たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)

制作 : 行方 昭夫 
  • 岩波書店
4.02
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本棚登録 : 229
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003720110

作品紹介・あらすじ

二〇世紀初頭のイギリスにガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの四人を代表とするエッセイ文学が一斉に開花した。イギリス流のユーモアと皮肉を最大の特色として、身近な話題や世間を賑わせている事件を取り上げ、人間性の面白さを論じてゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀のはじめ、イギリスで活躍したエッセイスト4人の選集。身近な話題から書き起こして人生の深遠さを感じさせたり、意外な話の先にホロリとさせたり、自在の筆さばきは今も古びることはない。折に触れて読み返し、私淑したくなる一冊だ。

  • たいへん面白い一作。これだからイギリス人は・・・好き(笑)!

    タイトルが秀逸である。そうそう、たいした問題じゃないんだけどね。ね。と言いたくなること請け合い。
    軽妙でありつつ抑揚の効いた語り口に、ちょっとした皮肉と小洒落たユーモア。冷静なのにちょっぴりお茶目、教養のある知識人なのにどこか抜けてる。いやはや。これ以上は望みませんことよ、わたくし(笑)。

    私は特に、ガードナーのエッセイが好きであった。
    日常的な話題をあくまでしっかりと見つめ、丁寧に述べつつも釘をさす。それでいてきちんと素直な心を忘れない。読み終わったあとには、ほんのりとした温かさが残る。
    近所にこういうおじ様がいたらいいのに!! 

  • ミルンの軽快さは予想通りで、ガードナーとリンドが拾いものでした。(特に好きなのは、「時間厳守は悪風だ」「冬に書かれた朝寝論」「癖」)
    人を貶めることも、差別することもなく、知識と機知で笑いに導くのは、相当な力量がないと出来ないことです。

    現在だとビル・ブライソンなんかもこの流れ。

  • イギリスが好きとかそういうことは分かりませんけど、少なくとも、あたしはやっぱしイギリスの作家が書く文章が好きです。ディケンズも、ウッドストックも、そしてこここに出てきたユーモア溢れる4人のコラムニストも。相当楽しい本です。ぜひ一読を!

  • しぶい
    最初の作家の短編が 一番心に残っている
    短編らしい メッセージの凝縮された文章

  •  自由はただ個人的なものというだけでなく、社会的な契約でもある。利害の調和である。他人の自由を侵さぬ限り、私には好き勝手にする自由がある。そうしたいと思えば、ストランド街を化粧着に長髪と素足で歩いたとしても、誰も文句を言わない。(ガードナー、p.19)

     習慣を持つというのは、有害なものでない限り、悪いことではない。それどころか、人間というものは、いくつかの習慣に上着とズボンを着せたような存在である。我々から習慣を取り去ってしまえば、残りは取るに足りぬものになる。習慣なくして人は生きて行けない。習慣は生き方を楽にしてくれる。(ガードナー、p.30)

     時間厳守を他者に要求するとき、我々は主として自分の幸福と安楽を求めるのであって、他者の幸福を求めるのではない。果たして時間厳守は悪風であろうか。(中略)私は他人が時間厳守であるのを好む。しかし、私自身について言えば、時間厳守しなかったので、今の自分の性格が形成されたのであった。(リンド、p.117)

     人類の歴史を振り返ってみれば、怠け心は暖かさでなく寒さから生じたものだと分か流。自らを文明化しようという活力を持った最初の民族は南方で暮らしていたのだ。北部の我々は、湯たんぽその他の暖房器具をいくら用いたところで、2000年以上前のエーゲ海の盟主となったギリシャの温かい小都市の功績には到底及び得ないのだ。(リンド、p.132)

     タバコを買うのは楽しみのためではなく、吸わない不快さを避けるためである。葉巻愛好者やワイン好きは、子供がキャンデーに囲まれて持つのと同じ喜びを感じていると言われている。しかし彼らも、子供の無差別の喜びは失っている。喜びの半分は、上等なワインや葉巻と下等な品との差が分かるということから生じるものである。他方、子供はえり好みなく食欲が喜びの源泉である世界に生きるという幸福な立場にいるのだ。子供は下等なキャンデーなどという話は聞いたことなどなく、あらゆるキャンデーを、全ての花火や星を愛するのと同じように、平等に情深く見るのだ。(リンド、p.168)

     そう、日記をつけている人は将来自伝を書くことを視野に入れておかなくてはならない。自伝で、すっかり忘れていたことについて、「覚えているが」とか「はっきり覚えているが、日曜に昼食で某氏と会い、彼にこう言ったのだ」と書けるためには日記がなければならない。
     何を言ったかはどうでもよい。優れた著者が老年においても素晴らしい記憶力を失わなかったと読者に思わせるのに役立てばよいのだ。(ミルン、p.183)

  • リンドなる人の文章を読むと爆笑の連続。図書館本。

  • イギリスらしい皮肉とユーモアに富んだコラム

  • 両大戦期の英国におけるエッセイやコラムの黄金時代の代表的な4人の書き手によるコラム傑作選。

    A.G.ガードナー1865-1946、E.V.ルーカス1868-1938、ロバート・リンド1879-1949、A.A.ミルン1882-1956。
    ユーモアとウィットに富んでいる、とかいうと月並みな感じになるが、上質なニヤニヤ笑いの素。
    新聞の一文字の誤植が大騒動になる、ルーカスの「N一字の差 上流社会での悲劇」は秀逸。

  • おもしろい!

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