である.それは凡ての実質的なる学問において必要なる条件でなければならない.(中略)若しも学問が演繹のみにたよるならば,その学問は小さな環の上を永遠に週期的に廻転する外ないであろう.我々は空虚なる一般論に捉われないで,帰納の一途に精進すべきではあるまいか."(p.68)エコールポリテクニクの入試は満点200で、この本が書かれた時点での最高記録は1875点。"保持するのは誰あろう数学者Hadamard氏であると言う.”コーシー-アダマールの定理の人だ(どんなのだか忘れたけど)。ドレフュスの義弟だとか。ちなみにガロワは、"「あまりに馬鹿気た問題だから,答案を書く気になれなかった」"そう。(p.75)p.137にでてくるオーム氏は”有名なる物理学者の同胞”とあるからオームの法則の人の兄弟なんだろうが扱いがかわいそう。”無能なくせに先輩ぶって,クレルレ邸に会する青年から嫌悪されたベルリン大学のO.など問題になるまい.”こういうように著者の人物評にはなかなか手厳しいものがある。解説にあるけど、ルジャンドルもその犠牲者のひとり。物理ではめっちゃ名前聞くのに!ヤコービ曰く、”『フーリエ氏などは数学の目的は社会的効益及び自然現象の説明にあると言うが,氏の如き哲人はすべからく学問の唯一の目標は人間の精神力の発揚(l'honeur de l'esprit humain)にあることを知るべきである.この見地に於ては,数の問題も宇宙系統の問題も同等の価値を有するのである』(1830年)”。もちろんヤコービには同意だけど、純粋数学者だと思ってたフーリエが応用重視だったというのは意外。面白いのでたくさん引用してしまったけど、著作権は切れてるはず、と思いきや、来年までだったか。数学者の伝記はやっぱ面白い。ベル、再開しようかなあ。解説は杉浦光夫。◆◇関連リンク◇◆ベル『数学をつくった人びと I』http://review.webdoku.jp/note/4390/15216/1?id=120238

  • 数学の歴史について学べる一冊。数式はあまりでてきません。

  • 「目ざめて臥床から起き出でようとする刹那に」という調子の文体が素敵です。ちゃんと読もうとすると時間がかかるタイプの本。

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著者プロフィール

1875-1960。岐阜県大野郡数屋村(現本巣市)生まれ。第三高等中学校、東京帝国大学理科大学数学科卒業。理学博士。東京帝国大学教授。第1回フィールズ賞選考委員。著書『初等整数論講義』『近世数学史談』『解析概論』『数学小景』等。

「2019年 『数の概念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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