シンボルの哲学――理性、祭礼、芸術のシンボル試論 (岩波文庫)

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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003860151

作品紹介・あらすじ

シンボルを生み出し、これを操作することこそ人間と動物を区別するものであり、哲学に関心を抱くものは、その基礎をなすシンボルとその意味を認識しなければならない——。アメリカにおける記号論の礎を築き、これを芸術の哲学に発展させた古典的名著。シンボル機能の結実である言語、音楽、美術、神話、祭儀などを具体的に論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 1960年に訳された本の新訳である。5章の言語については、心理学と関係させていたのでわかりやすかった。本文の重要単語は太字になっているので、論文で、記号論の系譜の中でランガーの主張を参考にする場合には役立つであろう。ただし、これだけを読んで卒論を書くのは難しい。

  •  1942年刊行の、アメリカ人哲学者による書。1951,1957年に改訂版。
     人間における<シンボル>について深められたこの思考は、カッシーラーやウィトゲンシュタイン等からの系譜上にあり、ソシュール系の流れとは異なる。
     独特な考察が繰り広げられる本書は比較的大部だが、人間のシンボル活動として言語だけでなく、「祭祀」や「踊り」についても追究した第6章、芸術の中でもとりわけ「音楽」を取り上げた第8章および第9章がとりわけ面白く興味深かった。

    「もし音楽になんらかの有意義性があるとすれば、それは兆候的なものではなく意味論的なものである。明らかにその『意味』は情感を引き起こす刺激でも、また情感を伝える信号でもない。
     もし音楽が情感的な内容を持つとすれば、その『持つ』は言語が概念的な内容を『持つ』のと同じく、シンボル的に持つのである。
     音楽は通常情感に由来するのではなく、また情感を惹き起こすためでもない。条件付きではあるが強いて言えば、情感についてのものであるとはいえよう。
     音楽は感情の原因でも、これを癒すものでもなく、その論理的な表現なのである。」(P405)
     
     音楽について言及されたあまたの思想書の中で、本書は出色のものと思う。カッシーラーやホワイトヘッドも読み返しつつ、いずれもう一度これを研究的に再読したいと思う。
     また、末尾近くに1950年代の時代状況を記述しているとおぼしい文が、70年を経た現在の状況の特色をそのまま表現しているかの印象があったのも面白い。

    「このような時代には人々は何であれ手に入りそうな一般的な信念や理想に夢中になる。
     数多くの混合宗教が出現し、謎、主義主張、イデオロギーなど、すべてが熱心に信奉され、まずい議論がなされる。
     昔の部族的な統一への漠然とした憧れがナショナリズムを救済と思い込ませ、狂信的な排他と独善を駆り立てて爆発させるのである。」(P541)

  • めっちゃ大事。もう一回読む。

  • 祝文庫化!

    シンボルの哲学 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b521336.html
    (単行本)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b261096.html

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