民主体制の崩壊: 危機・崩壊・再均衡 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003403419

作品紹介・あらすじ

デモクラシーはある日突然、死に至るのではない。危機を昂進させていく政治過程を経て崩壊する。そこにおける体制維持派と様々な反対派の間のせめぎあいや中立的権力の動向などを分析する枠組みを提示した政治学者フアン・リンス(1926-2013)の古典的研究。デモクラシーの運命に関心を抱くすべての人々にとっての必読書である。

感想・レビュー・書評

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  • 313.7||Li

  •  本書は、民主体制がどのように崩壊するのかに焦点を当てて論じたものである。具体の民主体制国家の政治過程を博捜したところから、著者は一定の仮説を見出す。すなわち、研究対象である《崩壊に向かった民主体制は、ある時点では生き延びて完全に固定化する可能性を大いに有していたが、主要な個人アクターや制度的アクターのある種の性質と行為がこれを阻害した》ということである(37頁)。 

     そして具体の分析枠組として、デモクラシー政府が市民に服従を求め、政府の決定に承認を求める指標として、正統性、問題解決能力(efficacy)、政策遂行能力(effectiveness)という変数を取り上げる。また、体制との関係で、反対派集団を非忠誠的・準忠誠的・忠誠的反対派にカテゴライズして、反対派とどのような関係に至った場合、体制が崩壊に至るのかを論じていく。

     例として取り上げられる、スペインやラテンアメリカ諸国の政治体制の歴史については疎いのだが、原注、訳注が充実していて、本文読解の大変参考になる。
     デモクラシーの非効率性や国民の分断化に懸念が示されている、正に今だからこそ読むべき一冊だと思う。

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