- 岩波書店 (2018年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784003600320
感想・レビュー・書評
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5月13日:小説家・田山花袋忌日(1872-1930)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
周り、特にSNSなんかを見ると、自分よりもキラキラした生活をしている人が嫌という程目に入る現代人にも通ずる部分があるのかなと思わされた作品。主人公の身上は、後半は明らかに病に落ちぶれていくが、それまでの部分は多くの人に共感される内容だと思う。また、辛い時ほど空や自然が美しく見える気持ちに共感した。一言一句言葉選びが美しくて、これぞ純文学、と推せる。
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1909(明治42)年に単行本として刊。当時田山花袋は38歳。
本作にはモデルとなった実在の人物があったようだ。もっとも、完全に想像で書いたフィクショナルなエピソードもかなり混じっている。
文学への志はあったが貧しくて田舎の教師にでもなるしかなく、そうやって埋もれ、21歳の若さで肺病で没したのが主人公「清三」。
田山花袋は昔有名な『蒲団』くらいは読んだが、あとは大して読んではいない。
本作は日本の自然主義文学の代表作の一つという位置づけらしい。確かに「客観的」と言えそうな範囲内で事物・人間が描かれており、それだけに、現在読んでみると「明治のこの頃はこんなふうであったか」という興味を引きつけるものがある。後代から見て、世相の記録として史料的価値が出てくるのである。こうした史料的価値という点では、漱石よりもやはり自然主義の面々の作品ということになる。
文章は、もちろん現在の日本文化とは比べようもないほど語彙が豊富で味わいが深い。が、少し後の世代の徳田秋声と比べてしまうと、やはり秋声の方が良い、ということになってしまう。採点してしまうとそうなってしまうのだが、先達としての花袋の文学遺産は、顧みるべきところが多いと言うべきなのだろう。
主人公の青年は思慕する女性が親友と結ばれてしまうという経緯によってメランコリックなものとなり、その後の女性関係もまだまだ成果をもたらさない状態のまま病没となってしまう悲しさがある。が、この「早すぎる死」はモデルの青年の運命そのままなので、物語尊重の思いがくじかれるほど、現実はあっけなく無情なのだ。
小説としてなかなかに面白くいろいろな観点で興味を惹く明治期の作品なので、漱石や鴎外などとはまた別種の価値あるものとして、今後も読まれて欲しいものだと思う。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/713303 -
羽生の当時の生活やじ時代の空気感がよく分かってとても面白かった。
「運命に従うものを勇者という」 -
最後の数行が涙を誘います。
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