資本論 9 (岩波文庫 白 125-9)

著者 :
制作 : エンゲルス  向坂 逸郎 
  • 岩波書店
3.33
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本棚登録 : 81
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003412596

感想・レビュー・書評

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  • マルクスの手稿の断片をつなぎ合わせた最終部分。
    最後は途中までしか書かれていない。
    ただでさえ、難しい本が、虫食い状態、絶筆状態とあって、きちんと理解できていない。

    訳者のあとがきが、多少理解を助ける。
    史的唯物論という言葉のニュアンスや資本論が社会主義革命の書と言われる理由はなんとなくわかった。
    現在は、共産主義が挫折したことが確定しているため、訳者の主張は素直に受け止められないが、とはいえマルクスの主張は現代も大いに参考になるところが多いと思われる。

  • 資本論 全巻読了。全体をしめくくる巻。マルクスが 労働者に言いたかった事が述べられている「社会化された人間が〜盲目的に支配されることをやめる。自己目的として行為しうる人間の力の発展により〜自由の国が始まる。労働日の短縮は根本条件である」

    多くの知識人が読んでいる理由が わかった気がする。資本主義社会を変えたいのではなく、資本主義社会で どう生きるか を知るために 読んでいるのだと思う

    【読了するためのオススメ】
    *全9冊読んだ方がいい。後半の6〜9が面白い
    *索引は9巻末尾にある。最初から9巻も買った方がいい
    *超訳資本論(祥伝社新書)と併読。太字は熟読
    *佐藤優氏の資本論本は 骨組み理解、目付けに役立つ
    *1冊読了ごと 感想を書いたり、SNSに上げると モチベーション維持、頭の整理に繋がる

  • 1998.5.15 読了
    2010.12.19 レビュー一部修正。

     岩波文庫版で全9巻読了(1年3ヶ月を要す)。
    ドッと疲れた。

     マジにレビューするとボリュームがすごくなるので、簡単に。 以下、読後の印象・感想などを断片的にメモ。

    ・貨幣の歴史、産業革命期の労働者の暮らしぶり、植民地政策、商業都市国家についての各章はわりとスラスラと読むことが出来た。
     だがしかし、“数式”が頻出してくると途端に難しくなる。剰余価値の章はまだ理解させてくれたが、差額地代と絶対地代、に至っては私には難しかった。
    一般的利潤率のあたりはとりわけ難解であった。

    ・全巻を通じてヘーゲルが引用されている箇所が多かった。

    ・マルサス、リカード、アダムスミスを引用、その業績の一部を評価している。(近代経済学諸説と別の系統…という先入観が私にはあった)。
     ただ上記諸学説が明確にしていなかった利潤の発生の源泉を「剰余価値」という新概念で導き出しているのが「資本論」の新しさ。

    ・マルクスは、剰余価値の発生を、資本家と労働者と土地所有者という3大階級という構図の中から導き出した。(マルクスによれば、それまでのブルジョア経済学は、ブルジョアの立場から全てを分析するのみであった。)

    ・全巻を通じて、上記3階級の呼称が頻出するのだが、「階級闘争」という言葉が登場する箇所はごくわずかである(「第2版への後書」/第1巻)。他の箇所では「労働者階級の反抗も増大する」とか「…より高い一形態に席を譲る」という表現である。
     矛盾を内包した資本主義的生産様式は次のものにとって代わられるであろう、という分析のトーンで穏やかに語られているのである。
    「不払労働」を労働者自身の手に取り戻すこと。そして、次の段階の到来に際しては、労働者階級が主体的な存在となるであろうことが示唆されてはいる。
     だが、「共産党宣言」に見られるような声高な表現・筆致はほとんど見られないのが私には意外であった。

    ・資本主義的生産様式の構造的矛盾を明らかにすることで、この様式にマイナスの評価を下し、それによって労働者階級の自覚を促す。というのが資本論全巻の鳥瞰図なのであった。

    ・資本の集積に関する分析においては、剰余価値の蓄積の効率化、高収益化の仕組みが明らかにされている。この部分では、資本主義的生産様式における利潤達成の「機能性」をマルクスは逆説的に「評価」している、と思わせられた。
     
    ・そして、全巻を通じて、資本主義的生産様式の次なる形態について明確に論じた箇所は少ない。
     次なる生産様式に関しては、以下のような記述がある。

    「資本主義時代の成果を基礎とする、すなわち協同と土地および労働力そのものによって生産された生産手段の共有とを基礎とする、個別的所有」(第3巻24章)

    つまり、本書は資本蓄積の仕組みを分析しているのだが、社会主義経済のあり方を論じた書ではない。

    後世の社会主義経済、及び社会主義市場経済に関連して、メモしておきたい点としては、下記の諸点。

    ・剰余価値は市場と流通の中からは生じないと述べている。
    ・また、市場については、市場価格が、一般的利潤率に調節的に作用すると分析するにとどまり、市場の是非については踏み込んでいない。
    ・以下は、読後の私の私論。

    後の社会主義経済が、市場経済を軽視したのは、その経済政策の誤りであって、マルクスの思想の破綻や誤謬とは次元を異にする。

    市場経済を軽視したのは、ソ連型社会主義経済が行ったことであり、マルクスの理論ではないのである。

    以上、内容を完全に理解しきれなかったとは思うけれど、何が書かれていて何が書かれていないか、については知ることが出来た。

    難しかったので、星3つ。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)56
    社会・経済についての知識で、われわれが置かれた制約を知る
    『資本論』の論理を体得していると資本主義社会の内在的論理と限界がよくわかる。

  •  
    ── マルクス/エンゲルス・編/向坂 逸郎・訳《資本論(九)19700316-19970515 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003412591
     
     向坂 逸郎 経済学 18970206 福岡 東京 19850122 87 /九州大学教授/社会主義協会代表
    ♀向坂 ゆき     1905‥‥ ‥‥ 東京 20070621 102 /~《叛骨の昭和史》
     
    …… 労働者階級が資本主義の中で、社会主義社会に行かざるをえない
    必然性を与えられている。さらに進んで階級支配のない社会をつくらざ
    るをえない必然性の中に生きている。だから、労働者階級は、社会主義
    革命の階級である。マルクスは、この階級の歴史的性質を余すところな
    く分析し、総合した。だから『資本論』は、労働者階級の書である。だ
    から社会主義革命の書である。したがってまた真理の書である(解説)。
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/18731001 ダーウィン(64)vs マルクス(55)
     
    (20091204)(20170807) 

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