共産党宣言 (岩波文庫 白 124-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003412459

感想・レビュー・書評

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  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)73
    共産主義思想
    ある時代、歴史がこういう思想によって大きく動かされていたことを知るために。

  • 「万国の労働者、団結せよ」と結ばれている、共産主義の思想が凝縮された一冊です! 訳が難解なのが玉に傷ですが、すべての歴史は階級闘争の歴史であることや、経済が社会の基盤となっているという思考など、今なお多くの示唆に富んだ作品だと思います!(^^)!

  •  マルクスとエンゲルスは、市場経済主義の発展で自由競争が過激になっていくにしたがって人間がまるで機械のようになっていき、人間関係までもが希薄となっていく様子を危惧しているのであると思う。この本が書かれたのは1848年。今から150年以上前である。しかし、この危惧は現在でも当てはまり、かつ現代に生きる我々も考えなくてはならないことであると思う。私はこれを考えるときにハンナ・アーレントの「イェルサレムのアイヒマン」を思い起こさずにはいられない。アイヒマンはナチス・ドイツ政権下で、ユダヤ人大量虐殺の実質的な責任者を任されていた人物である。数百万人ものユダヤ人を強制収容所に送った。なんて残忍な人物なのだろうか、と誰しもが想像したことだろう。しかし、自身がユダヤ人であるにも関わらず、アーレントはそうはみなさなかった。アイヒマンはごく普通の人間であると。ただ真面目で、効率的に何事にも取り組む。ただ、出世欲が強かった、それだけであったと。アイヒマンはただの組織の歯車の一つであったのである。いつでも代替可能な歯車である。そして組織の歯車としての彼の仕事がたまたま「ユダヤ人虐殺」であったのである。人の命を奪うという意識は非常に薄かったのだろう。アイヒマンにとって、自分の仕事をまじめにやること以外は考える必要がなかったのである。ただの歯車なのだから。アーレントは、誰でもアイヒマンになり得るということを言ったのである。「共産党宣言」と「イェルサレムのアイヒマン」はもちろん題材から主張まで異なる。しかし、組織の中でただの歯車となることによって、自分がやれと言われたこと以外についての思考停止に陥ってしまう。そして人間関係が希薄に、人の命に対する意識も希薄になってしまうという点は共通しているのではないか、と考えた。

  • 1970年代の全共闘など、何がそんなに熱を帯びていたのか疑問だった
    けれど、その時代の団塊の世代の熱気がこころなしか羨ましくもあり、読んでおくタイミングだと思って、手に取った

    書いてあることは、半分も理解できなかった
    教授曰わく、「存在が意識を決定するということ」

  • 階級と私有財産制のない新しい世界の建築を目的としたユートピアの書。「今日まであらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」の有名な一文で始まる。本書の骨子は次のようなものである。太古の土地共有が解消されて以来の歴史は階級闘争の歴史である。すなわち、社会的発展の様々の段階における搾取階級、非搾取階級の間の闘争の歴史と捉えることができる。今こそ、全社会を永久に搾取、圧迫、及び階級闘争から開放しなければならないという段階にまで達したのである。

  • 短い割に、頭の回転の遅い私にとっては難しい本だった。
    共産主義についてはなんとなく理解できたと思う。
    が、共感はできなかった。

    ひたすらブルジョワを批判、批判、批判。
    仮にプロレタリア達が万国総出で立ち上がり、ブルジョワ化したら、自分達はそうならないと言い切れるのだろうか?

    …ま、なんやかやと言っても、私はこんな説得力のある文章は一生書けませんけど><


    教養にどうぞ☆

  • 「共産主義革命はじまるよ~!」万国のプロレタリア「わぁい!」

  • 100年以上も前に書かれた著作だけど、資本家が跋扈する社会のあり様なんかがまんま今と同じで感心する。
    人間はみんな欲があって、できるならみなブルジョア階級になりたがるだろうから、人類みんなが解脱でもしない限り本当の共産主義が実現するなんて不可能な夢に思えた。
    だけど、今の社会にも辟易してるから、そんな夢も見てみたくなる。

  • 言わずと知れたあれ。
    初めて読んだ時、衝撃が走った。
    表現がいちいちかっこいい。

    ただタイトルからも分かるように
    マルクスはアジテート用にこれを書いたので
    本気にしすぎてはいけない。

    大したページ数はない(本文は70ページもない。)ので、読んだほうがいい。
    特に社会学部に進む学生は大学は前に読んどくと後々すごい役立つ。なぜなら前近代社会の社会学者の共産主義という言葉に対する考え方の根本が簡潔に詰まっているから。

    ※社会学をやっていると、共産主義やマルクス主義という言葉はいろんなところで出てくるが、その意味は著者によって微妙に異なる。だから批判するにしても肯定するにしてもその大枠を把握しておくのは必須。さらに理解しておくと応用が効く。

    個人的には1章の史的雄物論に関する考察がたまらなく好き。ここをしっかり把握していると、途上国で起きたロシア革命やキューバ革命は真の意味で共産主義革命ではなかった事がわかる。
    何故なら、本書でマルクスは、自らの生み出した力を操れなくなって飲み込まる資本主義社会は必然的に共産化する、と解いてるから。これは資本主義が成熟しきった段階で共産化へ向かうという意味。ゆえに途上国で起きた共産革命と呼ばれるものは本質的に共産主義ではない。・・・のちにプロレタリア独裁という考え方も生まれるがそれについてはまた今度。

    でっ、ちょっと話がズレるが、
    昨年11月、金融の中心地、ウォール・ストリートでOCCUPYデモと呼ばれる運動が発生した。
    デモ参加者はアメリカの行き過ぎた資本主義を批判し、格差の是正を求めている。
    この運動は全世界的に波及しており、OCCUPY MOVEMENTと呼ばれている。
    これは上記の意味で、現代の共産主義革命なのかもしれない。成功するか否かは・・・?

    【以下感想三行】

    ヨーロッパに亡霊がでる、
    共産主義という名の亡霊である!
    なにそれかっこいい

  • 12年6月、読書会課題図書

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著者プロフィール

カール・マルクス(Karl Marx):1818-83年。ドイツの経済学者・哲学者・革命家。科学的社会主義の創始者。ヘーゲル左派として出発し、エンゲルスとともにドイツ古典哲学を批判的に摂取して弁証法的唯物論、史的唯物論の理論に到達。これを基礎に、イギリス古典経済学およびフランス社会主義の科学的、革命的伝統を継承して科学的社会主義を完成した。また、共産主義者同盟に参加、のち第一インターナショナルを創立した。著書に『資本論』『哲学の貧困』『共産党宣言』など。


「2024年 『資本論 第一巻 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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