- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003412466
作品紹介・あらすじ
労賃とは何か、労賃はいかにして決定されるか、という身近な問題から出発して価値法則を簡潔に説明し、剰余価値の成立を明らかにする。マルクスがこれを『新ライン新聞』に連載してから百数十年、資本制的搾取の仕組を暴露したこのパンフレットは世界各国の労働者に広く読みつがれてきた。主著『資本論』への最良の入門書。
感想・レビュー・書評
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資本論の入門書として素晴らしい良書。
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たしかにこの作品を読んでいて「なるほど」と思う点もありますし、いかにして搾取が行われているかわかりやすい流れで書かれています。
しかし、それが本当に正しい理論なのかというと、それはかなり厳密に検証していかなければならないものだと思います。
簡単に矛盾を指摘できたりするようなやわな理論だったらここまで世界に影響を与えることなどできなかったでしょう。やはりマルクスの理論は難しい。 -
資本の自己増殖、疎外された労働、賃金の決定など、マルクスの考え方の基本が網羅されている。文体は難しく見える表現(読書初心者なので「けだし」なんて表現初めて見ました……)が随所にあるが、読みやすく、サクサクとページを捲れるのは、それだけ賃労働というテーマが現代社会でも身近であること、マルクスの主張が自分達の感じるものと近いところがあるからだと思う。
賃労働をする1人の人間として、読んでよかったと思える。この本を読んで真っ先に感じられるのは、「たくさん稼いで幸せになる」という発想に限界があることだ。「今私たちは何のために働いているのか?」ということを容赦なく問いかけ、突き付けられる。アルバイトを始めた学生や、就活・転職活動に悩む人達にぜひ読んでほしい。 -
資本と労賃の関係。資本が増大すれば労賃は下落する。この矛盾を説明しています。
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[2022年1月3冊目]資本主義の持つ仕組みとして、労働者と資本家との格差増大が起こることについてわかりやすくまとまっている。
マルクスの思想に触れてみたいと思って本書を手に取ったのは読み易さ、短さ等から考えても適切だったように思う。 -
『人新世の資本論』を読んで以来、挑戦したかったマルクス。
思っていたより幾分かは読めるものだった。
資本の追求というものは際限がなく、資本が拡大するにつれ労賃は目減りしていき労働者間の競争も激しくなる。
一方で資本の拡大は賃労働にとって好都合、つまり機械化や技術革新により安く雇って一人が十人前の生産をしてくれるようになる訳で、それで得た資本は労働者に返ってくるのではなく更に生産力・販路の拡張に使われる…という感じであろうか。
改版90刷
2021.6.3 -
賃労働と資本
(和書)2008年10月20日 22:32
2002 岩波書店 カール マルクス, Karl Marx, 長谷部 文雄
抜粋
「・・・・最後に、・・・商業世界が富・生産物・および生産諸力さえもの一部分を冥府の神々に犠牲とすることによってのみ耐えられるような地震が、 - 一言で言えば恐慌が、増加する。・・・・」
哲学批判・経済学批判が「生贄の論理(支配者の論理)」批判(吟味)として読めると言うことを示している。資本論を読むのにとても参考になるのではないかと思う。この主題はとても普遍的な見方を有していると思われ、左翼に限らずこれを読むことはとても有意義だと思う。 -
資本論もこれらも読んでおりません。
家にはありました。いつか読めたら…と思います。
祖父はいつまでもこれらの哲学にこだわっていて、私は「もういいじゃないの」と思っていたし、読んでいませんがそう思っていました「違うのよおじいちゃん」と。
祖父が死んでもうだいぶ経ちますが、せめて読んでから祖父のことを評価したり批判したりすれば良かったと当時を振り返ります。 -
労働者は生きる生活の糧の為に、自身の労働力の源泉となる時間を資本家に売る。
資本家はその労働力を使い、資本を益々増大させ、労働者に生きる糧の為の必要最低限の賃金を与える。
機械化による分業化によって、より大量の生産物をより安価に生産する競争が起こる。
それにより、その進むのと同じ程度で労働が簡易化され肉体的にも精神的にも頭脳を働かせることのない単純単調作業によって、誰にでもとってかわれる労働力となる。
簡易化かつ生産費の減少によって、労賃は益々下落し、格差が拡がる。 -
とてもコンパクトにマルクスの思う賃労働と資本の関係について書いてある。短い冊子なので通読するのに苦労はしない。マルクスにふれるきっかけとしてはわかりやすい方だと思う。