新編 中国名詩選 下 (岩波文庫 赤33-4)

  • 岩波書店 (2015年3月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784003700037

作品紹介・あらすじ

中国の詩の転換は、中唐に始まり、宋代に定着する。日常のなかに生の意味を見出す白居易、苦難を越えて生きる意志をうたう蘇軾。視線は雄大な風景から身近な自然へ、内面は情念の燃焼から理性の輝きへ。さらには、新時代の予感を新たな感性で捉える元・明・清の詩。長い歴史のなかでの成熟と展開を、選りすぐった名詩を通して読む。[全3冊完結]

みんなの感想まとめ

中国の詩の歴史を辿りながら、深い感情と複雑な思考が詰まった名詩を楽しむことができる一冊です。特に晩唐の詩は、党争や社会の混乱の中で生まれたため、詩人たちの感情がより豊かに表現されています。翻訳の質も高...

感想・レビュー・書評

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  • 新編 中国名詩選 下
    岩波文庫 赤33-4
    著:川合 康三
    出版社:岩波書店

    上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝
    中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで)
    下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清

    中唐

     後半を彩るのは、多作家である、白居易、白楽天から、元稹、李賀等

    晩唐

     内部の抗争で、唐王朝は力を失っていく
     韓愈、李商隠、杜牧ら

    北宋

     宋代は、国家が文化事業を後押しする、知の時代となる
     中国の詩は、古文を標準的な文体とすることで、詩史の転換期となる
     梅堯臣、欧陽脩、王安石、蘇軾、黄庭堅がその風を支えた

    南宋

     1126年北宋は、金によって滅ぼされ、その金を倒した元によって、南宋も1279年に滅んだ
     宋代は杜甫の見直しを含めて、詩の見直しが勧められる。
     愛国運動の一環であり、祖国を憂い金元への対抗という意味である。
     しかし、その中心をまとめることはできず、さまざまな詩の流派に分れていく
     文天祥、楊万里、陸游、范成大、元好問ら

    元・明・清

     元明清の時代は小説、戯曲といった俗文学への盛行が目立ち、詩文はすたれていく
     その中でも詩人として、名を残したのは、高啓、王士禛、袁枚等である

    有名な詩としては

     長恨歌 白居易
     夜雪 白居易
     琵琶行 白居易
     行宮 元稹
     将進酒 李賀
     赤壁 杜牧
     秦淮に泊す 杜牧
     清明 杜牧
     曲江 李商隠
     初夏即事 王安石
     望海楼の晩景五絶 蘇軾
     東坡八首 蘇軾
     雨中 岳陽楼に登り、君山を望む二首 黄庭堅
     春雨三首 陸游
     胡隠君を尋ぬ 高啓 等

    目次

    はしがき

    中唐2
    晩 唐
    北 宋
    南 宋
    元・明・清

    解説──中国の詩
    年表3
    地図4・5
    あとがき
    詩人・詩題索引

    ISBN:9784003700037
    出版社:岩波書店
    判型:文庫
    ページ数:512ページ
    定価:1300円(本体)
    2015年03月17日第1刷発行
    2023年07月14日第6刷発行

  • 『新編中国名詩選』が三冊あって唐宋時期に有名な詩をたくさん収めている。自分は晩唐時期の詩が一番好きなので、下編を選んだ。宮廷を描いている初唐の詩と社会の繁栄を謳歌する盛唐の詩より、晩唐の文人はおおむね党争や世情の混乱の中で不如意を強いられたから、書いた詩も複雑な気持ちがあって、感情がより深まると思う。

    詩そのものはともかく、日本語で詩の意味を翻訳するのは大変難しいということは言わなくても分かるだろう。しかし、本書で情緒さえもよく伝える翻訳が多くあることに気づいた。翻訳のおかけで、その詩に対してもっと深くて新しい理解を出てきた場合もある。

    とにかく、中国の古い文学に対して興味があれば、漢文より唐詩を勧めたい。特に本書は一読の価値がある。

  • 上中下あわせて読んでみたが、統一されたフォーマットで、古代からの近代までの数多くの名詩に触れる事が出来る点、漢詩に興味を持つ人向けの定番の書といったところ。そこから好みの詩人を見つけて、自分なりの漢詩の世界を広げていきたい。分厚いながら文庫サイズだから、旅行のお供にも良いかもしれない。

  • ふむ

  • 下巻はやっぱり白居易と蘇軾。

    旧版と較べて良いのは、やや字が大きくて読みやすいところかな。

  • 下巻の中では、李賀の「雁門太守行」が好きでした。

    最初に読んだときの強烈な印象が忘れられず、図書館でもう一度借り直して読みました。

    戦を終えた城の夜の風景を、鮮烈に描き出す筆致がすごい、というのが最初に読んだときの感想です。
    一行目の「黒い雲の圧力で城が砕けそうだ」という印象的な比喩から、一気に不穏な世界観に引き込まれてしまう。

    二回目に読むと、また違う魅力が見えてきました。
    例えば五行目の「半巻紅旗臨易水」(力なく半ば垂れた紅旗が易水(川の名前)に臨み……)という描写。
    最初の4行には、旗に関する記述は一切出てきません。
    なのに、五行目を読んだときには、描かれている旗のイメージがすでに頭の中にぼんやり見えている。
    その見えている旗のイメージを、五行目で「すぱーん!」と言い当てられているような感じ。

    ものすごく主観的で、読んだ全員がこんな感覚になるわけじゃないと思いますが・・・

    とにかく、いつも新しい読書体験をもたらしてくれる一作です。
    これが、たったの56文字で表現されているんだから本当にすごい。
    最近の言葉でいえば・・・コスパ良すぎです!笑

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2023年 『新釈漢文大系 詩人編7 杜甫 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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