芥川竜之介書簡集 (岩波文庫 緑70-12)

  • 岩波書店 (2009年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (450ページ) / ISBN・EAN: 9784003600160

感想・レビュー・書評

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  • 奥様へのラブレターが何と言ってもカワイイのである。様々な文豪たちへの書簡や生活を垣間見られる内容の連絡的な手紙も興味深い。

  •  一番の見所は山本喜誉司とのボーイズラブだろう。でも山本に恋人ができて、芥川の恋文は候文に変わる。とても切ないものだ。大人の階段、のぼったのだ。まあその切り替えの早さというのもすごいのだが。そして芥川が結婚するのは山本喜誉司の姉の娘、塚本文。ラブレターはあまりにも有名だ。
     英文をまじえた恥ずかしいラブレターを山本宛に送り、お前に恋してる、手紙は捨ててくれと書いているが、山本はばっちり残している。
     井川恭にはライバル的文章が目立つ。お互いを尊敬しているし、井川は小説で先に原稿料もらったりしているから、芥川の対抗心が文の硬さからよくわかる。(全文英語の井川宛の文も収録されている)
     P70に、ちょっと怖い文章がある。
     舞台を観た芥川の感想だ。

    【「茶をつくる家」をみたら猶いやになった。舞台のデザインは中々うまく行っていたが、作そのものは”完く駄目だ”。第一これでみると松居さんの頭も余程怪しいものじゃあないかと思う。筋は宇治の春日井と云う茶屋が零落してとうとう老主人が保険金をとる為に自分で放火する迄になる。そこで一旦東京の新橋で文学芸者と云われたその家の娘のお花が足を洗ってうちへかえって来ていたが、また身をうって二千円の金をこしらえ、音信不通になっていた兄から送ってくれたと云う事にして自分は東京へかえる。父や兄は娘の心をしらず義理しらずと云ってお花を罵るというのだ。第一どこに我々のすんでいる時代が見えるのだろう。保険金をとろうとして放火する位の事は気のきいた活動写真にでも仕くまれている。且家運の微禄を救うのに娘が身をうると云うのは壮士芝居所か古くはお軽勘平の昔からある。お軽が文学芸者に変ったからと云ってそれが何でSOCIAL DRAMAと云えよう。何で婦人問題に解決を与えたと云えよう(作者は解決を与えたと自称しているのだからおどろく)。】

      昭和二年始めに、芥川の姉の夫が放火の嫌疑をかけられ自殺し、自殺者の借金や、沢山の家族の扶養義務が芥川にのしかかる。なんとなくこの舞台とシチュエーションが似ているような……そうでもないか……。

  • 誰かの手紙を読むということは、本になってるとはいえドキドキする。

    心の痛ましさと優しさに涙が出そうになった。

    11月に芥川龍之介展に行った時、この中の数点、現物の書簡を観ることができた。
    友達に駄々をこねる手紙、可愛かった。

  • 芥川の人柄が伝わってくる。妻・文へのラブレターや、南部修太郎への挑戦ともとれる文章は非常に面白く読めた。また、どんな作家と交流があって、どんな距離感で話をしていたかも見えてくるのが面白い。ただし、芸術論など基本的知識がないと難しい部分が多く、手紙だからって気楽に読めるものではないかな。

  • 高校時代、芥川作品を全て読み、行き着いたのが書簡集。
    この文庫ではなく、全集の一冊に収められた書簡集を熟読した。
    芥川の小説にではなく、書簡によって、芥川の文体を学び、彼の思考方法を推し量った。
    学生時代、友人に宛てた手紙は、ほとんど大正時代の若者の文面になっていた(赤面)。

    好きになると、書くもの全てを知りたくなるのだ。
    その後、太宰治にハマり、<もうキリキリ舞>のような太宰口調となり、庄司薫を読んだ時は<もうちょっと相当のモーレツに驚いた>などと、薫ちゃん口調になった。
    色々な文体を学び、思考思考方法を学ぶことが、青春時代の読書の恥ずかしき実体だった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/18887

  • 芥川竜之介書簡集 (岩波文庫)
    (和書)2010年05月13日 16:14
    岩波書店 2009年10月16日


    丁寧に読んでいくとなかなか面白い書簡集でした。

  • あの「地獄変」や「羅生門」を書いた人とは思えない、婚約者文ちゃんとの手紙のやりとりが収録されています!芥川竜之介も1人の男なんだな、とちょっと可愛く思えてきます。

    熊本大学:もみじ

  • 文士としてよりも先に、人間として尊敬する。文ちゃんへの手紙があたたかくて好きだ。でも結婚してから送った手紙がちょいとふてぶてしいのもかわいらしい。

  • 『中三から一高へ』

    『「新思潮」と作家への胎動』

    『小説家〈芥川〉の誕生』

    『新進作家として』

    『職業作家として』

    『震災後の新時代を迎えて』

    『晩年』

  • 2009年12月23日購入

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著者プロフィール

1945年、京都市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程満期退学。早稲田実業学校、駒澤短期大学、駒澤大学を経て、現在駒澤大学名誉教授。その間に幾つかの大学で講師を務める。

「2022年 『大正文学断想 ─芥川龍之介を核として─』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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