失われた時を求めて(2)――スワン家のほうへII (岩波文庫)

著者 : プルースト
制作 : 吉川 一義 
  • 岩波書店 (2011年5月18日発売)
4.41
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  • 本棚登録 :175
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003751114

失われた時を求めて(2)――スワン家のほうへII (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いやあ、おもしろかった!スワンー!
    そんなの愛じゃないのに愛だと信じてぐだくだになっていくスワンの痛々しさ、もう何を信じているのかも分からなくなって混乱して人生の時間が無駄になっていく焦り、
    社交界の独特のいやったらしさ、品や教養のない人たちや偽善
    今でもなおリアルですごい。

    ただ、あんなにぐだぐだになったのに結局オデットと結婚していたことが衝撃的で、なんだよ人騒がせな!って思いました。

  • 収録されている当時のパリの地図を見ながら読むのが楽しかった。華やかなパリの社交界を舞台にしたスワンの恋は、激しくて濃密。妄想、思いこみ、嫉妬の嵐。一歩間違えればストーカーだなと思ったけど、恋なんてみんなそんなものかもしれない。オデットの魔性の女っぷりはすごいな。後半部は語り手“私”の淡い初恋。土地の名前に関する夢想は共感をおぼえた。言葉の響きと少ない知識から夢がひろがる。パリに行きたい。

  • 中盤にさしかかるまでスワンという人物を好きになることができないでいたけれど、少しずつ慣れてくるに従って、恋をめぐる心や体のさまざまな動きを楽しく読めるようになってきた。

  • また気がついたら読み終わりそう。自然と、この世界の中の住人になったような感覚に陥る不思議な作品。ハマる。

  • 前巻に続いて、とても読みやすい訳文でよかったです。
    この巻では、スワンの恋と物語の語り手である"私"の恋の2つが描かれました。スワンの恋は、恋する喜びと狂気がとてもよく描写されていました。それと平行して語られる、サロンでの人間模様もちょっとした喜劇のようで楽しめました。
    "私"の恋は、スワンと比べるとかわいらしい感じでした。でも、恋の本質的なところでは、2つの恋に違いはありませんね。

  • プルーストの観察眼の鋭さ、社会批判の鋭さにまたしてもヤられる。brilliant.

  • 岩波文庫:赤 080/I
    資料ID 2011200106

  • 岩波文庫の「失われた時を求めて」の2冊目、「スワン家のほうへⅡ」が書店の棚に並べられてすぐ、この本のページを開きました。

    「スワン家のほうへⅡ」は、第一編「スワン家の方へ」の第二部「スワンの恋」、第三部「土地の名-名」になります。

    第二部「スワンの恋」は、映画化されたりしているので、この部分だけが独立した作品として扱われることもありりますが、それは、この膨大な作品のなかにあってプルーストの描く恋愛が極めて印象的だからでしょう。

    この恋愛が描かれた時期は、語り手がまだ生まれる前、または生まれてすぐの時期で、スワンと粋筋の女(ココット)オデットとの恋の行方を、その中心にヴァントィユの小楽節を織り込みながら描かれています。

    このヴァントィユの小楽節は、作品のなかにあってスワンのオデットへの想いに対応するかたちで、実に感動的に展開されていきます。ある夜会でスワンがはじめてこの小楽節を耳にする場面、サン=トゥーヴェルト侯爵夫人邸での失望したスワンに偶然もたされた場面は、文学史上最も音楽が言葉を超えて感動的に描かれた場面と言えるでしょう。

    また、オデットは、ボッティチェリの「モーゼの試練」のエテロの娘チッポラと似ていることからスワンに愛されることになるのですが、このチッポラを引き合いに出したところはプルーストならではの美学的センスが覗われ、オデットの魅力を読者に届けてくれるところです。

    第三部「土地の名-名」は、場面が、語り手である私へ戻って、パリでのスワンの娘、ジルベルトとの交友が描かれることとなります。この交友が描かれるなかで、太陽の光を受けバルコニーに現れるキヅタが、語り手の気持ちを反映したような描写でとても印象的に心に残るところです。

    細かな場面を中心にレビューしましたが、「スワン家のほうへⅡ」は、かなり印象的な場面がところどころ配されていて、「失われた時を求めて」のなかに深く入り込んでいくこととなると思います。

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