大いなる遺産(上) (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003725078

作品紹介・あらすじ

両親と死別して孤児になったピップは、姉とその夫ジョーと暮らしていた。ジョーのもとで鍛冶屋の修業を始めたピップに、匿名の人物から巨額の遺産が贈られるという知らせが届き、紳士修業のためにロンドンに旅立つ。晩年の代表作。アメリカ版の挿絵を収録。

感想・レビュー・書評

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  • ピップが善良過ぎないのがリアルでよい。
    臆病だけれど、自分の心に正直な子供だ。
    ジェントルマンに憧れ、自分の境遇を恥ずかしく思う気持ちが芽生える。
    自由に使える金が手に入ると、見栄に心が染まってしまう。
    エステラへの恋慕は募るが、重要な友人たちは思いを断ち切った方がいい旨の助言をする。
    心に弱いところがある主人公だ。
    金を持っていることがジェントルマンなのではない。
    私の目には、ジョーは素晴らしいジェントルマンに見える。
    下巻では、ピップがそのことに気づくことを期待して、読み進めて行こうと思う。
    そして、遺産相続人はハヴィシャムさんではないだろうな。

    第一部 全19章
    第二部 1~12章まで (P336~)

  • ピップの境遇はかわいそうだが、ジョーという素敵な義兄がいたことは良かった。ダラダラしてる話なのだが、なんとなく救われるキャラクターがいて楽しく読める。墓場で助けた囚人とジョーの短い会話「俺が食べ物を盗んだことで誰かが責められてなきゃ良いが」「あんたがそれで餓えずに済んだなら良いさ」ジョーは軽い知的障害?のような記述があるが、人を気遣えないで傷つけるほうのでなく、優しくていつも安らぎを与えてくれる存在。鍛冶屋の親方として頼りになるし、おっかない姉も料理を頑張ったり、知り合いを家に呼んだり、あまり感謝されてないがなかなかの良妻(死語か)金持ちの家をジョンとピップが訪ねることになると姉が暴れて、どうやらひがんでいるらしいのが何となく幸せなのかなって思う。
    イギリスの湿地帯の村の不潔で貧しかった雰囲気。

  • 2018年10月14日に紹介されました!

  • 初読

    クリスマスキャロル以外読んだ事ないんだよね…
    なんだろう、翻訳との相性なのか…
    書かれてる状況がパッと理解出来ず、結構苦痛だけど頑張って読んでるw

    感謝しろと事ある毎に言われても感謝なんか出来ないよねー
    と思いながらも、でもそれを求めてしまう気持ちも痛い程わかる。
    ジョーの善良さに胸を打たれ、こう生きたいものよのうと思いながら
    その彼を恥じてしまう、そんな自分を恥じながら、
    やはりすぐにそうなってしまうピップ君にも自分を重ね合わせてしまう。
    が……話は面白いのに、ひたすら文体に馴染めなく、
    下巻、早く読み終えたい気持ちでいっぱいですw

  • ジョーとピップの距離感の変化で当時の階級感覚をうまく描いていると思う。ジョーの素朴で純粋な生活の知恵に感動。人間には欠点がつきもの、多少の欠点には目をつぶってやらなくては。そうやって、みんな許し許され生きている。
    ピップが何の疑問もなくすんなりと状況を受け入れるのが腑に落ちない。そんなうまい話があるか?って、普通は疑うと思うのだが。転がり込んで来た幸運をただ喜んで受け入れるだけ?「オリヴァー・ツウィスト」のモヤモヤ感再び。
    冒頭のシーン、るろ剣の志々雄と宗次郎の出会いにそっくりで…。ピップ君弱肉強食の道に進まなくてよかったねって感じ。

  • やっと読み終わった。長い。冗長ですが、下も読みます。どういうラストになるか楽しみです。

  • …うーん、…なんだろう?
    …えーと、…どうしてだろう?

    …全然面白くないぞ、このお話!

    「ディビッド・コパフィールド」を
    本の中から引っ張られるような勢いでのめり込んで
    読んだから、期待していたのじゃがのう。

    主人公のピップ君が鼻もちならないのがまず、ね。

    育ての親のお姉さんがひたすら怖くてさ、
    やっぱり一番身近な人には優しくいて欲しいのよね…。

    不思議なほど共感できないことが巻き起こるので、
    下巻に入る前にちょっと休憩して
    他の本を読みます!

    やはりディケンズ読むなら「荒涼館」だってね。

    これは「月長石」だったか、ジーヴス・シリーズだったか、
    その他の本だったか、
    ともかく執事の中の執事みたいな人が教えてくれたんだった!

    なので次は「荒涼館」だ!

  • 下巻をまだ読んでないんですが読み進めるごとにピップと我が身を比べ悪癖ばかりが比肩してついつい一気に読んでしまった。
    下巻を早く読んで先を知りたい。
    どんなジェントルマンになってどんな人生を送るのか。
    生生しくて時代の差なんてあっさり吹き飛ばされてしまった。

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著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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