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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784003500248
作品紹介・あらすじ
愛といってもさまざま。恋愛ばかりが愛ではない。小説家たちはそれぞれの視角から愛に光を当て、愛の諸相を垣間見させてくれる。愛を描くことは人生を描くことだ。カルヴィーノ、坂口安吾、プラトーノフ、岡本かの子、D・レッシング、三島由紀夫、R・ギャリ、吉田知子、ユルスナール等々、粒選りの逸品二十数篇を収録。
みんなの感想まとめ
愛の多様性を描いた短篇集で、古今東西の作家たちの視点からさまざまな愛の形が表現されています。収録された26篇は、著名な作家からあまり知られていない作家まで幅広く、読者は新たな発見を楽しむことができます...
感想・レビュー・書評
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26篇も入ってお得と言わざるを得ない、いろいろな愛が行き交う短篇集。古今東西の名前しか知らなかった作家、お久しぶりの作家の作品に出会える。なにしろ26篇なのでよかった作品を上げるのもあまり意味がないかもしれないが(読み返すたびに心に残る話が変わりそうだ)、ユルスナールは相変わらず残酷でたいそう美しかった。最後に吉田知子というのは、そりゃあ愛っちゃあ愛だけれど!と読み終わってもほっとした気持ちになれないのが可笑しかった。中村邦生の諧謔なのだろうか。
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編:中村邦生
魔法の庭(カルヴィーノ/和田忠彦)
いたずら(チェーホフ/松下裕)
燃ゆる頬(堀辰雄)
星(ドーデー/桜田佐)
雨のなかの噴水(三島由紀夫)
ささやかな愛(マンスフィールド/中村邦生)
きりぎりす(太宰治)
流れ星の光(チュウ・フアン/加藤栄)
大島が出来る話(菊池寛)
国賓(オコナー/阿部公彦)
バラの花の精(アンデルセン/大畑末吉)
土神ときつね(宮沢賢治)
マルテと時計(シュトルム/立原道造)
交尾(梶井基次郎)
恋をしに行く(坂口安吾)
春は馬車に乗って(横光利一)
十日の菊(ダウスン/南條竹則)
帰還(プラトーノフ/原卓也)
扉の彼方に(岡本かの子)
彼(レッシング/中村邦生)
女体(芥川龍之介)
とうもろこしの種まき(アンダーソン/中村邦生)
地球の住人たち(ギャリ/須藤哲生)
救援ニュースNo.18附録(小林多喜二)
源氏の君の最後の恋(ユルスナール/多田智満子)
箱の夫(吉田知子) -
『愛』、特に恋愛というものが少しでも分かればと思い手に取る。
苦手なテーマだと分かっていたが、ここまで読み進めるのが大変だとは思わなかった。
いろいろな方の作品が読めて、内容や書き方を楽しむ事はできたが、『恋愛の愛』を理解できないという事が理解できた。 -
文学
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「愛」をモチーフとした短編のアンソロジー。いわゆる恋愛恋愛したような作品はあまり無い。夫婦の愛、親子の愛、男女の愛、同性の愛、あらゆる愛の形が綴られている。文学作品に疎い自分は未読の作品ばかりで興味深かったけれど、心打たれるとまではいかず。
その中では、男子学生同士の少し妖しい友情⇔愛情を書いた堀辰雄の「燃ゆる頬」が艶かしく頭抜けて良かった。太宰治はさすがの安定感。「きりぎりす」を久しぶりに読んだけれどやっぱり面白い。女性の一人称視点が本当に上手い。
横光利一の私小説的短編「春は馬車に乗って」は初めて読んだけれど……何と言うかつらい。肺病で死にゆく妻と、看病の為に家に閉じこもる作家の夫の愛憎。つらい。暗い感情をしばらく引き摺ってしまった。菊池寛も初めて作品に触れたけれど、意外にも読みやすかった。淡々としている。小林多喜二のは……このアンソロジーに入れるべきだったのかちょっとよく分からない。削除された部分が多すぎて、未刊であるし……。
文学作品を続けて読んでいると、昭和中期以前は作品を書きやすい時代だったのではないかと思わずにはいられない。度重なる戦争、不治の病、貧困……。今でもそれは私達から遠くは無い場所に存在するけれども、自分達の事として小説にするには難しいだろう。
図書館より -
ユルスナールの「源氏の君の最期の恋」と横光利一の「春は馬車に乗って」と吉田知子の「箱の夫」が個人的に好き。
外国人が描いた源氏についての文章は多分初めて読んだ、かな?読んだ後に海外作家が書いたものだと気づいたくらい、不自然さはなかったから驚いた。花散里は果たして、最後に泣くだろうか私にはわからないけども。
横光利一はたまにいいもの書くからワケワカランと思いながら嫌いになりきれません…ずるい。でも好きです。
ある意味特殊過ぎた「箱の夫」も、「愛」というくくりだと入れやすい、というか特殊だからこそ特殊な形の「愛」として、この短編集の最期に入れられたんだろうなあ…。
久しぶりにいい作品の多かったアンソロジーでした! -
アンソロジー第二弾、テーマは愛。
私の最も苦手なテーマである(笑)
「クサイ」愛の物語にはどうも感情移入できない。
この年になって未だに恋愛感情を抱いたことがないこともあるんだろうが。
この考えが変わる日が訪れればよいが。
まあまあよかったのは堀辰雄『燃ゆる頬』。 -
学生の頃、「文学」というものが読めないのがコンプレックスでした。特に、教科書とかに載ってそうな「私小説」の日本現代文学というやつ。わたしは「文学」というのがよく判らない人間じゃないかと、本気で悩んだりしました。(可愛いな、わたし)
だって、おもしろくないんだもん。
作者のおじさんたちが、素晴しい文体で、でろでろと吐き出す弱音や愚痴や駄目な自分大好き的な雰囲気が、若かりし身には気色悪い以外の何者でもなかったんだよなーと、今は思いますけどね。
ひさしぶりに、そういう類の感慨を抱いてしまいました。
やっぱ、苦手だ。
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