憲法講話 (岩波新書)

著者 : 宮沢俊義
  • 岩波書店 (1967年4月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004100348

憲法講話 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 一昔前に書かれた物だが、戦前に近い時代に書かれたこともあって多くの含蓄がある。

  • 現代の憲法学の礎を築いた宮澤俊義による憲法学の手引書。私が学生時代に日本国憲法を概観するのに最初に完読した本だと思いますが、これを越えた概説書は未だに見た事ありません。そのくらい素晴らしい入門書です。

  • 元・東京大学法学部教授(憲法学)であった宮沢俊義(1899-1976)による一般向けの日本国憲法論。

    【構成】
    1 表現の自由をめぐって
    2 国家と宗教
    3 学問の自由と大学の自治
    4 法の下の平等
    5 生存権
    6 国民主権と天皇制
    7 参政権と選挙
    8 議会・政党・内閣
    9 裁判の役割
    10 軍の死と復活
    11 憲法改正
    <講演>神々の共存

    本書の1~10章は著者が雑誌『世界』に連載した「憲法講話」を編集したものであり、11章の憲法改正については書き下ろし。最後の「神々の共存」は憲法記念講演会(1962年5月3日)での講演からの採録である。

    著者の宮沢俊義は、東京帝国大学法学部においてかの美濃部達吉教授(本書と同名の著書を1912年に出版)の下で学び、「芦部憲法」の著者として知られる芦部信喜は宮沢の弟子にあたる。

    本書は憲法をめぐる諸学説を取り扱うのではなく、著者の理想とするところの憲法解釈を滔々とそしてわかりやすく述べている。中学や高校あたりで教えられている日本国憲法は概ね本書の主張に沿って教えられていることを考えれば、通説としての宮沢説の影響力は絶大なものであろう。彼の主張は、1945年の降伏直後から学会、論壇を席巻した進歩的な「理想主義」の憲法論として歴史的な意味を持つ。その反面で、憲法学という学問が十年一日どころか六十年一日の進歩もないように思えて仕方がないのだが、これは私だけの思いこみだろうか?

  • 八月革命説を提唱した学者として有名である。天皇機関説で有名な美濃部達吉の弟子であり、田上穣治(山内敏弘・長谷川正安の師匠)の兄弟弟子、芦部憲法で有名な芦部信喜(渋谷秀樹の師匠)・奥平康弘の師匠である。憲法学の巨匠であろう。

    個人的に面白かったのは、裁判官の項目である。日本の最高裁判事は内閣の指名で決定されるが、その行政の長は議会が選ぶ。これはアメリカの制度を真似ているが、アメリカの最高裁判事も行政の長が指名する。ただ違うところは、日本の行政の長は首相で議会で選ばれるが、アメリカは民選である。つまり行政に対する民意を伝える制度が、日本にはない。アメリカは大統領制だから、行政に対する民意を伝えることができる。結果的に最高裁判事に対する任免権もある、とみなすことができる(かつアメリカは、二重の危険が存在しない。)。
    それの穴埋めのために、最高裁判事の国民審査がある。しかし、いまいち機能しているとは思えないが・・・。

    また統帥権の項目も、興味深く読めた。戦前の日本の軍隊の制度は、プロシア憲法を準用したものとなっている。憲法によって(尤も明治憲法には内閣の項目はないし、輔弼するとなっているが国務大臣は各々が単独で天皇に対して責任を負っていると解釈されていた。)民選の首相をはじめとする指揮権にはふくさず、もっぱら天皇に対して責任を負っていた。かつ統帥権は不可侵領域とされ、軍人勅諭で「軍人は政治に関わるな」と云われたものの、ストップゴー事件やプラーゲ旋風、ロンドン軍縮会議の反故にしたことを皮切りに、次々と統帥権が拡張されてゆく。今の憲法は軍隊に関する条項はないが、文民統制が保障されているので、戦前のような状況にはならないではあろうが・・・。

    なにはともあれ、古い本ではあるが読みやすい。憲法を学ぶ上では、欠かせない本であろう。

  •  日本人の何%が,日本の知識人の何%が,
    この本に書かれたような意味で憲法や民主
    主義というものを理解しているだろうか。
    表現の自由,政教分離,学問の自由,法の
    下の平等といった11の話題について,他の
    国の例や明治憲法を引き合いに平易に解説
    している。初版は1967年だが,現在38刷を
    重ねているというのもうなずける。
    現在の憲法のありがたみ,日本の国としての(少なくとも今までの…)理想のあり方を
    知るのに格好の良書です。(2007年1月)

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