法の精神〈下〉 (岩波文庫)

制作 : 野田 良之  上原 行雄  三辺 博之  稲本 洋之助  田中 治男  横田 地弘 
  • 岩波書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003400531

感想・レビュー・書評

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  • オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスは次の通りです。
    http://books-officehiguchi.com/archives/4308325.html

    「中学の社会で、多くの人がモンテスキューの著書『法の精神』を耳にしたと思う。『法の精神』で三権分立を主張したことでも知られている。文庫本ではあるが、大学入試レベルの世界史の知識がないと、初学者にとって難しいと感じるかもしれない。今後、この本のなかから気になる箇所を引用する形で配信したい。 」

  • 『法の精神』全訳の最終巻。第24編から第31編まで。まず最初の2編で、宗教と法律の関係が論じられる。ピエール・ベイルに対する批判が明記されているにもかかわらず、この箇所は『法の精神』がキリスト教批判の論理を具えているのではないかと疑われた部分でもあった(はず)。この箇所ではもっぱら、宗教の教義が国制との関係でどのような機能を果すのかが綿密に検討されている。その後、法律が規律する領域をきちんと区分けするべきことを説く第26編を経て、第6部に入る。おそらく、モンテスキューを単に権力分立の理論家として捉えるのではなく、「ゴシック政体」の特色を抽出しようとした思想家として捉えるのであれば、この部は極めて重要な箇所であろう。トゥールのグレゴリウスなど、フランク人の歴史についての著作やゲルマン部族法典を材料として、ゲルマン国家における裁判権のあり方や裁判での慣習、封建制についての考察が大半を占める。第11編6章で示されるような権力分立の抽象的理論とは異なり、この箇所の記述は優れて歴史的であり、裁判権に対する考察などは、中世の支配権のあり方を記述する際に「裁治権」というカテゴリーを用いて記述する現代の中世研究者とも共通する視点をその中に見て取ることができるかもしれない。ともあれ、フランク人の国家に対するモンテスキューの評価は、31編18章のシャルルマーニュに対する評価に集約されているように思われる。いわく、「カルル大帝は、貴族身分の権力をその限界内にとどめ、聖職身分および自由人に対する抑圧を阻止しようと考えた。彼は、彼らが相拮抗し、自分が主人としてとどまるような具合に国家の諸階層の中に均衡を作り出した」。そして、ルイ柔和王との対比でこう述べられる。「このように、この第二家系〔カロリング朝〕の歴史においても、ピピンとカルル大帝こそが求められているのである。人々が見たいのは国王であって、死人ではない」。「諸階層の均衡」を保つ国家こそが、模範とすべき国家であると言わんばかりの論調をこのようにモンテスキューは提示しているが、このように身分社会における秩序を追求した思想家が、脱身分制化されて抽象的な権力分立論の理論家として受容されていく過程も、それはそれとして分析の余地があるだろう。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)148
    国家・政治・社会

  • 上・中・下、一貫して耐えて読まねばいけません!
    社会科学を志すならとくに。

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