プレヴェール詩集 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003751718

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  • スタンドバイミー、グリーンマイルを世に送った小説家スティーヴン・キングは自身の著作でこう語った。「文章とは言葉を使ったテレパシーである(要約)」と。
    この言葉を真に受けるなら、このテレパスをプレヴェールほど上手く使いこなす人を私は見たことがない。
    極限まで削ぎ取られた短い言葉に、ときに身も凍るような冬風の冷たさが、ときに直の太陽を浴びるよりも燦々とした輝きが、そしてときに冷たさにたまらず熾したマッチひとつ分の仄かな温かさが、読み上げた端から頭の中に情景として広がっていくさまは見事としか言いようがない。
    プレヴェールの言葉選びとそれをどう組み合わせれば自分が見た・想像した物と同じ物が相手の内にできるかという計算もさることながら、訳者もまたそのプレヴェールの意を汲み、さまざまな言の葉の中から洋服を組み合わせるかのようにぴったりな言葉同士を多種多様な日本語の内から選び出して、国や言葉を越えた感動をこうして私たちの前に提供していただけたことにひたすら平伏する他なく、陰ながらも決して無視できない職人技だ。

  • 20世紀に活躍したフランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩集。
    シャンソン『枯葉』の作詞者であり、映画『天井桟敷の人々』の脚本家としても有名だけど、詩としては
    「三本のマッチ 一本ずつ擦る 夜のなかで」と始まる短い恋愛詩(『夜のパリ』)や、
    「天にましますわれらの父よ/天にとどまりたまえ/われらは地上にのこります/地上はときどきうつくしい」という語で始まる詩(『われらの父よ』)などをよく目にする。
    肩肘張らずに読める、軽妙洒脱で、機智とユーモアに溢れた詩集。巻末に付された谷川俊太郎の解説文も、洒落ていて面白い。

  • フランス語のペーパーバックを先に読んだのだけれど、日本語で読むとまた味わい深い。そういう意味では日本語ってすごいとも思う。谷川俊太郎さんの解説もいい。

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