ミル自伝 (岩波文庫 白 116-8)

制作 : 朱牟田 夏雄 
  • 岩波書店
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003411681

感想・レビュー・書評

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  • 【内容】
    学問や教育の観点からその生涯を見る。
    ジョン・スチュアート・ミル(1806-1873、イギリス)。

    【類別】
    自伝(自身の手による伝記)。

    【着目】
    主に世話になった人を絡めて書いていく手法が特徴的です。
    頁78では研究的且つ表現的な職へ就くことに関して、ある視点での不益を指摘し「ペンによって生計を立てねばならぬものは、面白くもないものをあくせく書くか、あるいは一番よいばあいで大衆によびかけるものにたよらざるを得ない。それに、自分の選んだ探究のほうには、食うための仕事のほうから割き得るほんのわずかの時間しかあて得ない」としています。筆者の父が文筆家でもあったという記述を踏まえると、父を近くから見た感想かもしれません。
    第5章(頁119-162)前半部では精神危機に陥った際のことを描写しており、深く長い苦境へ陥っている人ならば読んで損がないものと思います。
    頁123-124「分析の習慣というものは快楽なり苦痛なりの気持をすりへらす傾向があることを悟った、あるいは悟ったと思った」「分析ということの最上の長所は(私の考えたところでは)、何であろうと先入主によって生まれたものをそれが弱めくつがえすという傾向を持つことであり、ただ不安定に一緒になっただけの思想の結びつきを理知的に切り離すことを可能にするということである」筆者が分析行為を完全無欠なものだとは考えていないことが示され、その他の行為と同様に、行うべきときを見定めて行うのが肝要であると再認識しました。
    頁128「幸福を直接の目的にしないばあいに却ってその目的が達成されるのだと、今や私は考えるようになった。自分自身の幸福ではない何か他の目的に精神を集中する者のみが幸福なのだ、(中略)副産物的に幸福が得られるのだ」ひどく曖昧な話ではあるもののこれまでの筆者の考えも含めると、人間の内面は無限に思考を吸いこむものであるがゆえに、自身の内面に属する幸福だけを追いもとめるよりも他へ思考を向ける方が有意義なのだと思えました。
    頁194にて同じ箇所の執筆を二度行うことの利点が述べられています。

    【備考】
    このレビューは第30刷に拠っています。

  • カバー:経済学者として、思想家として、また論理学・哲学・倫理学・文芸評論・宗教論争で大きな業績を残したジョン・スチュアート・ミル(1806-73)。どの分野でも、それぞれ一人の人間が一生かかるほどのことを見事に成し遂げた驚くべき彼の力の秘密はいったいなんであったのか。あらゆる自伝中の白眉と称えられる精神の発展の記録。

  • 朱牟田夏雄の訳が好きなので買った。読みやすくて面白いし、ためになる。

  •  
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003411684
    ── 西本 正美・訳《ミル自傳 1859‥‥ England 19281215 岩波文庫》
     
    …… 生きる為めに書いた文章は、それ自身実は生きてゐない文章であ
    り、決して筆者が全力を傾倒したものでもないからなのである(P94-95)。
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B000JBJ5C4
    ── 西本 正美・訳《ミル自伝 19281215 岩波文庫》P154-156
      
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050507
     秀才三傑 ~ アクセス・カウント ~
     
    …… きみが持っている大切な本で、買った日付が一番古いものは何?
    ── 大江 健三郎《毎日毎日うつむいて 20120800 図書》P27
    http://q.hatena.ne.jp/1344215675
     
    …… わたしの電子書庫には、つぎの一冊が紛れこんでいました。
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003411684
    ── Mill/西本 正美・訳《ミル自傳 19281215 岩波文庫》
     
    http://q.hatena.ne.jp/1359954633#a1188856 (No.2 20130204)
     
    …… ミルはオックスフォード大学やケンブリッジ大学から研究の場を
    提供されたがこれを断り、父と同様に1858年まで東インド会社に奉職し
    た。従って、ミルは専門職としての「学者」であったことは一度も無い。
    (Wikipedia)
      

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