国語学原論 下 (岩波文庫 青 N 110-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003815021

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    P39 私の論旨は、上に述べた様に助詞助動詞に、用言の零記号の陳述と同様に、主体的総括機能を認めようとするのである。

    P55 文の第一条件は、統一にあるのであって、統一されるものにあるのでないことは、国語に於いても、印欧語に於いても同様である。

    P100 国語の文の構造は詞が辞によって総括され、それが更に順次に詞辞の結合したものに包括される入子型構造の形式によって統一されるものである。

    P159  一般には敬語は日本民族の尊敬推譲の美風の顕現であると考えられている。

    P169 従って敬語は専ら語彙論的事実として研究されねばならないという結論に到達するのである。

    P201 自己の言語によって自己の場面を変化させるという事実は、日常屡々経験することである。

    P286 彼のソシュール批判は、やはり今日でも構造言語学の発想の中心を射抜く否定の力を持っている。

    下巻カバー
    言語の主体を離れた客体的存在であるとあるとする「言語実体観」や、言語を音声と意味の結合であるとする「構成主義的言語観」を真っ向から批判。言語はあくまでも主体的な活動それ自体である「言語過程説」に立ってなされた問題提起の書。

著者プロフィール

1900-67年。国語学者。東京帝国大学卒業。京城帝国大学教授を経て、東京帝国大学教授。ヨーロッパの言語学に依拠した明治以降の国語学に抗して独自の考察を深め、「時枝文法」と称される体系を築いた。本書(「口語篇」1950年、「文語篇」1954年)は、その集大成である。他の主要な著作に、『国語学史』(1940年)、『国語学原論』(1941年)、『国語学原論 続篇』(1955年)など。

「2020年 『日本文法 口語篇・文語篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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