通過儀礼 (岩波文庫)

制作 : 綾部 恒雄  綾部 裕子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 69
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003421918

作品紹介・あらすじ

ファン・ヘネップ(1873‐1957)は、儀礼を初めて体系的に論じた。誕生から死までの折々の儀礼、入会の儀礼などを、分離・過渡・統合の過程をたどる通過儀礼の視点で捉えた。特に過渡期という境界状況については、コミュニタス理論など後の人類学の理論的展開の基盤となった。儀礼研究の出発点となった人類学の古典。

感想・レビュー・書評

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  • ある立場から別の立場へと変わるとき分離、過渡、統合という三つの儀礼的な振る舞いが見られる(というか、その振る舞いで別の立場に変われる)という本で、本当に隅々までおもしろい。本書で観察されているマクロな視点だけでなく、身の回りのささいなもの、ミクロな視点にも当てはまりそうなところがすごい。

  • [ 内容 ]
    ファン・ヘネップ(1873‐1957)は、儀礼を初めて体系的に論じた。
    誕生から死までの折々の儀礼、入会の儀礼などを、分離・過渡・統合の過程をたどる通過儀礼の視点で捉えた。
    特に過渡期という境界状況については、コミュニタス理論など後の人類学の理論的展開の基盤となった。
    儀礼研究の出発点となった人類学の古典。

    [ 目次 ]
    第1章 儀礼の分類
    第2章 実質的通過
    第3章 個人と集団
    第4章 妊娠と出産
    第5章 出生と幼年期
    第6章 加入礼
    第7章 婚約と結婚
    第8章 葬式
    第9章 その他の通過儀礼
    第10章 結論

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 儀礼研究の必読書。様々な儀礼を一般化するときの基礎となる体系化された理論は今も汎用性を失っていない。特に印象的だったのは、繰り返し、生理的成熟と社会的成熟を切り離すよう訴えるところ。儀礼とはまず第一に社会的なものなのだ、ということ。生理的な変化のプロセスと社会的な変化のプロセスは互いに関係しながらも、それぞれ別のものであって、時には全く独立して儀礼を必要とする。

  • 「"民俗学"的ないし"人類学"的手順は、あるまとまりを持つ一連の儀式から、積極的儀礼も消極的儀礼も含めた個々の儀礼を取り出してバラバラに考察し、その結果、全体のメカニズムの中で考慮してはじめてわかる各儀礼の主な存在理由も、その論理的位置をも見失ってしまうものであるが、本書の主な目的は正にこうしたやり方に抗することにある。」(118-9)

    多種多様な儀礼にみられる特徴のひとつとして「通過儀礼」という形態を見てとり、膨大な諸儀礼の実例と向かい合いながら儀礼の一般理論を目指した著作。

    冒頭に掲げた文章でもわかるように、これまでの儀礼研究が儀礼全体の流れを無視し、その特定の一部分だけを取り出して解釈を行っていることを、ヘネップは徹底的に批判する。
    ある社会の中でいくつもの儀礼が連続性、連関性をもって併存している以上、そのひとつひとつの始まりと終わりはもちろんのこと、それらの複合体の始まりと終わり、過渡の段階までも見通さないとしたら、それは真に儀礼のもつ含意を汲み取ったことにはならない。
    ヘネップのこのような問題提起はのちに「分離」「過渡」「統合」の三段階理論として多くの後進に影響を与えていった。コミュニタス概念で著名なヴィクター・ターナーもそのひとりである。


    しかし、決して読みやすい本ではない。個々の事例が膨大に羅列されている部分も多く、通底する理論の骨格を読み取れるまでは、進めるのがやや苦痛だろう。
    人類学入門をかじったのち、再び戻ってはみたい一冊である。

  • 通過儀礼についての論文書くなら必須本なんだろうけど……難しすぎる。

  • 聞き慣れない言葉も多くて苦戦したが、面白かった。通過儀礼はあくまでも手段でしかなくて、越境する事で得る次の社会的位階の存在が行方不明になっている事が、伝統儀礼の消滅に繋がっていると僕は思うんだけれども。現代における社会的変化(e.g.大人になる事)の必要性をいくら説いても、向かうべき「大人」を誰も想像できていなければその手段も当然消えてゆくよね。都市部ほど伝統儀礼が消滅しているけど、その原因が都市化にあるとは思えない。つまり、越境する目的や理由を提示できれば、都市にだって“儀礼的なもの”は生まれると思う。通過儀礼を用意してくれないから、僕たち現代っ子は中二病を発病してしまうのですよ!(冗談です)

  • 古典的名著 儀礼を分離/過渡/統合と言う側面から体系化し、これらを総合して通過儀礼とする。単純にあるステップに達するために踏まねばならない儀礼と言う表面的な理解ではなく、『過渡』という境界的状況を浮かびあがらせたことに、儀礼研究の出発点がある。

  • 岩波文庫 080/I
    資料ID 2012200330

  • 1909年という人類学の曙の時期に、通過儀礼全般を適切に論じきってしまった古典的名著。
    成人、結婚、出産、葬儀などなど、あらゆる儀礼を「分離」と「統合」そしてその中間の「過渡期」に分類する。何から分離し、何に統合するのか? 共同体=社会は、人間の生の相を意味に応じて幾つかの領域に区分し、それらの境界をまたぐ時に過剰で強力な「意味の祭儀」をおこなうらしい。
    世界各地の広範な民俗事例を引きながら絶えず比較しており、知的興味をそそられる好著だった。

  • 読み直して、現代にまで通じる「古典」の力を改めて確認した。

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