たいした問題じゃないが: イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫 赤 N 201-1)
- 岩波書店 (2009年4月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003720110
作品紹介・あらすじ
二〇世紀初頭のイギリスにガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの四人を代表とするエッセイ文学が一斉に開花した。イギリス流のユーモアと皮肉を最大の特色として、身近な話題や世間を賑わせている事件を取り上げ、人間性の面白さを論じてゆく。
感想・レビュー・書評
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20世紀のはじめ、イギリスで活躍したエッセイスト4人の選集。身近な話題から書き起こして人生の深遠さを感じさせたり、意外な話の先にホロリとさせたり、自在の筆さばきは今も古びることはない。折に触れて読み返し、私淑したくなる一冊だ。
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たいへん面白い一作。これだからイギリス人は・・・好き(笑)!
タイトルが秀逸である。そうそう、たいした問題じゃないんだけどね。ね。と言いたくなること請け合い。
軽妙でありつつ抑揚の効いた語り口に、ちょっとした皮肉と小洒落たユーモア。冷静なのにちょっぴりお茶目、教養のある知識人なのにどこか抜けてる。いやはや。これ以上は望みませんことよ、わたくし(笑)。
私は特に、ガードナーのエッセイが好きであった。
日常的な話題をあくまでしっかりと見つめ、丁寧に述べつつも釘をさす。それでいてきちんと素直な心を忘れない。読み終わったあとには、ほんのりとした温かさが残る。
近所にこういうおじ様がいたらいいのに!! -
ミルンの軽快さは予想通りで、ガードナーとリンドが拾いものでした。(特に好きなのは、「時間厳守は悪風だ」「冬に書かれた朝寝論」「癖」)
人を貶めることも、差別することもなく、知識と機知で笑いに導くのは、相当な力量がないと出来ないことです。
現在だとビル・ブライソンなんかもこの流れ。 -
イギリスが好きとかそういうことは分かりませんけど、少なくとも、あたしはやっぱしイギリスの作家が書く文章が好きです。ディケンズも、ウッドストックも、そしてこここに出てきたユーモア溢れる4人のコラムニストも。相当楽しい本です。ぜひ一読を!
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大学受験英語の名参考書に載っているような文章の翻訳集とでも言えそう。自分は受験英語の勉強が好きだったのだけれども、もしかしてそれは、題材にされている文章を読むのが好きだったのかもしれない。
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下手な小説より、よほど面白い!
ウィットやジョーク、ユーモアを理解するのには、受け手もまた、ある種のインテリジェンスが必要だよなぁ。 -
二十世紀初頭に活躍した、ガ-ドナー、ルーカス、リンド、ミルンという四人のイギリスの名エッセイストの選集。ガ-ドナーの誰にでも起こり得る勘違いや、物忘れの話は心当たりがあり面白かったが、ルーカスの(インタビュー報告)の中にある、(三、職人芸)が特に良かった。その男と私(ル-カス)は店で飲み物を飲んでいた赤の他人同士だったが、男が急に話しかけて来た。やがて入って来た小男の職業当てを始めた。次に自分の仕事を当ててみろと言った。どうにも見当が付かず降参すると、男は自分は虫食い穴師だと言った。チュ-ダ-朝のものと保証される様な、古い家具に見せかけた物を作るのだと言う。主としてアメリカ向け。アメリカ人は掘り出し物と歓喜して喜んで高い金を払うのだと。
「良心の呵責はありませんか?」
「ありません。そう今はありませんな。〜
私は夜目覚めてーよく寝られないたちなのです。
アメリカの収集家が私の作った宝物で大喜びしているのを考えるようにしています。」
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20世紀初頭に書かれたエッセイ集。思わず噴き出してしまうこともしばしば。
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20世紀初頭英国の名エッセイスト4人(ガードナー、ルーカス、リンド、ミルン)の傑作選集。
笑った。ユーモアと皮肉(と優しさ)で切り取った日常の一コマ一コマ、全然古臭くない。ミルンの章では「くまのプーさん」書いたのがこんなピリっとした人だったとは!って一面が見られます。 -
20世紀初頭のイギリスのエッセイ集。
現代にも通じる身近な話題を取り上げて、ユーモラスに語っている。
ひまなときに、ゆるゆると読むのがいいのでしょうが、あくせくして読んだのでピンときませんでした。