- 岩波書店 (2011年8月18日発売)
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感想 : 13件
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Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784003725139
みんなの感想まとめ
人間関係の複雑さと心理描写が見事に織り交ぜられた物語は、親子の葛藤を中心に展開します。裕福な医師スローパー博士と彼の控えめな娘キャサリンの関係は、結婚を巡る問題を通じて浮き彫りになり、登場人物たちの言...
感想・レビュー・書評
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読み進めるほど著者の精緻な心理描写がさえわたり、人の愚かさや醜さなどが浮き彫りになっていく様は、読み応えがあります。登場人物は少なく、場所もほぼワシントン・スクエアのスローパー博士の邸宅での話し。文章も会話文が多くテンポ良く進み、時折挟まれるユーモアと相まってとても読みやすかったです。ただ、『アスパンの恋文』同様に絶版なのが残念です。
なお、本作は、『女相続人』の名で映画化されています。
あらすじ:
ニューヨークの町に、裕福な開業医であるオースティン・スローパー博士が住んでいました。彼には、キャサリンという優しくも地味で不器用な娘がいましたが、亡き母の美しい容貌を受け継ぐことなく、また社交性にも欠けた控えめな態度を見るにつけ、博士はとても失望していました。それは、キャサリンが幼い頃に亡くなった母親の代わりに、博士の妹のラヴィニア・ペニマン夫人が世話をしてきましたが、博士の賢い娘に育てて欲しいという希望に、決して応えたとはいえないことも一因でした。
そんな中、博士の下の妹であるエリザベス・アーモンド夫人の娘マリアンの婚約パーティーに招かれ、そこにいた若くてハンサムなモリス・タウンゼンドにキャサリンが求婚されます。彼は海外渡航歴も豊富で弁舌もたち、洗練された容貌の魅力的な男性ですが、定職についておらず財産もありません。
スローパー博士は彼と会話するうちに、さてはキャサリンの持参金や自分の遺産目当てで近づいてきたのではと動機を疑い、娘に結婚をやめるよう説得し、モリスにも冷淡に接します。しかし、キャサリンはモリスを深く愛し、父の反対もよそに結婚を望みますが……。
と、話し的には、娘の結婚に気を揉む性悪な金満おやじと、実直すぎてちょっとめんどうな娘という親子関係に、それを取り巻く人たちの言動や態度などが、実に見事に絡み合った心理描写と相まって、どんどん先を知りたくなるストーリー展開。ただ、読み終えたあとでは、娘のことを思うと複雑ですね。金満おやじに振り回された娘が不憫でならないですが、どっちも頑固だなと。なんだか、物寂しい余韻が残る作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2日で読み通せた。それくらい読みやすい。筋も分かりやすい。結末はやや意外かな。
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はて?ヘンリー・ジェイムズってこんなに読みやすくてユーモアのある作家だったっけ。それとも初期の作品だからということなのか。いずれにしても他の作品を読む必要がありそうだ。
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さて、ヘンリー・ジェイムズと言えば、
ふと手に取った新潮文庫版の「ねじの回転」で
読後最大級のポカーンとなったのが出会い。
違和感と、置いてきぼりになったような、
でも、なぜかとても気になっているまま、
気持ちを引きずっていて、
その後、岩波の行方先生訳を読んで、
堤防が決壊したかの如く、
ドーッと何かがこちらに向かって
流れ込んできたようになって、
……それから、大好きな作家となりました。
(台本だったら途中のページが抜けている)
「アスパンの恋文」も、面白かったな~。
あの、静かに、エレガントに、
それでも実はお互い
「なんとか相手を出し抜こうとしている」のが、ね。
さて、こちらの作品、
心は清らかで優しいけれど、
見た目は平凡、とても内気な若い女性に
見目麗しい求婚者が現れる。
街の名士でもある父親は
男の目的が「財産目当て」と考え、反対するが…
この、同居する叔母さん(父親の妹)が、
愚かでとにかく厄介!
「心配している、役に立ちたい」と言う名目で近づいてきて、
結局「自分がしたいことをしている」だけ、と言う人。
わたしも心の中でずっとある人のことが思い浮かんでしょうがなかった!
また、本当にその人の事を思っていても、
言い方って大事なんだな…と。
ラストシーンでは、とにかくハラハラハラハラして、
「お願い!頑張ってくれ~!」と
ものすごく感情移入して、少々疲労したくらいです。
幼いころは、一般的な評価を知らないから…と言うような
描写の部分、
これによって、意外な思い出が甦ってきて
なんだか面白かったというおまけつき。 -
未婚女性にはけっこう身につまされるものがある。
キャサリンは平安だけど幸せかと考えたら悩んでしまう。
喪失の中で生きる最善策を選べているけど。決して不幸ではないけれど。 -
財産しか取り柄のない女の子が、財産めあてらしきイケメンに言い寄られ、結婚を決意するものの、お父さんに猛反対されてどうするどうなる?という話。皮肉で殺伐としたストーリーのようでもあり、その一方で、人間のゆたかさや奥深さも伝わってくる感じがして・・面白いです!
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大人しくて善良だが平凡な娘キャサリンに、求婚者が現れる話
降って湧いたような素晴らしい求婚者。だが父親も皮肉がひどすぎるし叔母さんはでしゃばりだし、目に見える味方がいない。できるだけ公正に振る舞おうとしているキャサリンがけなげ。こういう大人しくて一途な人間がひとたび何かを決心したら、それに勝てる人は居ないんだなぁ。婚約者モリスは結局最初から最後まで財産目当てだったのか、少しは純粋な愛情があったのか、今ひとつわからなかった。
その後のキャサリンを慕って、彼女の元に年若い人々が集まるようになる、というのも皮肉なもの。味のある人に、人はすぐには気付かないし、気付いたころにキャサリンはもう自分の人生を決めている。 -
わっ、ヘンリー・ジェイムズだ。
映画にもなった『ある婦人の肖像』は、ひとりのイザベルという女性のいわく名伏し難い人生を表した作品でしたが、これもまた平凡な女性キャサリンに起こるさまざまな出来事を、人のこころの奥底まで見通した巧みな表現でドキドキはらはら見事に描いた秀作です。
悲劇のヒロインを自分に感じて読むのも面白いかもしれません。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、開架図書(1階) 請求記号:933//J18
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ヘンリー・ジェイムズの作品
