アメリカのデモクラシー (第1巻上) (岩波文庫)

著者 :
制作 : 松本 礼二 
  • 岩波書店
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003400920

感想・レビュー・書評

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  • 評価が低いのは私の能力の問題。
    内田樹さんの本で取り上げられていたので読みました。

  • さて次は下巻。

  • 自分と年齢の変わらないような若者(貴族であるところが違うけど…)が新興国アメリカに視察に行ったあと書いた考察である。内容は、フランス(革命国)、イギリス(旧体制)、との比較の視点があり、わかりやすい。アメリカは○○であるが、なぜ○○かというと…という政治をしているからである。一方フランスでは…のような形。なぜ訴訟社会なのか、など、現代のアメリカを考察するにもアイデアの源泉になる素晴らしい著書。

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    1831年から1832年まで、ジャクソン大統領時代の米国社会を描いた近代デモクラシー論。

  • 1800年代にフランスの政治家トクヴィルが米国に渡り、米国社会の仕組み、米国人行動をつぶさに分析した結果を「米国論」として纏めたもの。
    米国を表わす最も適当なコンセプトが民主的(デモクラシー)ということになる。
    当時、欧州からみると米国は壮大な実験の場であり、また将来の自らを占う国として大きな関心が持たれていたのだと思う。本著は古典の部類に入るのかもしれないが、現在の米国社会を考える上でも参考になる考察が数多く見出すことができ、大いに参考になった。

    国は人間の成長と同じだという。子供の頃からの成長の過程を見ることで、今の自分を判断できるように、”米国は、一大国民の出発点を明瞭に認識することのできた唯一の国である”。
    例えば、米国を創ったのは母国英国を捨てた清教徒であり、そのニューイングランドの気風が全国に拡がり、国の精神を作ったとしている。
    確かに、今も米国人は宗教心に厚く、正義・公正を重んじる傾向があり、それはこの生い立ちに繋がってくるものだと納得した。
    また、自由、平等はまさに母国での差別から逃れてきたこと人々にとって最も重んじられているものであり、それが法制度等、社会の仕組みに埋め込まれていることにも必然性を感じる。
    その他、地方自治、連邦制度、大統領制、司法制等、米国の社会の特徴を米国の生い立ちから紐解き、その趣旨を理解することができ、大変興味深い内容になっている。

    以下引用~
    ・アメリカでは逆に、郡より前に自治体が、州より前に郡が、そして連邦より前に週が組織されたと言うことができる。
    ・アメリカでは両者をいわば混ぜ合わせ、見事に結びつけることに成功したのである。すなわち、私が言うのは宗教の精神と自由の精神のことである。

  • アメリカという国を、もう一度作ろうと思っても、もう作れない。アメリカはこの世界が一度だけ作ることのできた宝石だと思う。人間というのがいかにすごいのか、歴史書を読んでいるとなぜか自分が人間より上の種族になったような気がするが、それにしても人間という生き物はすごいなあ、と上から目線で、いやあすごい本当にすごい、と飛び切りお気に入りの本でも見つけたみたいに何度も色々な場面から見て見たくなってしまう。アメリカというシステム、アメリカという人間たち。アメリカという蒸気、ただ機関車を動かしている、そのしくみ。

  • トクヴィルは、民主制は(ヨーロッパでも)不可避的という見通しの下に、アメリカの民主制の制度的あり方やその成立条件を検討している。

    彼は第1章で北アメリカの地形を概観した後、第2章では国民の起源ないし形成期にすでに国民間の優劣がなく、かつ、「民主的共和制」と不可分のピューリタニズムがあったことを指摘している。その「社会状態」は、第3章によれば、市民の平等と知識の平等が著しい状態であった。第4章では、アメリカのイギリス系植民地に人民主権が原理として根づいており、革命後はそれが自治体から政府へと波及したと論じられている。第5章では、個々の州の事情が検討されている。その特徴は、例えば、ニューイングランドに見られるように、地域共同体(タウン)の自治にある。第6章によれば、アメリカの司法権は、法律よりも憲法に基づいて審判できる。第7章は、ヨーロッパでは政治裁判で公務員に重罪を課すが、アメリカでは公的資格を剥奪するにすぎないことが指摘されている。連邦憲法を扱った第8章によれば、アメリカでは、連邦の主権と州の主権が分割され、連邦政府の権限は、戦争・通貨・交通・課税などに限定されている。①州の原理を上院に国民主権の原理を下院に代表させた立法、②大統領が長であり立法議会との対立の生じない行政、③他国にないほど大きな権力を有し、立法府への権力集中を防止する司法が論じられている。

    アメリカの特徴は、連邦制度にあり、それは、地域の多様性を生かしつつ、防衛のような社会全体に関わる行動を規制している。とはいえ、すべての国家が連邦制度を採りうるわけではない。それを可能にした条件とは、市民の政治的知識の普及、「文明」の同質性、とりわけ地理的な環境である。

  • 1830年代にフランスの政治思想家トクヴィルが、アメリカ社会を観察するとともにその民主政治の成り立ちや統治機構の特徴を考察したもの。

    著者は、当時民主政治について最も進んだアメリカを研究することで、革命の時にあったフランス(ヨーロッパ)にも訪れつつある民主政治をより有益なものする方法を知ろうとしたが、その観察眼や洞察力から導かれた鋭い考察により、現代の民主主義を考えるにあたっても読み直すべき古典的名著とされている。
    この1上巻では、アメリカ建国時にまで遡ってイギリス系アメリカ人の性格、宗教観やそれが政治に与えた影響、連邦や州といった統治機構の性格や特徴などが論じられている。

    興味深かったのは、著者は社会の繁栄と人間の自由に好都合で最も強力な統治制度を連邦制としつつ、一方で連邦政府の相対的な弱さ(細分化された主権)を弊害として挙げている所。
    連邦制が成功するには良い法律だけでは不十分で、各州がほとんど同じ利害、起源、言語、同程度の文明段階であることと、なんといっても地理的条件の重要性を挙げ、著者の言葉によれば“連邦制の諸国が政治集権の集中した国家と長期間対等に戦いうると信じることは拒否する”としている。

    この点、例えば日本で明治政府が中央集権化を図ったことは、日本の地政学や当時の時代背景から考えてもトクヴィルの主張と符合するように思える(統治制度として幕藩体制は連邦制に近いかと)。

  • 結構期待して挑んだものの、やはり古典的な印象が否めない。しかし、これは当時とても革新的だったのだろう。言葉遣いは結構すき。民主主義に潜む多数派専制の危険性の指摘など。

  • 19世紀、アメリカ合衆国を悉に見て回ったフランスの思想家トクヴィルによる当時の「最新のアメリカレポート」。当時のヨーロッパ諸国の状況を知らないと今ひとつわかりづらいかもしれないが、欧州の軛から自由になったアメリカという国家が、その風土、人民の気風、世界の中での地理的・政治的な位置などの特異さから、「民主主義」という大きな特長を涵養する事になった、ということだろうか。アメリカという国の成り立ちから、今の巨大国家アメリカの行動原理が見えてくることを期待する。

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