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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784003422915
みんなの感想まとめ
昔話の本質を学問的に探求したこの作品は、単なる物語の集まりではなく、民話の形式や特徴を体系的に論じています。著者は、魔法や神秘的な力を持つ「彼岸者」と、特別な力を持たない「此岸者」という概念を用いて、...
感想・レビュー・書評
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個々の昔話をあつめて紹介する本ではなく、昔話(民話)というものを形式的(著者の語では「様式」)な面から体系的に論じた研究書。多分に抽象的な議論が多く、内容を咀嚼するのだけでも大変骨がおれるが、昔話を読んでいてふと疑問に思ったことなどが、学術的な裏づけをもって解説されているので、うなずいてしまうことも多い。体をぶった切られてもくっつけたら元に戻るとか、ちょっと笑ってしまった。
昔話の人物は、伝説とは異なり、個性や内面的深みをもたず、図形的で平面的。また時間の次元をもたないため、成長や老いが描かれない。それに対し、伝説では内面が語られるし、年もとる。抽象度が高い議論が多いが、こうした伝説や聖人伝と比較を行っているところなどは、大変興味深く読めた。
それなりに面白いとは思うけれど、基本的に民話研究者向けで、あまり一般的な本ではない。おそらく訳者の小澤俊夫さん(ちなみに小澤征爾の兄上)の本を読んだほうが理解が早いような気がする。昔読んだような記憶があるが、プロップも再読してみようかな。この著者の「様式」分析は、プロップ流の構造(形態)分析ともまた違うんだよね。ややこしい。
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NDC: 388.3
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期待していたほどの内容ではなくちょっとガッカリ。なんというか、知りたいのはそこじゃないんだよなあっていう、痒いところに手が届かない感じ。「昔話とは○○である」っていう表面的な事実だけ羅列して、ではなぜそうなったか?という分析まではされていないので物足りない。
たとえば、昔話の中で好まれる数字は「1、2、3、7、12」である、うんうんなるほど確かに三人兄弟定番だよね小人は7人だし納得・・・で???え???その事実を指摘するだけで終了?3とか7とかって数にヨーロッパでは何か特別な意味やルーツがあるのかっていう考察はしないの???みたいな。
後半まで読み進めていくと、本書は「昔話の文芸的解釈であり、その目的とするところはこのジャンルの本質的法則を見つけだすこと」だと書かれていたので、そもそも私の想像していたのとは違うジャンルの本だったようです。昔話っていうだけで勝手にヨーロッパ版・柳田國男風というか民俗学アプローチを期待しちゃった私が間違っていたのね。よく見たら帯の色も白だったわ。そこを了解していればそれなりに面白い本だったかも。
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