- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003770016
作品紹介・あらすじ
絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせる。十数年後、男は復讐をもくろむが…。愛の悲喜劇を軸にして四人の男女の独白が重層的に綾をなす、クンデラ文学の頂点。作家自らが全面的に手直ししたフランス語決定版からの新訳。一九六七年刊。
感想・レビュー・書評
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自分が心血を注いできたことが誤りだった、または駄目になったのだということに直面していく登場人物たちの失望。また、自分を保つために他者を利用することの醜さ、利用されることの悲惨。とてもつらい。
最終章で主人公はひとつの解を提示するけれど、ああいう風に世界をとらえられるほど達観できない。かといって、個人でどうにかするための道も思いつかない。途方に暮れた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
抒情的な青春時代。
小さな1つの冗談によって大学から追放されてしまったルドヴィグは、復讐のために生きていく。
全ての冗談が真面目に受け取られる世界、共産主義体制下のチェコで、クンデラと主人公の青春時代が重ねられる。
青春はクンデラにとって
自分のことしか見えなくて、それでもそれが愛だと思う、初々しく未熟な時期らしい。
青春と愛、憎しみと赦し、復讐。
復讐の虚しさ、盲目的な人生の空虚さ
クンデラ作品でも結構好きだな -
ミラン・クンデラ。学生時代、存在の耐えられない軽さが映画化されましたが、初の長編小説がこのようなものだったとは。知らなかった。登場人物の独白が、緊密に綾をなし、第7部のクライマックスに向けて螺旋状で、かつ拡散するこの世界及び人間実存の描写が最高です。感動しました。
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若き主人公の情熱、裏切り、挫折、哀愁そしてゆるし……あらゆる描写が素晴らしいですね。私もこの本はほんとに感激しました。また再読してみたくなり...若き主人公の情熱、裏切り、挫折、哀愁そしてゆるし……あらゆる描写が素晴らしいですね。私もこの本はほんとに感激しました。また再読してみたくなりました~♪2017/04/13
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クンデラさんはこれで二冊目だけど、言いたいことは『存在の耐えられない軽さ』と同じ、かも、し、れな、い。個人的に、コストカさんの叫びで泣きました。また『存在の~』と同じく、直線としての時間を肌で感じる作品。そして円環としての幸せも。
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著者が37歳のときに書いた長編小説。
発表当時はソビエトと社会主義の暴露小説? のような読み方をされていたらしい(巻末解説による)。そういった読み方はやはり時代性の影響が強いようで、今になってみると暴露小説として読む方が無理があるのではないか、と感じる。どうも西側(当時)で行われた翻訳にも問題があったようで、クンデラは後に改訂版を刊行している。
読んでいて思い出したのは倉橋由美子の短篇、『パルタイ』。『パルタイ』で描かれていた行為もやけに冗談じみていたが、本作で描かれているものもやはり『冗談』じみている。というか、この長篇小説自体が悪い『冗談』なのではないか……という読み方をしたくなる1冊。 -
こんなに面白い作品を書ける人がいるのだなと思った、自分が何億年かかっても書けないような作品だった。クンデラの持つ言語感覚や哲学感覚は、日本人の私からするとかなり斜めからの視点に感じて、「冗談」や「笑い」「不滅」「忘却」そこを切り取るのだなととても面白いです。本当に運命がどんどん引き返せないほど残酷に自分にのしかかる瞬間、、、
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50年も前に書かれた小説ではありますが、時代背景を度外視して単なる小説として味わってもとても面白い、このような書き方をする現代の作家もいるけれど、この人の模倣なのだと思うとずいぶんと陳腐に思えてしまう。結局のところ不毛な行動をとる人たちが何人も出てくるのだがそれぞれがなんというかいとおしい感じがする。「存在の〜」よりも前に書かれた小説なのだと知ってあらためてすごい作家なのだなと思った。
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文学
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文句なしの面白さ。ただ情けないのが、すごく気に入った名フレーズがあったのだが、忘れてしまった。。。
著者プロフィール
ミラン・クンデラの作品






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