社会学の根本概念 (岩波文庫)

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感想 : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003420966

作品紹介・あらすじ

社会学の泰斗マックス・ヴェーバー(1864‐1920)がその死に先立って社会学上の重要な諸概念を定義的に明らかにしようと試みた論文。宗教、経済、政治、法律などの各領域で社会学的研究を成しとげたヴェーバーの社会学に関する根本的な考え方を知るために貴重な文献である。なだらかな日本語に移した本訳書は初学者にもすすめたい。

感想・レビュー・書評

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  •  社会を人と人との関係として捉えた時、その関係にはどの様な物があるのか、そして関係があるとはどういうことなのかを体系的にまとめている。関係を持つ対象として、個人の内面、1体1、少数の集まり、企業・政治・宗教などの団体を挙げ、関係性についてもは協調、競技などの競争も含めた闘争から法律・権力・伝統・戒律などによる支配など、なぜ研究の対象となるのか述べられている。少ないページ数ながら、社会学の研究において、何を対象としなければならないのか、あるいは何が対象となり得るのかを一覧することができる良著。

  • えーっと、一言で言うと「全然わかりません」。

    印象に残ったのは「因果関係は飽くまでも仮説的にとどまる」という点かなあ。

    「現実の認識過程は、初めに、経験的観察がいろいろと行われ、その後で、解釈が作られるという過程であった。この解釈が成功しない間は、因果関係を求める私たちの気持は決して満たされることがないであろう。しかし、その半面、観念的に推論された行動の経過を仮定しても、それが或る程度まで実際に起こったという証拠がない限り、法則自身がいかに明確でも、現実の行為の認識にとっては、価値のない観念的構成物ということになるであろう」(p18〜19)

    歴史学は「実際に起こったという証拠」から「法則」や「仮説」を考えるものだと思う。法則だけでは「現実の行為の認識にとっては、価値のない観念的構成物ということになるであろう」というウェーバーの言葉は、歴史学にとっていまだに力を持っている言葉だと思う。

    …まあそもそも、ウェーバーとかに社会科学の方法を学んでる時点で、歴史学はその方法を誤ってきたという声が衣笠のほうから聞こえてきそうだが。

  • 人の行為には意図や意志がある。人々が自分の行為にどのような意味を持たせているのか理解したい。社会現象を個人の行為の意味から理解しよう。▼目的を達成するため。お金を儲けるために商売。※功利主義はこれだけ。▼ある価値感(宗教・道徳・芸術)に従って行為。お祈り。道端のゴミを拾ってゴミ箱に捨てる。▼感情や気分による行為。悲しくて泣いてしまう。身に付いた習慣による行為。朝起きたら顔を洗う。『社会学の根本概念』1922
    *重要な分類とは思えない。分類大好き。

    欲求「~したい」(資源はあるか、~すべきか、~してよいか、価値規範)→目的「~しよう」→資源の動員→行為「~する」。

  • 近代社会学の祖であるマックス・ヴェーバーによる社会的営みにおける諸概念の考察。厳密に諸事象を推敲し定義する手法は、彼の思考回路の源泉に触れるようでなかなか興味深い。本書自体が何か示唆に富み面白いかと言われると微妙だが、100頁程度で哲学的に言語を分解・整理する方法を体験するという点では読んでおく価値はあろう。

  • 頑張って目を通したが、理解したとは言いにくい。色々と、バックグラウンドが必要に思いました。

  • 【目次】
    はしがき
    第一節 社会学と社会的行為
     一 方法の基礎/二 社会的行為の概念
    第二節 社会的行為の種類
    第三節 社会的関係
    第四節 社会的行為の諸類型――習慣と慣習
    第五節 正当なる秩序の概念
    第六節 正当なる秩序の種類――慣例と法
    第七節 正当なる秩序
    第八節 闘争の概念
    第九節 共同社会関係と利益社会関係
    第一〇節 開放的関係と閉鎖的関係
    第一一節 代表権
    第一二節 団体の概念と種類
    第一三節 団体の秩序
    第一四節 行政秩序と規制秩序
    第一五節 経営、経営団体、任意団体、強制団体
    第一六節 権力と支配
    第一七節 政治団体と宗教政治団体

    訳者注
    訳者の言葉

  • 何年も前に本書を買ったが、難解で手がつけられなかった。改めて熟読するとなんとなく意味がわかるものの判然としない部分も沢山ある。気が向いたら著者の他の作品も読み、本書に記載されている概念の外堀を固めてみたい。

  • 社会学とはいったいどんな学問なのか。始祖のひとりとして名高いヴェーバーによる根本的定義集。
    まずわたし自身の立場を明らかにしておけば、わたしは規範哲学を学んでいる人間であるため、読みながら規範哲学と社会学の関係性を考えていました。本書では、社会学という学問の基礎たる相対主義、客観的妥当性が目指されている。しかし疑問を感じるのは、私達はみな価値判断を常に行う個人として存在しており、ヴェーバーの示す方法論によってそのような価値判断から逃れることは本当に可能なのかということ。その意味で、社会学的な方法論に従って社会における様々な現象の客観的判断を出来うる限り試みて、ではいかにある「べき」なのか(規範哲学的な問い)を考察することが重要だろうと。社会学と規範哲学は相互補完的なものだと感じた。実際に多くの社会学者は分析したうえで各々の「べき論」を論じていることが多いと思う。だから社会学を学ぶにはまず自身の倫理的基礎をきちんと明らかにしておくことが重要ではないか。
    権力概念。人がいかにして社会に規定されるのか、という権力を考えるうえで、よく言われていることではあるがやはりヴェーバーは目に見える権力を重視している。現代思想の明らかにした権力概念を知っていれば、それが古い権力概念であることはわかるが、しかし法や政治を考察するにあたってヴェーバーがどれほど寄与したのかというのも明らかである。
    最後に。訳者さんがあとがきで書かれていますが、本書は未完成な論文であり、ヴェーバー流の辞書的な記述に留まっている箇所と具体的なことにまで踏み込んでいる箇所とが混在しています。だからちょっと読みにくかったりもするんですが、ポジティブに言えば今後の勉強のなかで辞書的に用いることも出来るのはそんなに悪いことじゃないかと。

  • 難しい。
    私は社会学に関する予備知識はまったくない。そのためか、この本に書かれている言葉に関し、通常思い浮かべる定義と本書の定義(社会学的定義)とが異なることに戸惑いもあるし、読み進めるにあたり、何度も戻り読みしなくてはならなかった。
    また、訳者の言葉の中に、「あまり重要と思われない括弧などを省略し・・・」とあるが、それでも、文としてかなり読みにくく、主語を見失うことも多くなかった(この本特有というよりは訳本に多いと感じるが.自身の読解力のレベルにも起因すると思われる.)。

  • 「ところが、社会学による行為の理解的解釈から見れば、右のような集団は、諸個人の営む特殊な行為の過程および関連にほかならない。なぜなら、私達にとっては、諸個人だけが意味のある方向を含む行為の理解可能な主体であるから」 ー 23ページ

    『プロ倫』を書いた人なので当然といえば当然なのかもしれないが、ウェーバーの着眼はあくまでも個人にあることを再確認した次第。よく比較されるデュルケームは個人というよりは環境とか社会組織のほうにより着目している印象があるけれども、どちらが正しいというよりも、理解するべき事柄によってどちらを強調するべきかは変わるのだろう。

    というかプロテスタントって個人主義的なイメージが強いし、実際慣習や思想体系にも個人主義色の強さがにじみ出ているってよく強調されているけれど、そういった認識の強化に『プロ倫』が貢献したところは少なからずあると思うのだけどどうなんだろう。プロテスタントは現在ではあまりにも分化しすぎていて一般的な特徴を挙げるということがとてもじゃないけど困難になってきている昨今、くしくもウェーバーの挙げた「理念型」という概念とともに、プロテスタントの一般的イメージも保存されているような気がしてならない。

    いやウェーバーほとんど真面目に読んでないしプロテスタントに関しても詳しくないのでマジで小並感なんですけどね!(言い訳)

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著者プロフィール

1864-1920。ドイツ、エルフルトに生れる。ハイデルベルク、ベルリン、ゲッティンゲンの各大学で法律学を専攻し、歴史、経済学、哲学に対する造詣をも深める。1892年ベルリン大学でローマ法、ドイツ法、商法の教授資格を得、同年同大学講師、93年同助教授、94年フライブルク大学経済学教授、97年ハイデルベルク大学経済学教授、1903年病気のため教職を去り、ハイデルベルク大学名誉教授となる。1904年Archiv für Sozialwissenschaft und Sozialpolitikの編集をヤッフェおよぴゾンバルトとともに引受ける。同年セント・ルイスの国際的学術会議に出席のため渡米。帰国後研究と著述に専念し上記Archivに論文を続々と発表。1918年ヴィーン大学教授、19年ミュンヘン大学教授、経済史を講義。20年ミュンヘンで歿。

「2019年 『宗教社会学論選 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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