資本論 (2) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1969年2月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (536ページ) / ISBN・EAN: 9784003412527

みんなの感想まとめ

労働と資本の関係を深く掘り下げるこの作品は、特に産業革命における機械化の影響を明らかにしています。手工業の機械化や労働の資本化が進む中で、資本家は労働者から剰余価値を吸い上げるため、労働時間や強度を増...

感想・レビュー・書評

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  • 第二分冊。

    手工業の機械化、労働及び機械の資本化、労働の単純化、という過程の中、
    資本家は、剰余価値を吸い上げるため、絶え間なく労働の時間若しくは強度の増加を迫る。
    その中で労働者の保護と待遇改善を目的としたはずの工場法だが、図らずもさらなる機械化と労働者の雇用数減を推進し、小規模工場を駆逐して大規模工場資本の独占的支配権を高める。

    要約すると、以上の過程をこの第二分冊で説明している。
    産業革命による動力および手工業の機械化と、機会の資本化が、労働者を労働に留まらせて奴隷化する、という構図がわかりやすい。

    詳細な論述の合間に、当時の主にイギリスにおける統計や、古代~中世の哲学も挟んでいるので、重厚かつ長大であるが、第一分冊に引き続き議論は明確でわかりやすい。

    例として挙げられる産業が、繊維被服や家具などシンプルなものであるのは当時を思わせる。
    消費財を購入するために消費財を生産して財貨を稼ぐ、という労働者のサイクルが手に取るように分かった。

    機械化が労働者の負担軽減や危険除去のために使われるなら素晴らしいが、残念ながら実際は、労働者を駆逐してコストダウンすることの方がより強い動機となってしまう。
    人間はテクノロジーを使うのではなくテクノロジーに
    使われるもの、と言うのは、いつの時代も変わらない。

    「以前のすべての生産様式の技術的基礎は、本質的に保守的だったのであるが、近代工業の技術的基礎は革命的である」(p506)
    とおっしゃるとおり。

    ・労働者にとって労働時間は、マルクスが言うほど完全な不幸なのか?
    ・機械化や近代化がもたらした大量生産と物質的窮乏からの脱却は、資本というより市場の要求の面が強いのでは?
    ・資本主義が引き起こす農村と都市の対立を議論しても、近現代より中世的な生活の方が良かった、とは決して言えないのでは?

    など、疑問も色々湧いてくる。
    今後の展開を楽しみに見ていきたい。

  • 2024/4/18
    労働力は他の原料や材料と同じで売ることができる物資みたいなもの。我々労働者はこの労働力を売って対価を得ている。生産の過程で原料の代金に労働力分の付加価値が付くわけだが、この再生産にあたり労働課程は労働力分の代金の付加価値を超えて続行される。剰余価値は資本家に。

    #2 2024/4/17
    生産で使用する物資のほとんどは加工物であり、
    綿、木版、ネジ、鉱物
    それを購入して加工、付加価値をつけて販売する。種子は過去に人が作ったものなので、こういった自然物も加工品と呼べる。

    労働はこれらの原料と同じで、資本家が購入する物資のように捉えることができる。
    原料と労働を購入して付加価値をつけた物資を作り販売してお金を産むのが資本の流れだ。

  • 本書を読むと、資本主義社会は人の欲望を悉く見える化し、それにより社会の変化や発展を急激に加速させたのだということがよく分かる。この分冊では、(主に工場における)劣悪な環境を生々しく描くことにより、資本の持つ残虐さを自分たちに伝えてくる。(もちろんそれは、急激な変化に対して試行錯誤する社会、という一面もあり、全てが全て資本のせいだとは言えないのだけども。)

    本分冊を読んで最も感じたのは「技術の発展・機械の導入によって、自分達の仕事がどんどんなくなっていく」という認識は誤りだということだ。本書を読んで、仕事はなくなっていくのではなく「誰でもできるもの」になってしまったのだと分かった。つまり、機械の導入は私達の仕事を減らすのではなく、その姿を変え、敷居を下げ、私達でない誰かに仕事の主体を移すに過ぎないということだ。

    現代社会でいえば、その「誰か」は最早人ではなく、AIということになってくるのだろうか。そしてそんな社会が完成したとき、自分達はAIに情報を垂れ流すだけの、個と乖離した1つの「データ」にすぎなくなってしまうのだろうか。資本論が描いたものと違う時代にあるとはいえ、その変わらない性格が現代社会にどう作用していくのだろう、ということはこれから勉強していきたいし、考えながら生きていきたい。

  • ようやく岩波文庫の(二)を読了。目次に第1巻とあるのは何故だろう、と訝しんだが資本論というのは第3巻まであって、その第1巻が岩波文庫の(一)〜(三)に相当するのだということを初めて知る。先は長い。

     (一)に比べて圧倒的に読みにくい。19世紀の西洋世界の製造業における労務関係の諸問題が実例を豊富に用いることで実証的に説明されているが、率直にいって過多である。しかしいくつかの実例は、特に工業化を推し進めあくなき価値増殖の追求を試みる初期資本家の獰猛さが感じられて興味深い。
     
     価値を商品に移転させるのみの労働(不変資本)と、価値を創造する労働(可変資本)。この「労働の二面性」の存在を本能的に嗅ぎとった資本家たちは、価値を創造する剰余労働時間を最大化すべく、生産力を上げて商品を低廉化するため人的労働力を機械に置き換えることで、「相対的剰余価値」を増加させ「特別利潤」を得ようとする。本書を要約するとこんなところか。

     ここでの「資本」という言葉の使い方が面白いと思った。現在この言葉に込められる「元手」や「利益の集積」といったニュアンスはほとんどなく、あくまで労働から商品へと移転されたり付加されたりする「価値」を流通させる媒体のようなイメージ。マルクスという思想家には、勃興する工業化社会の裏側にこういう価値の流れが透けて見えていたのだ。「流れ」で価値を測るから質より量が重視される。マルクスが幾度となく「量が問題だ」と繰り返すのもなんとなく肯ける気がする。

  • ”労働はまず第一に、人間と自然とのあいだの一過程である。”(p9)
    労働の単純な諸要素
    目的に合致する活動、労働そのもの、その対象、その手段。
    労働対象:天然に存在する労働対象(水、魚、etc)、原料
    労働手段:土地、石製道具など、加工された石、木、骨、飼育動物
    フランクリン 人間を「道具を作る動物」と定義。

    マルクスは言う。「労働力は、商品である。」と。

    ”資本家による労働力の消費過程として行われるような労働過程は、二つの特有な現象を示す。”(p21)

    ”彼が資本家の作業場に入った瞬間から、彼の労働力の使用価値は、したがってその使用、労働は、資本家に属したのである。”(p21)

    ”プロレタリアは、その労働を一定量の生活手段と引き換えに売ることによって、生産物におけるすべての分け前を完全に放棄する。”シェビュリエ『富か貧か』より。(p22注(10)より。)

    そして、マルクスは、生産過程を価値形成過程としても、分析する。

    資本形成過程において、労働力の質は問わない。

    ”もはやここでは、労働の質、性状、および内容が問題となるのではなく、ただその量が問題となるにすぎない。”(p28)

    より高度な、より複雑な労働は、マルクスによれば、より高い労働者の養成費を含み、その生産により多くの労働時間を要するため、より高い価値となって対象化されるという。
    そして、高級な労働1日は、x日の単純労働へと量的に還元される。(p43)

    「生産物の価値は、労働力を含む、投入された商品価値の総額に等しく、余剰価値は、生じない。」

    ”依然として剰余価値は、労働の量的超過によってのみ、同じ労働過程の、一つのばあいには撚糸生産の過程の、他のばあいには宝石生産の過程の継続時間の延長によってのみ、出てくるのである。”(p42)

    この矛盾は、資本家が、生活費を稼ぐのに必要な労働価値を生じさせる労働時間以上に、労働者を働かせること(価値増殖過程)によって、解決し、資本家は、余剰価値を生み出すとマルクスは言う。

    不変資本と可変資本。

    第7章 第1節 労働力の搾取度

    資本C=生産手段に支出される一定の貨幣額 c + 労働力に支出される他の一定の貨幣額 v

    c: 不変資本
    v: 可変資本

    商品価値 C' = ( c + v ) + 剰余価値 m

    労働を加えたからといって、必ずしも商品価値に、労働価値が付加されないのではないか?

    剰余価値率 資本家による労働者の搾取度の精確な表現。
    剰余価値率=m/v=剰余労働/必要労働
    必要労働とは、労働者自身が生活するための賃金を得る労働時間である。
    剰余価値率が100%の場合、労働者は労働日の半分を自分のために、他の半分を資本家のために労働したことになる。



    (感想)
    使われている言葉自体は、新規なワード、難解な言葉はない。

  • 資本論 2/9
    読みにくいが、8章「労働日」以後を読むと、資本論が 、階級闘争をテーマとしていることが よくわかる。マルクスが 労働者に 革命行動を呼びかけている。資本家を 人格化した資本システムとして 批判している

    13章「機械装置と大工業」における機械装置は 人口知能とリンクした

    いろいろな統計資料から 理論を組み立てているので、机上の空論や理想論に感じない

  • 読了。読了。読了。やっと読めた。500ページあった。まだ、あと6巻ある。工業化されると、熟練労働者は減り、単純労働者に代わり、さらに、女性、児童に変わっていくことが、書かれていた。150年前のイギリスの話である。ラピュタのパズーもそうなのだとわかった。現代に置き換えると、外国人労働者や貧困女子にあたり、今も全く進歩してないのではと感じた。蒸気機関をコンピューターに置き換えると似ているのではと感じた。次三巻だ。少し気が重い。

  • 輪読会用として、2016年1月7日、HMVに発注。1月9日到着。輪読会の趣旨が思惑とまるで違うので退会した。自分で読み継ぐのは難しい。翻訳は意外に良くない。

  • 剰余価値の生成過程について。
    労働時間延長による絶対的剰余価値
    協業、分業による相対的剰余価値
    機械による相対的剰余価値の生成
    機械の労働者に与える影響
    機械による生産性の向上の負の側面

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)56
    社会・経済についての知識で、われわれが置かれた制約を知る

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003412524
    ── マルクス&エンゲルス・編/向坂 逸郎・訳《資本論(二)19690116-19801020 岩波文庫》
     

  •  2巻(岩波文庫での、である)は1巻よりも長かった。かなり長かった。読むのしんどかった。哲学的な1巻に比べて、なんだか歴史的なことがたくさん出てきて、非常に読みづらかった。2008.5.30-(31)-6.10(12d).

  • 資本論のつづき。絶対的余剰価値と相対的余剰価値について述べている。絶対的余剰価値は労働者の長時間労働による余剰価値の生産を述べ、相対的余剰価値は資本が労働賃金をいかに安く値切るかということを論じている。なによりの特徴はイギリスの工場監察官の資料からリアルに労働者のおかれている状況を描写しているところで、八時間労働を勝ち取るのにいかに長い時間がかかったということ、機械によって労働者がいかに不具にされていくか、また教育水準が低いままに放置されていたかが分かる。紡績機の運転速度が速められて、子供の指が飛んだり、事故防止措置がとられぬまま働かされた農民が機械にまきこまれて不具にされたりと、心が痛み、かつ怒りが湧いてくる内容です。まさに暗黒の19世紀「グレートブリテン」を活写しています。そして、この状況は現代もさして変わっておらず、とくに自己責任で何でもかたづける昨今の風潮の背後には、純粋凶悪な資本主義の本質が透けてみえるはずです。

  • ¥105

  • 当時の労働状況が過酷すぎて、自己実現だの成長だのという(搾取を隠蔽するあらたな装置にほかならない)馬鹿げた名目に踊らされてみずから進んで残業をする現代の労働者の情けなさに涙が出る。

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著者プロフィール

カール・マルクス(Karl Marx):1818-83年。ドイツの経済学者・哲学者・革命家。科学的社会主義の創始者。ヘーゲル左派として出発し、エンゲルスとともにドイツ古典哲学を批判的に摂取して弁証法的唯物論、史的唯物論の理論に到達。これを基礎に、イギリス古典経済学およびフランス社会主義の科学的、革命的伝統を継承して科学的社会主義を完成した。また、共産主義者同盟に参加、のち第一インターナショナルを創立した。著書に『資本論』『哲学の貧困』『共産党宣言』など。


「2024年 『資本論 第一巻 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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