モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)

著者 : モーム
制作 : 行方 昭夫  行方 昭夫 
  • 岩波書店 (2008年9月17日発売)
4.00
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  • レビュー :30
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003725023

作品紹介

長篇小説『人間の絆』『月と六ペンス』の作家サマセット・モーム(一八七四‐一九六五)は、絶妙な語り口と鋭い人間描写で読者を魅了する優れた短篇小説も数多く残している。希代のストーリーテラー・モームの魅力を存分に楽しめる作品を厳選して収録。

モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ただいまモームがマイブームです。こちらは短篇集。まずは上巻から。

    「エドワード・バーナードの転落」は、ちょうど読んだばかりの『月と六ペンス』と共通のテーマで、あれがぎゅっと凝縮されたような印象。何が本当の幸福かはそれぞれの主観にすぎず、語り手が「転落」と捉えたエドワードの変節は本人にとっては「自由」であり「本来の自分の居場所」だったという皮肉。

    「手紙」はサスペンス仕立てで、女性の怖さがじわじわと。「九月姫」はタイトルどおり童話のようなお話でとても可愛らしかった。全体的に短編だと、長編よりもシニカルな面が強く出ているように思いました。

    ※収録作品
    「エドワード・バーナードの転落」「手紙」「環境の力」「九月姫」「ジェーン」「十二人目の妻」

  • 下巻がたいへんおもしろかったのですぐに上巻を読み始めたが、こちらも一気に読めてしまった。
    本を閉じるのが惜しくなり、食事もうわの空で読み続けたのは久々の体験。
    ストーリーの巧みさに惹き込まれたのはもちろんだが、登場人物に自分が重なることがしばしばあって参ってしまう。その人物の卑俗さ、小心さ、狡さなどに共鳴してしまって落ち着かなくなる。
    小説を読んで、これほど自分を見透かされるような心地になるのははじめてだった。
    「エドワード・バーナードの転落」は下巻の「ロータス・イーター」と同様のテーマだが、「エドワード……」のほうが"普通の路線"をはずれた理由に得心がいく。先に「転落」したジャクソンや転落先の地が魅力的に描かれているからだ。「月と六ペンス」は同じテーマを扱っているそうなので、これからぜひ読みたい。
    「手紙」、あざやかなストーリー展開。表情や現場の描写などもすばらしくまるで映画を見ているかのようだ。
    他の4編もどれもおもしろく何度でも読んでしまう。
    こんなに楽しめるのは、やはり訳の見事さに因るところが大きい。

  • 下巻が面白かったので逆走。

    幸せか否かは、本人が決めること。
    環境や交わる人々によって、人間はガラッと変わるもの。
    しみじみとそんなことを思った。

  • エドワード・バーナードの転落。皮肉が効いてて笑えるオチだった。純愛が実ったはずが抱きあってる間二人揃って自分のことしか考えておらず、そんなところがお似合いでもあるという。結局ベイトマンも相手を愛していたわけではなく、自己犠牲に浸る自分に陶酔していただけのようでこれまでの犬のような献身さが腑に落ちた。
    エドワードの方もカルトにハマった世捨て人のようで、元詐欺師からプレゼントされる予定であるという約束のココナツの小島とやらもどこまで本当か疑わしい。
    主観ではこのように捉えたが、本人達にとっては幸せで、幸福のありようはひとつではなく人に寄って変わるのだということがわかる。

  • 「月と六ペンス」で有名なモームの短編集.実は「月と六ペンス」にいたく感動したので,勢いで本書を買ってしまったのだが,いずれの短編も極めて良く(「選」なので当たり前かも),はやく下巻も読みたいところである.
    どの話も人間に対する鋭い観察,洞察が紡ぎ出す,起承転結のしっかりした,精緻な構造で,安心して読めるといった感じである.個人的なお気に入りは「エドワード・バーナードの転落」と「ジェーン」かな.

  • 行方昭夫さんの訳が美しい。
    まるで美しい音楽を聴きながら、世界を旅しているよう。
    登場人物の生き方がそれぞれ示唆的で考えさせられる。
    モームは長編も良いが、短編の方がすっきりと書かれていて面白いと思った。

  • 南島ものなど。

  • 全て面白い。読みやすくてオチがしっかりあるのがいい。

  • 2014 4/21読了。Amazonで購入。
    個人的モームブームの一貫で買って読んだ本。



    けっこうパターンになっているようなというか、階級とか既存のものの見方に固執する人間と、そこから開放された人間みたいな絵図なのかな・・・と思いきや「環境の~」みたいな話もあって「うお?」ってなったり。
    しかし「安心して読める」感が出てきている・・・それはそれでつまらない気もするが。
    解説編にあるとおり、しっかりした物語としての構造というかオチがある話が多くて、それは読みやすいしわかりやすくていいんだけど。

  • 6つの短篇のいずれも、ほとんど同年代と談話しているような身近さの中に、はっとするような真実味が突き抜けます。話順の妙もあって世界を受け入れ易く、編纂者の愛と機転を感じます。

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