日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004100430

感想・レビュー・書評

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  • 2018年9月9日に紹介されました!

  • 【メモ】
    ・長寿な新書。
    ・私の手元にあるのは、「2012.12.5 第65刷発行」。
    ・二時間ほど探してもweb 上には本書の簡易目次すら見当たらなかった。ということで、刊行から50年と5ヵ月を経て、ついに本書の詳細な目次が世に! 


    【書誌情報】
    著者:川島武宜(1909-1992) 民法、法社会学。
    価格:本体740円+税
    通し番号:青版 A-43
    刊行日:1967/05/20
    ISBN:9784004100430
    新書 並製 カバー 在庫あり

    西欧諸国の法律にならって作られた明治の法体系と,現実の国民生活とのあいだには,大きなずれがあった.このずれが今日までに,いかに変化し,あるいは消滅しつつあるのか.これらの問題を,法に関連して国民の多くがどのような「意識」をもって社会生活を営んできたかという観点から,興味深い実例をあげて追求する.
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b267072.html


    【目次】
    はしがき(一九六七年三月一日 川島武宜/追記 一九八六年十二月 著者) [i-iv]
    目次 [v-vii]

    第一章 問題 001

    第二章 権利および法律についての意識 015
    一 「権利」の意識 015
    二 「法律」についての意識 037
      (1) 「法律」の規定内容の不確実性 037
      (2) 「法律」の規範性そのものの不確定性 043
    三 憲法と権利意識 048

    第三章 所有権についての意識 061
    一 問題 061
    二 近代法の「私所有権」の特質 062
    三 わが国における所有権の法意識 071

    第四章 契約についての法意識 087
    一 問題 087
    二 わが国における契約の法意識 089

    第五章 民事訴訟の法意識 125
    一 裁判 125
      (1) 裁判ということばの意味 125
      (2) 問題 127
      (3) 民事訴訟に関する法意識 137
      (4) 民事訴訟裁判への反映 143
    二 調停 154
      (1) 意味――仲裁とのちがい 154
      (2) 「仲裁的調停」――仲裁と調停との未分化的型態 155
      (3) 日本人の法意識と調停 162
      (4) 調停制度の導入 166
      (5) 「和の精神」の昂揚と調停制度の強化 170
      (6) 戦後の変化 178
        (イ) 戦後の変化
        (ロ) 人々の法意識
        (ハ) 法意識の変化と、調停制度の変化

    第六章 むすび 197

    別表 [1-5]
      別表1 民事訴訟事件の処理に要する期間 
      別表2 (東南アジア諸国の弁護士数) 
      別表3 訴受理・取下・和解(裁判上)の数 
      別表4 勧解事件数 
      別表5 裁判所を経由する離婚 

  • 昔の人もタチの悪いのは結構いたんだねぇ。民度低いのは今もいるけど…。

  • だいぶ前の本だが,法律の条文とその適用のされ方との差異を考えるには良い本だと思う。ただ,現代の日本人が持っている法意識とは異なる気がした。その変化の要因は,筆者が期待しているように日本人が啓蒙されたというよりは,伝統的なコミュニティが崩壊しかけてきて,前近代的な法意識が自然消滅してきたからではないかと思う。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    西欧諸国の法律にならって作られた明治の法体系と、現実の国民生活とのあいだには、大きなずれがあった。このずれが今日までに、いかに変化し、あるいは消滅しつつあるのか。これらの問題を、法に関連して国民の多くがどのような「意識」をもって社会生活を営んできたかという観点から、興味深い実例をあげて追求する。

    【キーワード】
    新書・岩波新書・法律・日本・小論文



    +++1

  • 丸山真男の日本の思想と並び、日本人という未開の土人について学べる良書。

    他の見方も出来そうな部分もあるが、まるっきり的外れな事は書かれていない。

  •  行政法の教授に勧められて読んでみた本。
     我が国の制定法が想定する社会規範と日本人特有の法意識からくる社会規範のズレを深い考察をもとに端的に指摘している。
     「一般の人向けに書かれているため、堅苦しすぎず読みやすい」という評価が多かったのに、読み始めはすっごい読みづらかった。途中からリズムをつかんだのかスラスラ読めるようになったから、ただ単に自分が堅苦しい本を読みなれていないだけかもしれないけれど。
     法律の役割は主なものとして、トラブル時における解決の基準と、トラブルを防ぐための人々の行動規範がある。本書は後者に焦点を当て、日本人特有の法意識から必ずしもそのような機能が十分に果たしているとはいえない現状を指摘する。例えば、自分の権利を主張するために裁判に持ちこもうとするなら「融通のきかないやつ」として白い目で見られることはあると思う。この本が書かれて50年は経つが、未だに当てはまる部分が多いことに驚かされた。
     また、日本人にはもともと「権利」意識が無いという指摘にはまさに目から鱗だった。法学を学ぶ者はとにかく法の想定する社会規範のみを意識しがちだが、実際の法の捉えられ方を再認識するのに本書はとても意義あるものだと思う。

  • 近代社会と伝統的社会のエートスの違いに眼を向け、単なる法制度を論じているだけでは見えてこない、日本人の法に関する意識について、多くの実例をあげながら考察をおこなっています。

    著者自身は近代主義の立場を取っていると思われますが、そうした著者の立場に賛同できない読者にとっても、法制度の背後にあるエートスについて考えるための手がかりとして読みなおすことができるのではないかと思います。

  • 昭和の法社会学の泰斗・川島武宜の1967年の著作。岩波新書のロングセラーの一冊。
    本書の問題意識は、「前近代的な法意識」の克服である。
    著者は、日本人の歴史的な国民性を、聖徳太子の十七条憲法の第一条「以和為貴(=和を以って貴(とうと)しと為す)」から連綿と続くもので、「日本社会の基本原理・基本精神は、「理性から出発し、互いに独立した平等な個人」のそれではなく、「全体の中に和を以て存在し、・・・一体を保つところの大和」であり、それは「渾然たる一如一体の和」」だといい、それが「前近代的な法意識」の背景にあるという。
    そして、所有権、契約、民事訴訟などの具体的な事例を引きながら、西洋諸国の法体系に倣って作られた大日本帝国憲法下では「権力」関係であった(=国民が国を訴えることは事実上できなかった)国と国民の関係が、日本国憲法によって「権利」の関係に転換したものの、日常の暮らしの中では旧憲法的発想は生きており、国民が憲法上の権利を知り、それを守り、維持していく努力をしなくてはならないと説いている。
    本書発刊後50年経ち、日本人の法意識は変化しつつあるとは思うものの、瀬木比呂志が近著『ニッポンの裁判』(2015年)で書いているような裁判(所)の問題の根本は、本書で指摘されている前近代的な考え方が依然として残っていることにあると強く感じさせる。
    (2005年12月了)

  •  書かれた法と実生活でいきる法のズレを指摘する本。出版されたのは1967年なので多少の古さがあり、そこから今に至るまでにますます近代法的意識が浸透したとはいえ、完全にはなくならない日本人の義理の感情。私自身はそういった日本的な感情は割と好きなのだけど、その感情が全ての法律行為に適するわけではもちろんないし、グローバル社会とのすり合わせという課題があることも考えさせられる。

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