近代日本文学案内 (岩波文庫 別冊 19)

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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003500224

作品紹介・あらすじ

(一)時代の主流を形成してきた立身出世の欲望、(二)現実社会に飽きたらぬ、またそこからこぼれ落ちた人びとが紡いだ別世界の願望、(三)新たに登場した交通機関、通信手段と文学との関わり-三つの切り口による近代日本文学の森の旅案内。

感想・レビュー・書評

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  • 近代文学、それは文明開化のかおり。

    「立身出世」は日本近代文学のキーワード。そうやって、高校時代に現代文の先生に教わった。近代文学は、立身出世しようとする人たちと、その流れからこぼれ落ちた人たちの物語。そして、文明開化したことによって、消されようとした「科学」以外のモノと、お化けのように襲いかかる「科学」の物語。

    人力車、馬車、汽車、電車、軍艦、洋行(船旅)、自動車、飛行機という移動手段と文学の話がおもしろかった。

  • 戦後の本も若干冊触れられているが、基本的には明治期から戦前・戦中までが対象。柄谷行人とは違った切り口での分析で、これはこれで面白かった。ただ、取り上げた本の粗筋や引用が独り合点というか、読者が当然読んだものとして評論している部分があって、何が言いたいのか理解できない箇所がかなりある。一般読者を対象とするなら分かりやすい記述にすべきであろう。

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著者プロフィール

十川 信介(とがわ しんすけ)
1936年12月21日 - 2018年11月18日
北海道旭川市出身の研究者。専門は日本近代文学。学習院大学名誉教授。
著書に『夏目漱石』『島崎藤村』『近代日本文学案内』などがある。

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