賃労働と資本 (岩波文庫)

制作 : Karl Marx  長谷部 文雄 
  • 岩波書店 (1981年10月1日発売)
3.40
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  • Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003412466

作品紹介

労賃とは何か、労賃はいかにして決定されるか、という身近な問題から出発して価値法則を簡潔に説明し、剰余価値の成立を明らかにする。マルクスがこれを『新ライン新聞』に連載してから百数十年、資本制的搾取の仕組を暴露したこのパンフレットは世界各国の労働者に広く読みつがれてきた。主著『資本論』への最良の入門書。

賃労働と資本 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 労働者は生きる生活の糧の為に、自身の労働力の源泉となる時間を資本家に売る。

    資本家はその労働力を使い、資本を益々増大させ、労働者に生きる糧の為の必要最低限の賃金を与える。

    機械化による分業化によって、より大量の生産物をより安価に生産する競争が起こる。

    それにより、その進むのと同じ程度で労働が簡易化され肉体的にも精神的にも頭脳を働かせることのない単純単調作業によって、誰にでもとってかわれる労働力となる。

    簡易化かつ生産費の減少によって、労賃は益々下落し、格差が拡がる。

  • とてもコンパクトにマルクスの思う賃労働と資本の関係について書いてある。短い冊子なので通読するのに苦労はしない。マルクスにふれるきっかけとしてはわかりやすい方だと思う。

  • ますます大きく急速にとって代わりあっているもろもろの発明や発見は、この前代未聞の程度で日々高まってゆく人間労働の多生産性は、ついには、今日の資本主義経済がそのために滅亡せざるをえない葛藤を生み出す。一方では、計りしれない厖大な富と、取得者が使いこなしえない諸生産物の過剰。他方では、社会の大衆がプロレタリア化され、賃労働者に転化され、そしてそれ故にこそ、かの過剰生産物をわがものとしえなくなる。少数の法外に富裕な階級と、多数の無産賃労働者階級とへの社会の分裂の結果として、この社会はそれ自身の過剰生産物に窒息しながら、その成員の大多数はほとんど、またはぜんぜん、極度の窮乏から保護されていない。

    最初の課題の一つは、この、一見したところ商品価格を支配する偶然の背後にかくれているが実はこの偶然そのものを支配している法則を探求すること。

    古典派経済学は、商品の価値が、その商品に含まれるーその商品の生産に要するー労働によってけってされることを発見。

    マルクスは、はじめて労働の価値形成的性質を根本的に研究し、そしてその際、一商品の生産に外見的または現実的に必要なそれぞれの労働が、この商品にたいしいかなる場合にも、消費されあ労働量と一致するある価値の大いさを付加するのではない、ということを発見。

    労働者の生産費とは何かを研究。

    人間の血と肉とほかには何らの容器ももたないこの独自な商品の価格の別名に他ならない。

    商品の価格は何によって決定されるか?
    労働が必要とする育成時間が少なければ少ないほど、その労働者の生産費が少なく、彼の労働の価格すなわち彼の労賃がそれだけ低いわけである。

    生産的資本の増大は、労賃にいかなる影響を及ぼすか?

    分業が進むのと同じ程度で、労働が簡単化される。労働者の特殊的な熟練は無価値となる。彼は、肉体的弾力も精神的弾力も働かせる必要のない簡単で単調な生産力に転化される。

    資本が急速に増大すれば、労働者間の競争は遥かに一層急速に増大する。すなわち、労働者階級のための雇傭手段たる生活手段は相対的にますます減少するが、それにもかかわらず、資本の急速な増大は賃労働にとって最も好都合な条件なのである。

  • 20130429

  • 労働はどんどん単純化されるだとか、色々今でも通じる考察がある一方で、資本家と賃労働者しかありえないのかという印象をうけるような単純化もあり、首を傾げつつ読んだ。

  • 数式にしたらよりわかりやすい表現も多々見られるので、この本を最初に読むのは辛いと思う。マルクス資本論を現代的にわかりやすく直した本は他にたくさんあるので(難易度も様々、中には漫画まである)それらを読んだ後にコレを読んで資本論を読む方が効率的であると思いました。ただ何度か挑戦する気概のある方はこの本から挑戦しても(本文自体は数十頁分と割と短いので)良いと思います。

  • 薄い本であるが,理解に手間取りずいぶんと時間をかけてしまった.
    金持ち父さん貧乏父さんを読んで,面白いと感じた人なら必ずこの本のおもしろさがわかるはず.いろんな書評で,マルクスの中ではこれが入門書として適切らしいし,オススメ.
    その昔,多くの若者たちがマルキシズムに見せられたわけがよくわかる.全く現状はかわっておらず,悲しくなった.

  • 「資本論」への格好の入門書、なのだけれど。。

    労働者と資本家との対立が不可避、という
    マルクスの言い分は、
    資本家は労働者の待遇改善より
    設備投資を優先するため
    資本が増大しても資本家が肥えるだけで労働者に恩恵がない、
    という可能性が論拠になっている。
    ただ、実際に市場経済をしっている我々は、
    資本家も労働者の賃金を上げなければ、
    市場の購買力が減少し、より商品を売ることができず、
    最終的には資本家がジリ貧となる、という仕組みも知っている。
    その点で、私見ではあるが
    マルクスは市場での価値の決定プロセスを考慮に入れていないと言いたくなる。

    辛口だけど、やはり十分な収入がありながら
    家族を飢えさせた人間の経済学は、どこか無理がある。

  • 渡辺広明先生推薦

    若いうちは、いろいろな視点の本を読んでもらいたいと思います。今まで多くの皆さんが触れることのなかった図書です。この著作は、資本主義生産の秘密・本質を解明したパンフレットです。

  • 学生時代に読んだ(読まされた)本。余剰価値がどうのこうのという内容。

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