- 岩波書店 (2016年10月20日発売)
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感想 : 7件
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784003770115
感想・レビュー・書評
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切なく悲しい100年くらい前の南イタリアの姿。
面白かった!文が素晴らしい。
日本ではこのタイトルで損している、と思う。
滞在記なのに宗教本だと思われそう。
もっとたくさん読まれるべき、イタリア・ネオレアリズモの一冊。
青べか物語、風車小屋だより、そういう一連の《都会から来た教養人が田舎の直接的で生々しい世界に頭を殴られる系》が好きな方にはぜひ読んでもらいたい。
文面は淡々としているけど、コアはものすごくアツい。いいぞいいぞ。
個人的には、後半になるに従ってさらに盛り上がるように思いました。
結局カルロ・レーヴィはガリアーノが好きなんじゃない?えっ?と思わなくもないが、そんな単純な世界じゃない。
ファシズム吹き荒れる1930年代後半のイタリア。
北イタリアで教育をうけた、医師で画家で小説家のカルロ・レーヴィが流刑にされて、強制滞在させられたのが南イタリアのガリアーノ。
直前まで滞在させられていたグラッサーノより遥かに辺鄙で古く、農民たちの困窮と病苦(マラリア)、宗教、民俗的信仰、悲しみや切なさのなかの獣めいた生活にカルロ・レーヴィは衝撃を受ける。
ところで。作者が、わざわざグラッサーノではなく、ガリアーノをメインにこの文章を書いたのは何故だろうと考えさせられた。
雌豚の去勢職人、カルロ・レーヴィの絵描き業に興味津々の子どもたち、次々と現れ送り込まれる地元の《魔女》たち、彼女らの夫や息子を連れ去り、ときに優れた農機具だけをくれる空っぽの海の向こうの帝国アメリカ、流れ者俳優一家による素晴らしい演劇、土地の権力者に止められてままならない医療行為と葬儀の泣き女たち(啼泣行為)、クリスマスの茶番→奇跡からのイカれ司祭の罷免、最新医術もありピアノも弾けて女たちからモテまくるオレ=作者。もりだくさん。
この淡々とした文が、都会に戻ったのちに陥れられた、更に猶予ならぬ状況で書かれていたとはとても思えない。凄い。
しかし、優しく賢い飼い犬バローネがいなかったら、私はもっと序盤でリタイアしたと思う。ありがとう、犬さん。
モナキッキョ(早世した子どもたちの精霊、イタズラ好き)や山賊の隠した宝物など、野趣あふれてる南イタリア〜〜〜。あるがままの陰鬱さと静けさ。たまりません。
今もこんな南北問題はあまり解消されていないんだろうね。
北イタリアから来た教養あるひとにはめちゃくちゃショックな世界だったんだろうね。
吾妻ひでおの『失踪日記』のように、作者が極限状態にあったゆえに、却って冴え渡る、感情を抑えた筆致には恐れ入った。
この作品が映画化されていたことを読了後に知る。1979年。え、映画ですか?!
それにしても。訳者のあとがきにあるように、カルロ・レーヴィのまわりの女たち(親族、恋人たち、南イタリアの女たち)、みんな彼に甘すぎんか? -
反ファシズムで流刑された寒村から
国家の憂いを綴ったルポルタージュ小説
印象深いタイトルは、農民の慰めえない劣等感や救済されない苦痛を揶揄している
政治のリアリズムと民俗学の偶像的表現のアンバランスが、何とも作品を魅力的にしていた -
パヴェーゼとは違い、ディープに反ファシスト運動に関わっていた作者。流刑されたイタリアの南部地区はキリストも見放した絶望の地だった。冒頭の連れてこられた様子はがが屠殺場に運送されてきたように、うちひしがれうなだれている。
どうやって希望を見い出だしていこうか煩悶する中、医療の知識を持つため、村人からは積極的に受け入れられる。
地形的にも行き止まりの土地で、消化不良の情念が発酵した様子がなんともねえ、味わいぶかいよ。自分がこういう何にもない場所で生まれ育ったから、情念→発酵→腐敗→乾燥、わかるわかる。 -
イタリアの小説というと色恋沙汰ばかりかと思いきや、反ファシズム、パルチザン運動に関するものも結構ある。
著者のカルロ・レーヴィもレオーネ・ギンズブルグ(ナタリア・ギンズブルグの夫)とも近い関係にあった反ファシズムの活動家で、1935年にトリノで逮捕され、南イタリアのど田舎に流刑にされた。本書はそのときの体験をもとに書かれたものである。同時期に同じように流されたパヴェーゼも「流刑」を著している。日本でレジスタンスといっても、ビラまいて憲兵にぼこされるぐらいなもので文学の余地もないが、さすがイタリアなのである。
面白いのは政治的な内容よりも民俗学的な視点からの観察が多く書かれていることで、山賊の伝説や魔女の呪術、洗礼を受けずに死んだ子どもの霊など、歴史家カルロ・ギンズブルグが中世のフリウリ地方で発掘したような土着の風習は、第二次大戦期でも現役なのである。 -
読むのに時間がかかった。
反ファシズム活動の罪で政治囚として一僻村に流刑された作者の実話。かな。
呪術や神話が人々の暮らしにあり、南イタリアの様子が伺える。
鶏と同じ家に住んだりは,日本だとあったのかな?
読了後はやり遂げた感がした。
