荒涼館 4 (岩波文庫 赤N240-4)

  • 岩波書店 (2017年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784003724040

みんなの感想まとめ

多様な登場人物が織り成す複雑な人間模様と、彼らの行動の真意が徐々に明らかになるストーリーが魅力の作品です。特に「ジャーンダイス対ジャーンダイス訴訟」を通じて描かれる無益な争いの様相は、現代の経済や紛争...

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹の短篇集『東京奇譚集』の中の『偶然の旅人』の中に、この作品が印象的に登場する。ディケンズは『二都物語』しか読んだことがなく、何となく心に引っ掛かっていたので手に取った。(第一巻感想冒頭再録)

    文庫本分厚目で四冊。途中違う本も読んだので、2ヶ月掛けて読んだ。

    いろんな人が出てきて、行動の真意が後で分かったりするので、評価も途中で変わったが、読み終わってからいいひと順に並べるとこんな感じか

    男性: アラン・ウッドコート、ジョン・ジャーンダイス、ジョージ・ラウンスウェル、マシュー・バグネット、ロレンス・ボイソーン、プリンス・ダーヴィドロップ、コウヴィンシズ、だいぶ空いて タルキングホーン、ハロルド・スキンポール、スモールウィード、ウィリアム・ガッピー、リチャード・カーストン(どんなに男前でも、誰にも幸せを与えられない拗れたやつ)

    女性: エスター・サマソン、チャーリー(コウヴィンシズの娘)、オノリア・デッドロック、エイダ・クレア、キャディー、ジェニー(煉瓦職人の妻)、ジェリビー夫人(アフリカ慈善家)、レイチェル夫人(チャドバンド夫人)、バーバリー、スナグズビー夫人、オルタンス

    物語の最初から最後まで登場する「ジャーンダイス対ジャーンダイス訴訟」は、結局訴訟対象の資産全額が訴訟費用として食い潰されて、訴えの利益が消滅したが故に結審する。ゲームの設計が悪いと(弁護士以外)誰も得をしない、という意味で大変興味深かった。行動経済学の「20ドル札オークション実験」を思い出した。紛争解決手段としては、和解が一番高等だ、ということだろう。

    ジョン・ジャーンダイスが最後にエスターとの婚約を破棄する場面での、「荒涼館の女主人になって欲しい」という自分のプロポーズの際の約束を守る形で、ウッドコートに花嫁と新居(第二の荒涼館)をプレゼントし自分は身を引く、という振る舞いはとてもスマートだった。

  • 登場人物1人づつのエピソードが濃厚で読み応えがあります。人物の数が多く話も複雑なので一気読みをお勧めします。

  • エスターと長らく一緒にいたので、終わってしまうのがなんだかさみしい。荒涼館、時々戻ってきたい物語です。

  • 常に階級を意識させる物語 ストーリーは面白いし推理もある 人物は饒舌で回りくどい、が著者の皮肉も楽しめる 当時の寄る辺を失った子どもの過酷な境遇に慄然とする ヒロイン、エスターの出来すぎの人柄に戸惑う
    シャーロット ブロンテがエスターの語りが戯画的と評したのも頷ける。実際的な人物によって謎は解決され収まるところに収まる、100年以上前の小説。

  • 岩波文庫版の『荒涼館』全4巻が完結。
    ちくま文庫版でも読んだので再読になるが、何となく岩波文庫版の方が読みやすかったような……?
    波瀾万丈だが最後はハッピーエンドという王道のストーリーだが、矢張り当時の人気作家だけあって盛り上げ方が上手い。岩波文庫版には連載時の切れ目が『*』で知るされているのだが、良い感じのところで毎回『続く』になっている。この辺りは今も昔も変わらないのだなぁ……。

  • 1巻での苦戦が嘘のように3巻から後半は一気に読めてしまう。裁判に振り回される人々に過去の過ちと名誉に群がる人々、殺人事件と面白い。デットロック夫妻には幸せになって欲しかった。前に読んでいるとは言えエスターがレディー・デットロックを見つける場面はちょっと辛い。エスターやウッドコート、ジャーンダイス、ジョージなどそれぞれに幸せや居場所を見つけられて良い終わりだったと思ったけど唯一不満はスキンポールが分かりやすく不幸にならなかった事。ウッドコートかジョージ辺りに殴り倒されしまえば良かったのに。

  • ふむ

  • ディケンズらしい動きのある表現が心地よく感じられ、この巻は一気に読めた。

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著者プロフィール

1941年 大阪に生まれる。1964年 関西学院大学経済学部卒業。1970年 関西大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程修了。現在 追手門学院大学文学部教授。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「1986年 『西谷啓治 その思索への道標』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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